YMのメンズファッションリサーチ

メンズファッションについて、ブランド、アイテム、ショップ、人物等様々な角度からリサーチします。

第78回 2020年最後の記事は少しノスタルジックに・・・

目次

 

理由はわからないですが、ノスタルジックな気持ちに

2020年も終わります。

今年一年を振り返るのが普通だと思いますが、何故か私は少しノスタルジックな気持ちに・・・。

 

何回か当ブログでは私の父の話が出てきていますが・・・。

ymfresearch.info

 私のファッション好きは、間違いなく血筋・・・。

それは何も父だけだというわけではないのです。

 

今回は、理由はわからないのですがふと、亡くなった祖母の話をしたくなりました。

もしよければお付き合いください。

 

おばあちゃん子だった私

私の両親は共働きでした。父母共に公務員(母は看護師)。二人とも多忙で、特に小さい頃はよく祖母が面倒を見てくれていました(祖父は私が生まれる前に他界しています)。

 

あたたかくも厳しかった父、不器用ながら愛情を注いでくれた母。

そして無条件の優しさで包んでくれた祖母に私は育てられたのです。

 

祖母と過ごす時間が長かったこともあり、私も弟もおばあちゃん子でした。

甘えん坊だった私と弟を心からかわいがってくれた祖母。私だけではなく誰からも好かれ慕われる人でした。

父から叱られると祖母のところに逃げ込んでいたことをよく覚えています。

一緒にいるだけで安心しました。

今思うとあの包容力は何だったのだろうかと思うこともあります。

それは不思議な気持ちになるくらい特異なものでした。

 

家を出てから

私は18歳の時に家を出て一人暮らしを始めます。大学に通うためです。

それから月に一回くらい実家に帰ることになるのですが。

 

高校の時までは本当に垢抜けなかった私ですが、大学に入り、今までと違う人や物にたくさん触れ、感性が変化していきます。

高校生の時、つまり実家で暮らしている時にはしていなかった格好をして実家に帰るようになる訳ですが・・・。

私が父の世代には理解できないようなアイテムを身に着けているとよく「センスがない」「格好悪い」とダメ出しされることに・・・。

私も当時は「わかってないなあ」と思っていたものですが、今の私が見たら父と同じことを言うでしょう。当時はまだおしゃれというものが本当にわかっていなかったのです。

 

しかし、その時くらいから気付いたことがあったのです。

祖母が私の格好をみて

「いい色味だ」とか「珍しい形だ」

等と言っていたのです。

「ばあちゃんは結構服に興味がある・・・」

そう思いました。一緒に暮らしていた時は思いもしなかったことです。

 

貝ボタン

最近、ファストファッションのシャツ等にはまず使われない「貝ボタン」をみると祖母のことを思い出します。

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出典:https://staffblog.okadaya.co.jp/brand/okadaya-shinjuku/shop/accessories-house-6f-a/57e332be-8c14-4729-b868-16b0026b3882

こういう天然の貝を使ったボタンですね。

安価なシャツはプラスティック等の素材が使われていますが、ある程度の品になると天然貝のものが使われるのが常。

 

「ボタンを見れば服の程度が分かったりする」と私は結構思っていて、ショップに行った時も素材やシルエット同様にボタンを注視するのですが・・・。

それは祖母から教えてもらったことなのです。

 

「ばあちゃんは結構服に興味がある」

と考え出した時くらいに、丁度実家に帰るタイミングで愛用していたシャツのボタンが取れたので、実家に持って帰り祖母に付けてもらうことにしました。私は裁縫が大の苦手なので・・・。

良ーく覚えています。ジムフレックスのBDシャツでした。

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丁度これと全く同じものです。

 

その時に祖母が

「貝ボタンだ。これは良いシャツだね。」

と言っていたのです。

 

私は恥ずかしながらそういう知識がなかったので祖母から貝ボタンの話を聞きました。

「昔ながらのシャツのボタンは本当に貝ボタンが多かった。それが普通だった。

でも最近の服についているボタンはプラばかり。安く済むから使っているのだろうけれど、ボタンが安っぽいと全体の印象が全く違ってしまう。

だから久しぶりに貝ボタンのシャツを見ると嬉しい気持ちになるもの。」

そんな風に言っていました。

凄いなと思いました。

 

私の祖母は「最先端のファッションに通じているつもり」だった私よりもうんと服に造詣が深かったのです。

目からウロコでした。

 

祖母がオシャレだったことが判明!

