目次
エピソード⑰ Thanks giving ⑴
アルバム「REFRECTION」に続いて「himawari」をリリースしながら、25周年を迎えたMr.childrenは、全国のスタジアムを回る「Thanks giving 25」を敢行します。
つまり「感謝祭」です。
ツアーの概要が発表された際に、私はその目を大いに疑いました・・・。
最終日が熊本・・・。
我が町でMr.childrenが「感謝祭」の最終公演を行う・・・。
何という事だ・・・。
私はこれまでMr.childrenのライブに行ったことがありませんでした。
単純に、殆ど自分の行動可能範囲でライブが行われなかったという事もありましたが、「ライブはね・・・」という食わず嫌い・・・。
今まで述べてきたように、私は「桜井氏の言葉」「その心情の行方」をずっと追ってきたので、ライブに対する食いつきはさほど強くはなかったのです。
ん・・・?
ん・・・?
いや、ちがうだろう。
行かなければ!
行かないでどうする!
これまでの「答え合わせ」をするときなのではないのか・・・。
じかに声を聴いて、表情を見て、今までの自分の考察の答え合わせを・・・。
行かなければ、一生後悔するかもしれない。
10万円払ってでも行かなければ(払っていません)!
日に日に、そんな感情が強くなってきました。
・・・そして・・・。
こういうことになったのです。
ご対面。答え合わせの時。
エピソード⑱ Thanks giving (2)
3万人もの観客が熊本県の益城町に集まります。
益城町は、熊本地震で最も甚大な被害を被った町。
ツアーの最終公演が熊本に決定した背景にはそういった事柄も多分にあるのでしょう。
ライブのスタートは、「CENTER OF UNIVERSE」。アルバム「Q」に収録されている曲です。
ある程度思考を集約している内容の曲なので、スタートに持ってくることに納得。
それから何曲か演ったあと、桜井さんから衝撃の発表が・・・。
「今日のLIVEは、DVDになります」
「え?」
「感動しすぎて何も言えない・・・」
Live DVD「Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25」 [ Mr.Children ] 価格:5,775円 |
・・・と、いう訳で、私が参加したMr.childrenの25周年記念ツアーファイナルの模様はDVD化されました。
はじめて行ったMr.childrenのライブがDVDになって残るなんて・・・自分の運の良さに驚いています。未だに・・・。
「これまでの25年の中でも、今日のこのライブを最高のものにします!」
そう、確かに桜井氏は言いました。
うーーーん・・・。なんという事だろうか。そんな日に巡り合えるなんて・・・。
米粒くらいの大きさでしか確認できない距離ではありましたが、同じ空間にいると思えるだけで満足感は計り知れませんでした。
MCで桜井氏も言っていましたが、セットリストは一般的な認知度の高いシングル曲が中心。
間でコアなファン好みなものも混ぜてはありましたが、主線は「感謝祭」なので、そうなります。
私は一時期「Mr.childrenの曲で好きな曲は?」と聞かれて、代表的なシングル曲を答える人は「にわか」と言って蔑んでいましたが、今は大いに反省しており、やはりなんだかんだ言っても完成度の高い曲はシングル曲だったり、表現したい度合いもそういうもののほうが高いのではなかろうかと思ったりしています。
だから今回のセットリストは非常に良かったと思っています。
エピソード⑲ Thanks giving (3)
出典:http://tower.jp/site/artist/mrchildren
一曲一曲聞く度に、ずっと憧れて追いかけてきた思い出が蘇り、直に聞く桜井氏の歌声とMr.childrenの演奏は私の耳を通して心を揺らし続けます。
何が良い、何が悪いという批評などできるはずも無く、全てが最高に感動的だったことはもはや言うまでもありません・・・。
しかし、やはり「himawari」の前MCで桜井氏が
「この曲で皆をコテンパンにやっつけます」
と言ったのはシビれました・・・。
そしてその言葉通り、3万人の観客をコテンパンにやっつけてしまったのです・・・。
LIVE全編を通しての感想としては、
ポップな部分も、皆が大好きなミスチルも、思い悩み苦悩する姿も、自分たちのやりたいことと求められるものの間で葛藤する気持ちも・・・
