これを読めば、ビルケンシュトックについて大体わかる
ビルケンシュトック・ロンドンの購入を機に、前編ではそのレビューと共にブランドヒストリーやブランドの肝であるフットベッドなどについても述べました。
本稿では、前稿でお伝え出来なかった事柄を述べていきたいと思います。
前稿と合わせてこれを読めば、ビルケンシュトックについて大体わかる!
それでは宜しくお願い致します。
ビルケンシュトックはこんな人におすすめ
①健康志向の方へ(マジで健康になる)
出典:ビルケンシュトック ブランド | ビルケンシュトックについて | BIRKENSTOCK Brands
前編で述べたように、ビルケンシュトックは足学、生体学の研究を元にしたフットウェア作りを設立以来続けてきたメーカーです。
医療大国であるドイツらしい由来を持っており、ブランドの肝であるフットベッドは元来人間が素足で生活していたという事実に基づいて、素足で土を踏む感覚に限りなく近い構造になっています。
1983年に日本で販売が始まった頃は、「健康サンダル」という印象が強く全く売れなかったほどだとか。
ビルケンシュトックを履くと、「マジで健康になる」という事は間違いないでしょう。
②フィッティング、歩き心地に拘りがある
先日買い物があったのでコロナ感染対策をバッチリした上でGU(ジーユー)に赴きました。購入したロンドンを履いて出かけたのですが、改めてそのフィッティング、履き心地の良さに驚きました。
前稿でも述べたように、私は旧来からのビルケンユーザーなのですが、新品を買ったのは結構久し振り。他のシューズを履いて暮らしていた期間を軽く嘆いたほど(笑)でした。
①でも述べたように、並々ならぬフットベッドへの拘りを持っているビルケンシュトック。その心地よさはやはり独特ながらもずば抜けています。
③ラグジュアリーブランド、フォーマルスタイルの多い方以外
出典:Pitti Uomo 93 Florence | BIRKENSTOCKでオンラインショッピング
メンズファッションの重要なイベントであるピッティ・ウオモでイベントブースを設けたりと、デザイナーズブランドとの融合の気配もひしひし感じるようになったビルケンシュトックですが、やはりその主戦場は非常にナチュラルなゾーンに位置しています。個人的にはあまり無理してデザイナーズやラグジュアリーの土壌に進出する必要はないようにも思いますが・・・(ごくごく個人的な見解なので気になさらずに。マーケティング、ブランディング上、きっとそれは正しいことなのでしょう)。
アメカジ、古着・ヴィンテージからストリート等までカジュアルな土壌ではその実力を遺憾なく発揮するモデルが多く、そういったスタイルを好む人には是非履いて欲しいと思います。当たり前ですがフォーマル寄りが多い方にもあまりマッチしないでしょう。
④中価格帯まで投資できる
出典:【ビルケンシュトック】公式オンラインショップ|BIRKENSTOCK
価格帯ですが、安価な部類には入らないかと思います。
サンダルが10,000円弱~25,000円くらい
シューズ類は20,000円~40,000円くらい
普段ファストファッションに重きを置いている方からすれば決して安いプライスゾーンではないでしょう。ラグジュアリーブランド等の物に比べれば高価とまではいきませんが、それなりの出費は覚悟しなければいけません。
元々は比較的安価なディフュージョンライン(ブランドの普及を目的にしたもの)が存在していましたが、最近はビルケンシュトック名義でEVA素材の物をリリースしたりしてその役割を踏襲させているようです(一部残ってはいます)。
後にご紹介しますがあくまでもディフュージョン(普及)用のアイテムなので、本来のビルケンシュトックを体感するには先述の価格帯のものを購入する必要があります。
足元はコーディネート上でも目立つ部分であり、全身で考えたときにある程度の投資が必要な部位なので検討されても良いのではないかと思います。オシャレは足元から!
