最強のTシャツを手に入れる
「最強のTシャツ」・・・。「最強」という文言は、下手に使用してしまうと物議を醸しやすい危ういワードだ。
しかし、それは百も承知の上で今回その形容詞を使用したい。
生地、デザインのどちらをとっても、そうせざるを得ないTシャツを購入してしまった。
過去記事でご紹介した日本のメゾンブランド・ジャックマン。
ジャックマンの代名詞的なアイテムであるDOTSUME(ドツメ)Tシャツの胸ポケットに英国のトラディショナルブランド・ラベンハムのナイロンキルティングを採用したコラボTシャツこそが今回の表題である。
順を追って説明していくので、是非最後まで読んで欲しい。
Jackman(ジャックマン)とは
出典:ジャックマン公式HP
過去記事でも述べたが改めてジャックマンとはどんなブランドなのかを少しだけ紹介したい。
ジャックマンはタナベメリヤスの創始者、田辺貢の魂を受け継いだ福井県発祥のブランドである。
1949年に田辺莫大小製作所を創業した田辺貢は戦後初の日米親善野球の開催に触発され、野球用ストッキングの製作に乗り出す。それを契機に田辺莫大小製作所はスポーツアパレル分野でシェアを伸ばし、1964年には東京オリンピックの日本選手団の公式ウェアを手掛けるまでに至った。
その流れを組むジャックマンはベースボールに関連するアイテムをベースにしたものも多く、今もなおタナベメリヤスのバックグラウンドを根強く残しているのが特徴の一つだ。
出典:ジャックマン公式HP
ジャックマンの縫製工場はタナベメリヤスの時代から続いているもので、希少なユニオンスペシャルも現存している。ここでしかできない、ジャックマンでしか作り出せない製品もあり、ジャックマンのアイテムからは飽くなきまでのモノ作りの精神を存分に味わうことが出来るようになっている。
まさに日本のクラフトマンシップの潮流をふんだんに含んだ、私達日本人が誇りに思うべきブランドなのだ。
最近はそれに現代的なデザインセンスも加わり、モノの確かさとモダンさが上手く融合している感も強くなってきた。ディテールやシルエットの美しさは生地の上質さと縫製の確かさあってのものだと実感させてくれる稀有な存在なのである。
LAVENHAM(ラベンハム)とは
出典:LAVENHAM公式HP
ラベンハムは1969年に設立された英国のファクトリーブランドである。
創始者のミセス・エリオットは世界公開のナイロン製キルティングのホースラグ(馬用ラグ)を製作する。当時のホースラグは乾きが遅く傷みやすいウールで作られていたため、ナイロン製のキルティングは実に斬新で画期的なアイディアだった。
そのホースラグは大ヒットし、その後はジレ、ジャケットとバリエーションを増やしていく。
ラベンハムの理念である「目的に適したモノ作り」は今もなおブランドの原動力であり続けており、代名詞的存在であるキルティングジャケットはトラッドで品のあるいで立ちでありながらも着易く使い易く動きやすい実用性の高さが魅力で、世界中で廃れることなく愛され続けている。今もなお、ナイロンキルティングジャケットと言えばラベンハムというのが世界のアパレル界の共通認識なのである。
語りどころの多いTシャツ(レビュー)
さて、今回レビューするTシャツは先述した通りその両者のコラボアイテムという事になる。じっくりレビューしていこう。
Tシャツというものはパーツの少ない簡素なアイテムなので、レビューも簡単になりがちなのだが、このTシャツは実に語りどころが多い。
ジャックマンのDOTSUME(ドツメ)Tシャツ生地
まずは生地から。この生地、とにかく凄い。
ジャックマンのDOTSUME(ドツメ)Tシャツなのだが、この生地、何と驚愕の11.5oz(オンス)となっている。
自分の持っているTシャツの中で最も高オンスなものは【CANBER(キャンバー)マックスウェイトTシャツなのだが、それでも8oz(オンス)だ。勿論厚ければ厚いほど良いと言っているわけではない。しかし、ここまで分厚いと流石に圧巻である。キャンバーも「マックスウェイト」を謳っていて、そのヘビーウェイトさには絶対の自信を持っているに違いないが、それを軽く超えているわけだ。
アメリカンコットンをジャックマンの吊り編み機で均等に極限まで度詰めしたこの生地は、今まで覚えきれないくらいのカットソーの生地に触れてきた私が自信をもって「最強」だと言える代物だ。まさしく同ブランドの代名詞的生地だと言って良い。
今回実店舗で購入したが、ショップスタッフの方も「最強の生地」と言っていた。因みに最近YouTubeの東野デニムで紹介されてからさらにスマッシュヒットしているようだ(東野デニムの影響力はやはり侮れない)。
リブネック
更に凄味を感じるのがこちらのリブネック。コットン100%のボディに対してポリエステル100%になっているのだが、かなりしっかりと厚みのある作りだ。
ここはコットンで作るとやや耐久性に難が出てしまう。ショップ店員の方が「少なくとも5年は着れる」と豪語していたが、その根拠の一つはこの極めて耐久性の高いリブネックであると感じた。