全て含めて受け止めている様子が見て取れるという事でした。
深海に沈み、東西奔走し、優しさを歌わなければと躍起になって、小脳梗塞を患い、命について考え、商業音楽と生来の感覚の両立に挑み・・・。
そういった様々な経緯があってこその今日のパフォーマンスだったのではないかあと勝手に感じていました。
・・・とにかく、ちょっぴり悩んだけれども本当に行って良かった。
一生の思い出です。映像にも残っているし。
エピソード⑳ その後
その後、Mr.childrenはアルバム「重力と呼吸」をリリース。
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小林武史氏から完全に離れ、初めての全編セルフプロデュースのアルバム。
やはり、想像通りにバンドサウンド全開。
アレンジが全然違うことは音が良くわからない私でもはっきりわかる程です。
「here comes my love」や「SINGLES」など骨太な中にも桜井氏らしい表現が織り込まれている聴き応えのある曲が目白押しです。
はっきりと、新しいMr.childrenをみせるという意思を感じることのできる素晴らしい完成度のアルバム。
「皮膚呼吸」は、ドコモの25周年CMの最後に流れていた当時プロトタイプだった曲です。「ああ、これは・・・」と、ちょっと感動しましたね。
自分自身の過去を受け止め、歩き出す覚悟をあらためて感じる一曲。
そして「SOUND TRACKS」
価格:4,400円 |
現時点での最新アルバムという訳ですが。
mrredwingchildren.hatenablog.jp
赤い羽ブログのこちらの記事も読んでください。
私よりもより専門的な考察をされています。
ロスでレコーディングしたサウンド等も注目されていますが、私は「命や物事の終わりについての考えがより深くなっている」点を注視しています。
「Documentary film」では過去最高ではないかと思えるほど桜井氏の表現力が際立っている気がします。
感情の移入の仕方が段違い・・・。
50代になって、また物事の見方が変わり、表現にはより幅が出ています。間違いなく・・・。
まとめ
2020年に久しぶりに紅白歌合戦に出場したMr.children。
あまりインタビューは見ない私ですが、ふとニュースを見たときにこれが飛び込んできました。
この中で、桜井氏は
「名もなき詩」という歌詞の一部に、「僕だってそうなんだ」という一節がある。
自分たちがやってきたことは結局こういう事なのだ。
皆大変だよね。色々あって、苦しんで。
うん。僕もそうだよ。
と言っています。
自分たちのここまでの活動をそう総括している様子。
過去記事で述べましたが、桜井和寿という人は、日本を代表するミュージシャンなのに、非常に一般的な感覚を持っていて、人並みに苦しみ悩み、壁にぶつかり、必死で走ったりもがいたり・・・。
そういうところが最大の魅力であり、多くの人たちの共感を呼ぶ。
強い人の理屈等聞いていてもピンとこないですものね。
この人の書く詞を聴くと、
「ああ、そうそう。」
「ああ、そんなことある。」
「何か、良くわからなかったこの感情は、こういう事だったのかも」
「ひねくれちゃって!言い過ぎじゃない?でもわかる、わかる」
「人前にはださないけれど、そこまで考えてはいたんだよね」
そんな風に思ってしまう。
その表現の幅や弱さを曝け出せる強さ、表現の幅に、魅了された一人が私なのです。
私は中学生のころからMr.childrenと共に育ってきました。
苦しい時も悲しい時も、嬉しい時も楽しい時も、いつも傍らにはMr.childrenがあったのです。
そして、これからもきっとそう。
こんなミュージシャンに巡り合えた幸運を心から感謝します。
これからも彼らの旅は続いていきます。
また、新しく進化していくでしょう。「SOUND TRACKS」で、「これ以上のものができる気がしない」と述べていましたが、また更新していくでしょう、きっと。
躓くこともあるかもしれないし、袋小路に迷いこむこともあるかも。
そんな姿も楽しみだったり。
どんな状況でも魅力的な表現をしてくれる桜井和寿とMr.children。
これからも一緒に(勝手に)歩んでいきたいものです。
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今後ともよろしくお願い致します。