魅惑のフットボールTシャツ
最近手に入れたこのTシャツは一際変わった特徴を持っている。
50~80年代のヴィンテージフットボールTの再現を掲げながらも・・・
あのファストファッションの得意な手法と非常に似通った製法を採用している。
メイドインジャパンのアメカジブランド・バーンズアウトフィッターズのコットンレーヨンフットボールプリントTをレビューしていこう。
一目惚れして衝動買いしたけれど、何か?
出典:バーンズアウトフィッターズ公式HP
今まで認識していたバーンズのTシャツとは全く違う雰囲気を放っていた。
「一目惚れ」。そして「衝動買い」。
一応試着したが、その時にはもうほぼほぼそれを家に持って帰ることは決めていた。
バーンズアウトフィッターズのコンセプトは、「50年代から70年代の古き良きアメリカの乾いた空気」である。
所謂、日本初のアメカジブランドで・・・
詳細はこちらの過去記事を参照頂きたいが、武骨で一本気なところのある比較的地味な立ち位置を取るブランドである。
出典:バーンズアウトフィッターズ
作るTシャツは極めて稀有な吊り編み機で丁寧に製造されるヘビーウェイトな生地感のものがイメージとして定着している。
出典:バーンズアウトフィッターズ
「いかにもアメカジ」で、どちらかと言うとファッショナブルと言うよりはもっと純粋にアメカジと言うカルチャーを愛するメンズに愛される存在と言う方が近いだろう。
今回手に入れたフットボールTも確かにアメリカンヴィンテージの再現がコンセプトだが、少なくともこれまでのバーンズのTシャツとは一味も二味も違うと感じた。
不思議さ(魅力)をご紹介
生地①
まず何と言っても述べたいのはこのTシャツの生地だ。ここに最大のポイントがある。
カラー表記はグレーなのだが、店頭で見た時にテロテロっとした光沢感を感じた。色味はグレーと言うよりもシルバーと言った方がしっくりくる。
そして手に取ってみるとトロトロッとした何とも言えない手触りを感じる。
そう。このTシャツ、63%のコットンに37%のレーヨンが混紡されているのだ。
先述したように兎に角吊り編みのヘビーウェイト生地に拘りのあるバーンズがこの混紡率でTシャツを作るというのは極めて意外性があり、その瞬間で(言い過ぎかもしれないけれど)度肝を抜かれてしまった。
50~70年代のアスレティックウェアの素材感の再現を目指したというが、確実に現代の技術力を以て製作されているので、いい意味でのアップデート版だと言えるだろう。
バーンズはヴィンテージ感を表現したかったのだろうが、僕は(生地に関しては)どこか現代的なシティ感を同時に感じてしまった。
もちろんこれはいい意味でだ。極めて素晴らしい。少し不思議だけれど。
着込んでいくとまた独特の雰囲気に変化していくことは間違いない。もしかしたらブランドの考えたコンセプトを本当に感じる事が出来るのはその時なのかもしれない。
生地②
これは裾の部分を捲った画像である。
表と裏で全く生地が違う事が分かるだろうか。
コットンとレーヨンを交互に編み上げる事で(裏地ではなく)裏側がコットンに、表がレーヨンになるように作ってあるのだ。
前項で混紡率を述べたが、肌に触る側はコットンになっているという寸法な訳だ。
これは、「世界で一番売れているユニクロのTシャツ」として名高いユニクロU(ユニクロユー)のエアリズムコットンオーバーサイズTシャツと同様の発想である。
ユニクロUのエアリズムコットンオーバーサイズTシャツは表にコットン、裏はエアリズム糸が来るように編み上げてあり、着心地(肌触り)と高級感を両立させてある。
言うまでもなく、ユニクロの最高傑作Tシャツと言える名品である。
まさかストレートにユニクロから着想したわけではないだろうが、はたまた偶然だとも思えない・・・。
真相は知る由もないが、何にせよこの製法は名品たる所以になる十分なファクターであるとも言える。
実際にレーヨンのトロミ感・落ち感とコットンの肌触りの良さが両立され、極めてハイクオリティな生地に仕上がっているのだ。
デザイン・ディテール
そんな生地で成っているこのTシャツだが、ディテールはクラシック且つスポーティーなフットボールT。
非常に浅めのVネックが又ポジティブポイントで、Vネックだけれどもクルーネック感覚で着用することが出来る。
このネック自体は昔からバーンズが作っているもので、随分前に所有していたから安心感が抜群だ。
コットン100%のリブネックで耐久性は折り紙付きである(伸縮性も相当見どころと言えるクオリティである)。
アメリカンフットボールチームをイメージしたプリントはヴィンテージライクにフェードした加工が施されていて抜群の雰囲気。
シルエットはトレンド寄りのボックスシルエット。
従来のバーンズのTシャツは昔ながらのスタンダードなシルエットでファッション寄りではなかったが、流石に寄せている感はある。
しかし、そもそも幅広短丈はアメカジの基本シルエットだし違和感はない。寧ろ今っぽく着たい質なので嬉しい点である。
サイズ感・コーディネート・着心地等
173㎝60㎏でLサイズを着用。サイズ感が全く分かり難かったので店頭でMサイズとXLサイズも試着したが、Mサイズは若干こなれ感が出にくくXLサイズは流石に大きすぎた。
レーヨン混の生地は先述のようにトロミ感が強く落ち感が凄まじい。
繰り返しになるがカラーはグレーと言うよりもシルバーのように映える。
余りカットソーでは上手く出しにくいと思われるドレープが綺麗だ。
ボトムスは何と合わせるとしっくりくるのか迷うところだが、画像の様にワイドスラックスと合わせてみた。
デニムやチノよりもこのように中庸的な特徴を持ったものの方が相性が良いように思えている。
春はこの上からカーディガンを羽織ると具合が良さそうだ。
(カーディガン:クレプスキュール ボトムス:マーカウェア サンダル:ビルケンシュトック 時計:ハミルトン ブレスレット:ヴィンテージ)
もう少し暑くなればシャンブレーシャツなんかを羽織っても良いだろう。
(シャツ:オアスロウ)
まとめ
「バーンズってこんなの作ってたっけ?」
そんな風に思わされてしまった瞬間、勝負は既についていた(買わされてしまった)。
アイデア勝ちと言うか、なかなか見つけようとしても見つけることが難しい、珍しい雰囲気を持ったTシャツであることは間違いない。
確かにアメリカンヴィンテージをイメージしたものではあるのだろうが、何故かクリーンでシティな側面も感じさせられてしまう(レーヨン混の生地感のせいだろう)。
ただ、残念な点はこのTシャツ、画像や商品ページでは良さが分かりづらいということである。
実物を触って、実際に着用してみたらその独特さに心を射抜かれる人は多いと思う。
昨今の物価高騰の影響もあり、それでも10,000円を超える価格なので決して安くはないが、それだけの価値は十分に感じることのできる逸品である。
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価格:11880円 |
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