ボディと素材が違っても違和感が出ないように質感を計算している様も見受けられ、全く以て抜かりもないという部分も天晴である。
シルエット
シルエットに関しては肩を落としたり後ろ身頃を長くとったりといったこなれ感の演出は為されていない。
誤解して欲しくないので述べておくが、ジャックマンの他のアイテムはモダンなデザインやディテールの取り入れが割合感じられるものが多い。最近は特にデザイナーの感性が存分に感じられるハイセンスなものが増えた印象である。
しかしこのDOTSUME(ドツメ)Tシャツは恐らく長年ワードローブのベースになり得る為の企画なので、そういった要素よりも流行り廃りに関係なく着る事の出来るスタンダードさを重視しているのではないかと思っている。それは疑いようもなく正解だ。
ただし、身幅や着丈は比較的ゆったり目に作ってはあるので変にダサくはならない。その辺りは後項の着用イメージを見て欲しい。
LAVENHAM(ラベンハム)のキルティングポケット
そして、ラベンハムの胸ポケットである。
ここまで述べておいてこのようなことを述べるのは些か気が引けるのだが、私はTシャツの胸ポケットに異素材や異色の切り替えデザインがあるものがあまり好きではない。よほどうまくやらなければ一遍にダサくなりかねないからだ。
なので、ネットでこのTシャツをチェックしていた時も若干懐疑的だった。
・・・しかし・・・。はっきり言ってこの切り替えは「最強」だった。
前項で紹介したように英国の伝統的ブランドであるラベンハムの本物のナイロンキルト、実際のジャケットに使われているものと同様のコーデュロイパーツ、そしてブランドラベル・・・。そのセンスの良さとボディとのコントラスト、一切の妥協のない作りの良さ・・・一切文句の付けようがない。
ポケット切り替えデザインは難易度の高い試みだと思うのだが、ここもまたあっさりと超えてきたという印象なのである。
インラインのDOTSUME(ドツメ)Tシャツのポケットと同様のこの立体的なマチも素晴らしい。目新しくてつい何回も捲ってしまったほどだ。
冷静に考えると、アメリカのスポーツやカジュアルからインスピレーションを得ているジャックマンと英国トラディショナルブランドであるラベンハムという両者がどのような経緯で交わったのかはよく分からないのだが、どアメリカな雰囲気のヘビーウェイトボディに上品で伝統的なキルティングポケットが融合しているのに違和感どころか実に完成度の高い出来になっている。
カジュアルな格好良さと格式高さが合いまり、一枚着でも全く以て決まるデザインはまさしく「最強」である。
着用イメージ(サイズ感、コーディネート)
サングラス:MOSCOT(モスコット)レムトッシュ
Tシャツ:ジャックマン×ラベンハム
腕時計:ハミルトン PSR
バングル:ファーストアメリカントレーダーズ
パンツ:ハバーサック
シューズ:コンバースタイムライン23SSワンスター
173㎝60㎏でLサイズを着用。身幅はやや広めだが袖丈や肩幅等は普通で、トレンドなシルエットというわけではないといった感じだ。これくらいならば流行り廃りに関係なく着る事が出来る。
11oz(オンス)という超ヘビーなウェイト感で、着用するとずしっと落ちる感覚になる。それが心地よく、形も綺麗に出ていると思う。
やはり改めて、シルエットと生地感は密接に関係していて、幾らキレイでこなれたシルエットを作ろうとしても生地が粗悪ならば格好良くはならないものなのではないかと感じた。
ザ・ノースフェイスのバーサタイルミッドとホワイトマウンテニアリング×ティンバーランドの3アイラグに替えてみた。深いチャコールの色味になっているので同系色でコーデするとショートパンツでも大人っぽく合わせることが可能だ。存在感があり、ポケットの効果で品も出せるので存分にサマになっているかと思う。
まとめ
実店舗で実物を見て、衝動買いしてしまったのは実に久しぶりの事だった。そのくらいのインパクトがこのTシャツにはあったということだ。
ジャックマンのDOTSUME(ドツメ)Tシャツの生地は圧巻の一言だし、ラベンハムのトラッドさがそれに違和感なくプラスされている。何度も言うがなかなか最強のコラボだと言わざるを得ない。
個人的にはもっとジャックマンを多くの人に知ってほしいという思いも強い。
このブランドのモノ作りの精神は素晴らしい。そしてユニークでもあり、デザイン性も高くなってきている。
ファストファッションやセレクトショップのオリジナルに比べるとやや気軽に買える価格設定ではないが、その分間違いなく長く愛用できるものが多いと思う。
日本のアパレル文化の潮流とクラフトマンシップを日本人ならば感じて欲しいし、決して後悔しないだろうとも思う。ジャックマンには価格以上の価値が必ずある。
そしてその中でもDOTSUME(ドツメ)Tシャツとラベンハムコラボは特におすすめだ。気になった方は是非チェックして欲しい。
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