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第95回 Mr.childrenについて語ります!その③活動休止を経て次のステップへ

目次

 

 

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前エピソードはここからご覧ください!

 

エピソード⑦ 階段を上った先にあった「忘れていたもの」

「Q」で肩の力が抜け、次のステージへと旅立ったMr.children。

ここでベストアルバムをリリースします。

 

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これはあくまでも「シングルコレクション」に近いものであり、本当のベストではありません。

それはきっとMr.children自身もそういう意味合いでリリースしたのだと思います。

一区切りという意味では大きかったかもしれませんね。

 

ベストアルバム後、次に何を繰り出してくるのだろうと待ち構えていた私。

そこに待っていたのは・・・

 

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「優しい歌」

 

・・・また、なんという・・・

こういうストレートな題名の時は変化球に違いない。

・・・しかし・・・。

・・・なんという優しさ・・・。

「優しさ」って何なのでしょう。

誰かにとってのやさしさは誰かにとっては残酷なものだったりもします。

簡単に「優しい」などとは言えない代物だと私は思っています。

しかしこの歌では、愛するもののために、優しい歌を歌わなければ。忘れていた、そういう気持ちを・・・。そういう風に述べられています。

これも、また一つの答え。

私はこの歌が大好きです。

 

このあたりからMr.childrenの楽曲にはかなり幅が出てきたような気がします。いろいろな角度から世の中の出来事や自分自身の心情、人の気持ちや難しさへアプローチする柔軟性を感じられるようになってきました。あ、あくまで歌詞の話です。

その象徴的な曲がこの「優しい歌」だと思うのです。

 

エピソード⑧ 素晴らしき世界

その後、「youthful days」「君が好き」とシングルを精力的にリリースしたMr.children。

「君が好き」は単純なラブソングではなく、皮肉めいた表現方法になっている作品ですね。

 

そして、アルバム「its a wounderful world」をリリース。

 

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「イッツアスモールワールド」をオマージュしたタイトルですが、このアルバムはMr.childrenのディスコグラフィーのなかでも稀にみる「陽」属性のアルバム。

 

「らしい」皮肉めいた寂しさを漂わせる曲も混じってはいるものの、主題は間違いなく「素晴らしい世界」への賛歌といえるでしょう。

 

私は 「one two three」「渇いたKISS」「UFO」等好きな曲がいっぱいあります。

「LOVEはじめました」もいいですね。

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「one two three」は、嫌なことがあったり壁にぶつかったとき、聞くと純粋に元気になる曲です。

肩の力が抜けた楽観的だけど力強く未来に向かっていく気持ちが描かれた隠れた名曲。

 

基本的に、「Q」で前を向いた桜井氏がそれを消化させて、まだまだ一抹の不安定さはありながらも、人を温める、優しい言葉で幸せな気持ちにさせるといった使命を感じているのかなあと勝手に思っていました。

でも、この人は本当に温かい人で、いろいろな葛藤に苦しみながらも、一先ずこういうステージまで登った。すごい人だ・・・。と感じずにはいられまでした。

 

しかし、素晴らしき世界への賛歌を歌った桜井氏は、小脳梗塞を患ってしまうのです・・・。

 

エピソード⑨ 死生観の変化

2002年、桜井氏は小脳梗塞を患い療養。Mr.childrenは活動休止します。

 

療養から復帰した後にリリースした曲は「HERO」

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「スーパーヒーローではないけれど、自分の愛するもののために位はヒーローでありたい」

という小さな願いを慎ましく歌った名曲です。

 

その後「くるみ/掌」をリリース。

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矛盾や不条理の中でも明日への希望を持ち続ける、小さな勇気を後押しする優しさに満ちた曲「くるみ」、誰かと一つになれないもどかしさを叫びながらも最後は別々でも信じあえればそれでいいと、非常に哲学的な論調で人間の孤独感の芯に迫っている「掌」。奥深い2曲です。

