突飛なデザインもクラシックな名作に乗せると・・・
パイソン柄プリントのレザースニーカー。
何とも個性的だということは言うまでもないことだ。
通常手を出すには勇気がいるし、増してや大人世代ならばその一手は極めて困難な選択となり得るだろう。
その上デザインも素材も共にアシンメトリーと来ている。
難しい・・・果てしなく遠い彼方に消えていく地平線を追いかけるような気持ちにさえなってしまいそうだ。
・・・しかしだ。
そんな縁遠そうな一足も、PUMA(プーマ)のSUEDE(スエード)という不朽の名作ならば実はハマるのである。
見たことのないような気鋭のブランド、モデルであれば、ここまで冒険するのは極めて難しい。履く人を選ぶどころか、その余地さえなさそうである。
PUMA(プーマ)のSUEDE(スエード)は誰もが認める、同ブランドのアイコン的な存在だ。
このデザインはSUEDE(スエード)に乗せたからこそ成り立っている。そして成り立つどころかパズルピースのようにきちっとハマっているのである。
PUMA(プーマ)SUEDE(スエード)とは
出典:ココチヤ
PUMA (プーマ)のSUEDE(スエード)には、当初名前がなかった。
1960年代に登場した、PUMA(プーマ)社が作ったスエードレザー素材のシューズこそが件(くだん)のSUEDE(スエード)なのだが、当時のスポーツ選手たちの間で評判を呼んだそのスエード素材のシューズはやがて徐々に通称「SUEDE(スエード)」と呼ばれるようになったそうだ。これまで様々なもののバックグラウンドを勉強してきたが、そのような成り立ちを持っているシューズはなかなか珍しいのではないかと思う。
SUEDE(スエード)はやがてオリンピックの表彰台に上り、NBAのトッププレイヤーのシグネチャーモデルを派生させたり(クライド)しながら同ブランドの代名詞的フットウェアとしての足場を固めていく。
そして、アディダスの名作・キャンパス等と同様に70年代に入ると当然の成り行きであるかのようにストリートに進出。ニューヨークのストリートシーンを席巻したことを皮切りにロサンゼルスへ、そしてロンドンに逆輸入されていくのである。
この頃に、通称だった「SUEDE(スエード)」は正式名称となったのだった。
高いシンプリシティと、(アップデートしながらではあるが)現代でも通用するグリップ力やホールド性の高さ、そして汎用性の高さを以て、SUEDE(スエード)はPUMA社の名作としての地位を未だに守り続けているのである。
SUEDE(スエード)SPLT(スプリト)レビュー
というわけで購入したSUEDE(スエード)SPLT(スプリト)をレビューしていこう。
最初に述べておくが、シューレースをいつものようにThis is…(ディスイズ)のストレッチシューレースに交換した。最近は所有しているほとんどすべてのスニーカーのシューレースをこのブランドのものに換えている。最早これなしでは二進も三進もいかないようになってしまった。
このストレッチシューレースによって極めて着脱のしやすいスリッポン感覚に早変わりするのだが、見た目は極めてコットンライクなのが凄い。はっきり言ってネガティブな要素が一つも見当たらないのである。
因みに今回はカラーもブラックに変更している(左側がデフォルト、右が交換後)。
個性的なだけではない拘り抜いたディテール
先述したように、アシンメトリーにパイソン柄のレザーとスエードレザーを配してあるこのスニーカー。見る角度によって異なる印象を付与することが出来るのが特徴だ。
モデル名「SPLT(スプリト)」は分派という意味があり、定番モデル「SUEDE(スエード)」のバリエーションという位置付けという事がそのネーミングからも判る。
・・・しかし、一見突飛なデザインのようだが、良く良く各箇所を見て触って、実際に履いてみると、やはり実によくできていることも分かる。
レザーの質感は極めて高く、「ちゃち」という概念とは正反対に位置していることが良くわかるのだ。
インソールまでアシメ。これは実は購入後に気付いて、その芸の細かさに感心してしまった部分だ。
各所のプーマキャットはゴールドになっていたり・・・
シュータンにさえも高品質なレザーが使用されている。一見しては分からない部分まで拘り抜いてあるのだ。
木型もかなりほっそりとしていて革靴ライクなシルエットになっている。実に綺麗である。
着用イメージ(コーデ、履き心地、サイズ感)
アイウェア:金子眼鏡
アウター:WE WILL(ウィーウィル)
パンツ:DOCKERS(ドッカーズ)
シューズ:PUMA SUEDE SPLT(スエードスプリト)
普段スニーカーは26.5~27.0が適正サイズだが今回は27.5㎝を購入。これを履いて本気で走ることもないので靴ひもをキュッと締めて大き目を履くことでより「らしさ」を強調することが可能になる為だ。
オールブラックコーデの足元に持ってきたがバッチリハマっているのではないだろうか。アシンメトリーになっていることで全体にギラギラ感があるわけではなく、意外と塩梅が良いことに気付かされたことも付け加えたい。。
見る角度によって異なった表情を醸す不思議なシューズであることは履く前からわかっていたが、実際に足を通してコーデしてみるとよりその感覚が鮮明になる。
勿論デニムやチノ等と合わせても突拍子もないことにはならないだろうし意外と幅広く使えるような気もしている。個性的な割に実際はそんなに難しくないような気がしてきた。
まとめ
PUMA(プーマ)はずっと長いことスポーツメーカーの総売り上げでナイキ、アディダスに次ぐ世界第3位につけるビッグブランドだ。
個人的にはPUMA(プーマ)はナイキやアディダスとは少し毛色の違うブランドだと思っている。個性的でチャレンジングな側面が強く、そしてサブカル色も強い。もっと端的に言えばあまり周囲とは相容れない「我が道を行く」性質を感じてしまう。
それがトレンドとマッチした時には「ドン」とヒットするアイテムが出たりするが基本的には通常トップランナーではないと言って良いだろう。
・・・だから、好きなのだ。そういう立ち位置とブランドの特徴にグッとくる。
・・・とはいえ、最近まで免疫がなかったのは、その個性的な特徴が故であったわけだが・・・。
最近の自分の感性にもよく合っていると思うので、今後も多分良くチェックして、またPUMAのスニーカーを購入してしまうだろうと思う。
今回ご紹介したPUMA SUEDE SPLT(プーマ・スエードスプリト)、いかがだっただろうか。
SUEDE(スエード)という不朽の名作に個性的なデザインを載せたこのモデル、きっと格好良いと思った方もいたのでは?
繰り返すが、難しく考える必要はない。モデル自体が定番と個性のバランスを図っているので、実際に手に取ったら意外とすんなりコーデに馴染むことは請け合いだ。
そして、この「普通とは一味違う」ピリッとしたスパイシーなデザインこそがPUMAらしさ。中毒(ハマ)ってしまうケースも珍しくはないだろう。
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