 

それから時々祖母に服の話を聞くようになった私。

 

祖母の自慢は、戦時中に満州に一時期住んでいたころ満州鉄道で働いていたらしいのですが、その際に満州国皇帝の溥儀(ふぎ)の弟、溥傑(ふけつ)の妻・「流転の王妃」嵯峨浩を見たことでした。

その煌びやかな召し物に目を奪われ、息をのんだそうです。召し物に目が行き、「どんな素材を使っているのか、どんなデザインになっているのか」等と考えたとか。

 

また、私の父は5人兄弟で、祖母は専業主婦だったこともあり、家計のやりくりは楽ではなかったとのこと。

そんな中でも月賦で着物を買う事だけはやめなかったそうです。祖母のちょっぴり浪費家な面は知っていましたがそこまでだったとは・・・。筋金入りの着物好きだと自分で言っていました。

 

父がクローゼットに背広をたくさん持っていて(特にツイードが大好き)、バーバリーやバラクータ、ノースフェイスやラコステを愛用し、時計はロレックスやハミルトン、靴はリーガルでキメるおしゃれなオヤジだという事は知っていましたが、血脈なのだなとこの頃気付いたのでした。

 

同時に、ますます祖母のことが好きになっている自分にも気づいたのです。

 

人生最大の後悔

 

それからまた随分時は経ち、祖母は94歳で他界しました。

 

今までの人生で、「時を戻したい、やり直したい」と後悔していることはそんなに多くはありません。現状に満足しているとかいう事ではなく、そういう後悔はナンセンスだと思っているからです。

 

しかし、祖母の死に際のことだけは今でもこの身が引き千切れそうに感じるほど後悔しています。それだけは自分の中で例外なのです。

 

祖母が加齢とともに徐々に衰弱していく中、父や母とも「もう長くは生きられないかもしれない」と話していた時期・・・私はここでは述べるのを控えますが、あれこれ理由を付けて実家に帰るのを避けていました。

 

祖母のことが心配でたまらなかったのですが、自分の弱さから足を遠のかせていたのです。

結局、死に際に居合わせるどころか、容態が悪くなってから殆ど顔を見ることもできませんでした。

 

あんなに大好きだったのに、あんなにかわいがってもらったのに。

自分の都合や弱さからそれを避けてしまった・・・。

何という不幸者なのだろうかと幾ら後悔しても足りません・・・。

 

優しい祖母はきっと「気にすることではない」と言ってくれたと思うのですが。

いつも自分よりも他人を優先する人でした。

でも、「そういう問題じゃない」と逆に泣きながら怒ってしまいそうです。

 

もしも時間が戻せるのならば、あの時に戻って祖母の寝ているベッドの横に座り、優しく手を握りたい。

 

それが叶わないのならば、心霊だとか幽霊だとかの類は信じないほうですが、それでもいいから出てきてほしい。一言謝りたい。真剣にそう思っています。

 

それもだめならば、夢に出てきてほしい。夢でもいいから臨終のときのことを謝って、それからまた洋服の話もしてみたい。

一度も祖母が夢に出てきたことがありません。

 

気高く、優しく、分け隔てなく、清らかで強い人でした。

そして、おしゃれが大好き!

私の永遠の憧れの人です。

 

ありがとう

思えば、冒頭に記したように私のオシャレ好きは根っからで。

祖母、父から受け継いだものだというのはほぼ間違いないのでしょうね。

 

それ以外のいいところは殆ど受け継げていませんが・・・。

 

本当はまだまだ語りつくせない程祖母については沢山の思い出もありますが、今日はこの辺で。

 

年の瀬に、少しノスタルジックな気持ちになりました。

今年のお正月には新型コロナの影響もありお墓参りにも行けません。

そのうちお墓に祖母を参り、毎年のように「ありがとう」の言葉をかけたいと思います。

 

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今年はこのブログを立ち上げ、皆さんに読んで頂けて本当にうれしかったです。

来年も色々面白い内容を考えていきたいと思います。良ければ今後も当ブログへお越しください。

本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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