YMのメンズファッションリサーチ

メンズファッションについて、ブランド、アイテム、ショップ、人物等様々な角度からリサーチします。

【カーディガンの起源は?】ファッションのルーツを探る③カーディガン編(実はミリタリーが起源)

 

カーディガンはお好きですか

皆さんはカーディガンはお好きですか?

 

しばしば「着こなしが難しい」「学生のように見える」等と言われ(メンズからは)敬遠の対象になりがちなカーディガン。

しかし私は逆にとても好きです。勤めている会社では秋冬に頻繁に羽織っている為「カーディガン男子」と言われていたこともあるほど(最近だとカーディガンおじさんになっているかもしれない)。

好きなのにはいくつかの理由があるのですが

  1. 気温によって着脱による調整がしやすい
  2. 抜け感が演出しやすい
  3. 中性的な雰囲気を逆に生かすことが出来る

といったところです。

1については言わずもがなですが、暑いときは脱ぎやすいし、冬場はミドルレイヤーとして用いることが出来るのでとても長い期間活躍します。

2、3については襟が省略されているデザインのものが殆どなので「キメている感」が出にくく、こなれ感・抜け感が出やすくなると思っています。襟が省略されていることにより小顔効果が出にくいという理由から「着こなしが難しい」と言われることが多いようですが、小顔効果を欲していない自分からしたらほぼ気にならないし、簡素化されたディテールはレディーライクな雰囲気になりやすい為、極端に男臭いコーデが苦手な自分にとっては非常に重宝するアイテムだと言えます。

 

実は軍物(ミリタリー)が起源

さて、そんなカーディガン、原型となったのは16世紀にバスク地方で漁師が防寒着として着用したものという事ですが、明確に世の中で認識されたきっかけは実は意外にもミリタリーなのです。

 

出典:Wikipedia(カーディガン7世)

 

1850年代に勃発したクリミヤ戦争(ロシア帝国とオスマン帝国・イギリス・フランス・サルディーニャ連合軍の間で起こった戦争)において、戦闘時に負傷した兵士の身体を素早く温めるために考案されたのが起源だと言われています。その他も諸説あり、防寒の為に軍服の上から前開きのセーターを羽織ったともいわれている説や、イギリスのカーディガン伯爵が「バラクバラの突撃」で特有なデザインの前開きジャケットを着用していたから等々・・・。

負傷兵の暖とりの説を採用すると、セーターだとどうしても首を通す必要があるので着るのに時間がかかるし、負傷箇所によっては上手く身体が動かず、そもそも着ること自体が不可能なケースも考えられます。

当時は最も保温性のある素材はウールだったわけで、それを前開きにすることによって先述したような問題を解消したというわけですね。

いずれにせよ、考案したと言われているのはカーディガン伯爵7世。1600年代に1世が叙位されたところから始まり、現代まで続いている爵位とのこと。因みにカーディガンが「カーディガン」と名付けられたのはカーディガン7世が逝去した後の事だそうです。

 

出典:ユニクロ公式オンラインストア

 

現代におけるカーディガンは基本的にタフな環境に用いるものではないし、ウール以外に保温性の高い素材が様々存在しているので、カーディガンとミリタリーを結びつける要素は少ないと言えます。

元々負傷兵の為の保温具だったものが、現代の私たちにとっては日常着になっている。こういう事を知ることもファッションの面白さなのではないかと思います。

 

カーディガンのその後

ミリタリーが起源ということで、誕生からしばらくは男性用のアウトドアウェアとして流通していったカーディガンですが、20世紀に入ると徐々に女性の日常着として広まっていきます。

 

出典:MASHMANS

 

また、海を渡ったアメリカではアイビーリーグの学生たちが校章やアワードのワッペンを前開きセーターにワッペンとして付ける習慣が広まったことからアイビールックの象徴的なアイテムの一つともなりました(これはレタードカーディガン、アワードカーディガンなどと呼称されます)。

 

まとめ

 

これからの季節必ず重宝する日常着・カーディガン。今回はそのルーツをご紹介しました。

前述したように、着こなしが見方によってはやや難しい場合もあるアイテムではありますが、野暮ったく見えず、学生っぽく見えないように着こなすにはサイズ感や素材。カラー等にやや気を遣うと良いでしょう。

上手く使えばこなれ感が出てお洒落だし、冬場はアウターの中に着込めるので便利ですよ。

着用するときはカーディガン7世に思いを馳せましょう。

 

 

にほんブログ村 ファッションブログ メンズファッションへ
にほんブログ村

にほんブログ村のランキングに参加しています。もしよろしければバナークリックをお願いいたします。

是非ブックマークやコメントで皆さんのご感想などお聞かせください!

 

 

PVアクセスランキング にほんブログ村