何気ない時の方が良いモノが見つかる
今回ご紹介するのはGUのツータックバギースラックス。何気なくGUに立ち寄った際に見つけた物である。
何か目当てのものがあって店舗を訪う・・・例えばコラボコレクションの販売開始の際や話題になっているものがある等以外の時ほど逆に発見があるものだと感じざるを得なかった。
断っておくが、私は何から何までむやみやたらに良いと論じるようなタイプではない。審美眼には多少なりとも自信があるし、大したことのない物を誇張する傾向があると一挙に信頼を失うことになることも良くわかっているつもりだ。
それらを踏まえて、このツータックバギースラックスは極めて傑作であるという書き出しから始めていきたい。
ツータックバギースラックスの何が良いのか
質感が凄い
元々、近年のGUのアイテムは全般的にクオリティが爆上がりしている。生地感もシルエットも一昔前とは比較にならないほどだ。
これに関してはもう何度も当ブログの中で述べてきたし、世間的にも周知の事実なのでわざわざ改めて記す程の事でもない。
しかし・・・しかしだ。
個人的にはデニムの加工具合やヘビーウェイトシリーズの質感、カットソーやシャツのシルエットの良さ等は文句の付けようがないという見解ではあったが、ジャケットやスラックス等に関しては相変わらず化繊感が強かったという印象で、「ウール見え」を表現することに関してはまだまだユニクロに一日の長があると思っていた（価格帯はユニクロの方がちょっぴり上だから仕方ないのだけれど）。
しかし、このツータックバギースラックスを店頭で見て試着をした際、その評価は最早的を得た物ではなくなったと確信した。
テカテカとした化繊感はほとんどなく、限りなくウールに近い質感だったのだ。
シルエットが秀逸
質感が素晴らしいだけならばまだまだ左程驚きはしない。確かに凄いが、「わー、凄い。」で終わっていたかも知れない。
ここで着目すべき点はシルエットの秀逸さである。
この点に関しては近年のGUが本来持っていた要素である。だから、「相変わらず」という枕詞が相応しい。
ゆったりとしたウエスト、腰回りの作りから広がっていき、裾に向けて緩くテーパードがかかっている。最近GUが売り出しているバレルレッグシリーズとはまた少し違う、従来のワイドテーパードシルエットだ。商品名の通り深めのツータックが入っており立体的な表情になっている。
しかし、前項で述べたように今回は生地感が全く違う。軽やかな生地ではあるが落ち感があり、それがそもそも優秀な生地感に拍車をかけている印象だ。
やはり生地感とシルエットは（当たり前と言えばそうだが）相互に関係しあう要素であると再確認させられてしまう。
各所ディテールも抜かりなし
各所ディテールも全く抜かりはない。
ファスナーや内ボタン、ホック、スピンドルの質も決してチープではなく、様々な服を通ってきた私でもそんなに不満はない。
ウェストはイージー仕様。
センタークリースが消えにくい仕様になっている。
バックポケットのうち片方はフラップポケットになっている。細かいがクラシックな雰囲気を醸すのに一役買っていることは言うまでもない。
・・・繰り返すが、全く安っぽさがない・・・。
コーディネート、サイズ感
サングラス：MOSCOT（モスコット）レムトッシュ
カットソー：DAIWA PIER（ダイワピア）39
173㎝61㎏でMサイズを着用。
Sサイズでもジャスト気味になったと思うところだが、うんとスピンドルを締めて穿けばMサイズでもこのような着用感になる。ウエストがイージー仕様なのでかなり幅広い選択が可能だろう。
ご覧のように、普通に格好良い。とても、良い。
ワイドパンツのトレンドがあとどのくらい持続するのか分からないが、個人的には今カジュアルで穿く用途のスラックスならばこのくらいのシルエットはかなり気分である。重複するが生地に落ち感があるため全体がストンと落ちて、裾の溜りも全くいやらしさやダサさが感じられない。
ジャケットやシャツと合わせても良いがうんとカジュアルなトップスに合わせるとバランスが良いのではないかと思っている。
まとめ
このGU・ツータックバギースラックスの価格は（誠に信じがたいことだが）2,990円で、時々セールで2,290円位になることもある。3本買ったとしても10,000円を切ってしまう。
出典：GU公式オンラインストア
きちんといいモノが買いたいという方は30,000円位出してドメスティックブランドやインポートブランドのものを買い求めると良い。丁度同じようなデザインのものはそのくらいの価格帯でなら結構沢山見つかる。
私も本来はきちんといいモノが欲しい質（たち）だ。
しかし、これはこれで満足してしまった。
正直に言うと、ワイドスラックスはMARKAWARE（マーカウェア）あたりで探していたところではあった。しかし、これで良い。今はそう思っている。
これは全く言い過ぎではなく、結構本気のコメントだ。
まったく、こんなものを2,000円台で作ってしまって・・・GUは末恐ろしい存在に成ってしまったのかもしれない・・・。
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