 

そしてアルバム「シフクノオト」のリリース。

 

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上記のシングル曲とともに、病気療養から活動を再開出来た喜びを歌った

「空風の帰り道」、問題曲「タガタメ」などバラエティ溢れる構成になっています。

 

この辺りでは、かなり死生観が変化したような印象を受けます。

 

単純に優しくなったというわけではなく・・・。

人の生や死、人生そのもの、答えを探すこと、追い求めること・・・。

温かさを見せたかと思えば相変わらず鋭く突きさす桜井節が健在。

「自分」という存在を、病気療養を通してより確立させた時期といえるのではないでしょうか。

「死」というものを身近に感じたからこそ、「自分らしさ」「表現すること」により強い拘りを見せつけてくるようになった気がします。

格好良くなりました。さらに。

ここで単純に優しくなってしまったなら、きっと魅力が半減していたでしょう。私はそう思います。やはり、今更ながらに只者ではないのです。

 

エピソード⑩ 文学的な問題作

この後、名曲「Sign」をリリース。

本当に珍しいストレートなラブソングです。

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限りない優しさ、儚くも強い愛、眩いほどの尊さを温かく綴っています。

掛け値なしにいい歌。文句ありません。

結局、こういう曲が作れるから凄いのだ。・・・と思います。

 

誰かを愛することを、「愛してる」「好きだ」という以外のどんなフレーズで、言い回しで表現すればもっと奥深い意味合いを持つのか。

そんなありふれた言葉よりももっと価値のある表現がここにはある気がしました。「愛してる」と言えば簡単ですけれどね。違うんですよね、本当の表現とは。

 

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ミニアルバム「四次元」。

私が最も好きな曲の一つ「ランニングハイ」を含む4曲の構成。

 

「ランニングハイ」は、自分の中の心情を2人の人間に見立てた対話から始まり、自分の内面の狡さや弱さを曝け出す歌詞構成になっています。

2番サビの歌詞が「亡霊がでるというお屋敷をキャタピラが踏みつぶして」

というフレーズになっているのですが、こんな歌詞のサビなんてなかなかないですよね(笑)このセンスが相変わらず好きです。

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「未来」はCMソングでサビの部分だけが流れ、爽やかな曲なのかと思いきやなかなかに文学的でメタ的な内容のもの。

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かつての「イノセントワールド」をある意味彷彿とさせました。やってくれるなあという感じでしたね。

 

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そんな中リリースされたアルバム「I LOVE U」は、桜井氏の詞の世界の中でも最も文学的な要素が強いと言われています。

私も未だに「僕らの音」が何を言いたいのか、はかりかねていますし、「潜水」はちょっとびっくりしました。また「深海」に消え去ってしまう気なのか・・・そう杞憂しました。

「Door」も問題作の一つでしょうし。「Monster」は相当好きな曲ですが、かなりダークな内容です。

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あまり深く考えずに聴くと耳障りの比較的良いアルバムかもしれませんが、入れ込むと抜け出せなくなる魔力を秘めているような気がします、この作品は。

 

Mr.childrenと桜井氏の長い旅路の中で、小さな袋小路の一つであり、数え切れぬほどある引き出しの中の一つでもあるのだろうと思っています。

 

Mr.childrenのメンバーについて

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出典:https://otowota.com/archives/2017/hikarinoatorie-uta-mrchildren/

繰り返しますが、私は音楽について造詣が深くありません。

だから「音」のことはよくわかりません。

でも、なんとなく、「優しい歌」のあたりから演奏のレベルがグンと上がったような気もしています。何かといわれるとわかりませんけど。

田原氏、中川氏、鈴木氏は、センターマンでありバンドの象徴である桜井氏を、いつも温かく支えている人たち。きっと桜井氏も彼らなしではやってこれなかったでしょう。

なんだかんだ言っても、4人でMr.childrenだということなのでしょうね。

 

 

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