ビルケンシュトックのモデルをご紹介
⓪-1 ワイズとフットベッドの種類
それではビルケンシュトックのモデルのご紹介に移っていきましょう。
と、その前に前編でも少し触れたのですが、ビルケンシュトックの拘りである
「フィッティング」と「フットベッド」について補足しておきます。
ビルケンシュトックのほぼすべてのモデルには「ナローフィット(細身幅)と「レギュラーフィット(通常幅)」の2種類が準備されています。
ご自分の足幅をご存知でしょうか?私はビルケンシュトックの実店舗で計測してもらい、非常に幅広なので必ずレギュラーを選んで欲しいと言われました。皆さんも一度計測して貰ったらいかがでしょうか。
ビルケンシュトックの実店舗が近くにないならば、スポーツデポ等の大型スポーツ用品店でも計測してくれる方がいる時もあります(シューフィッターさんがいます)。
出典:BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック) ロンドン&ボストン – ZABOU BLOG
ナローフィットとレギュラーフィットでは、上の画像のようにフォルムにも若干の違いがあります。左がレギュラー、右がナローです。
ここは好み程度の問題だと思うので、あくまでも自分の足型に合わせて選ぶとよいでしょう。ビルケンシュトックが一番重視するのはフィッティングなのです。
出典:ソフトフットベッド | ビルケンシュトック 製品情報 | BIRKENSTOCK Soft bed
また、近年は従来のフットベッドを更に進化させた「ソフトフットベッド」が開発されており、こちらを選べるモデルも増えています。
「雲の上をお散歩」というキャッチフレーズを使っていることからも、非常にレベルの高い履き心地を誇るこのソフトフットベッド。
通常のフットベッドはある程度履きこんでいくと段々と表面のコルクが沈み自らの足に馴染んでいく特性を持っていますが、こちらは最初から極上の履き心地を体感できる作りになっているようです。
ただ、合う、合わないはあるようで、旧来からのビルケンユーザーはそちらの方が慣れている事が多いかもしれませんね。
⓪-2 どう分類しようか
非常に多くのラインナップを誇るビルケンシュトックのアイテム。
どう分類していきましょうか・・・。
リリース順?これは面白いですね。歴史の足跡も同時に辿ることが出来ます。
独自の視点で分類する?かなり個人的見解が入りそうですが自分自身は一番満足できそうです。
いや、ここはユーザビリティを意識し、公式HPに倣ってタイプ別に分類しましょう。
サンダル
シューズ
バージョン違い等
アクセサリー
この分類で行きたいと思います。
それにしても、分類で悩むほどのブランドが他にあるでしょうか?やはりビルケンシュトックは凄いですね。
出典:Sands and tans | BIRKENSTOCKでオンラインショッピング
これからビルケンシュトックの各モデルをご紹介しますが、ビルケンシュトックのモデルには須らく世界中の都市の名前が付けられています。
何故その都市の名が?というのはビルケンシュトックの社員でも分からなかったりするようです。適当につけられたわけではないとは思うのですが、謎と言えば謎。でも面白いし、覚えやすいですよね。
① サンダル
(1) マドリッド
まずはスペインの首都名を冠しているマドリッド。
何と言ってもこのマドリッドはビルケンシュトックのラインナップの中で最も古い「ファースト・ビルケンシュトック」なのです。
ビルケンシュトックの代名詞的存在という立ち位置こそ後述するアリゾナやチューリッヒ、ボストンに譲っていますが、その歴史の中でマドリッドの果たした役割は大きく、「通」は敢えてマドリッドを選択するとかしないとか・・・。
見ての通り、ベルトストラップが前方寄りの細身のもの一本になっており、着脱のしやすさが容易い分ホールド感には難があります。その使用感から、買い物や小さな子供を抱いて出かけるママさんたちに人気が出たことからレディースライクな印象を受けやすいモデルですが、勿論ユニセックスでジェンダーレスなアイテムです。
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マドリッドには今のところソフトフットベッドは用意されておらず、全て従来のフットベッドになります。
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(2) チューリッヒ
スイスの都市名であるチューリッヒ。先述したマドリッドの改良版として登場した「セカンド・ビルケンシュトック」です。ベルトストラップが、前方の細身一本のみでホールド感に欠けていたマドリッドに対して、足の甲の大部分を覆う大きなベルトを備えています。
私の大好きなはてなブロガーさんもこのチューリッヒを記事にされていました。チューリッヒは、ビルケンシュトックのサンダルの中でも1、2を争う人気モデル。
太いダブルバックルのベルトストラップで足の全体を覆うデザインは非常にホールド感が強く、「ソックスを合わせやすいサンダル」として通っているのもその理由の一つです。
ビルケンシュトックユーザーならば必ず通っている道と言って過言ではないでしょう。まず間違いのないオシャレな逸品です。
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チューリッヒは多くがソフトフットベッドに移行しているようです。従来のフットベッドは見つかりにくい様子。こちらがナローフィット。
価格:16,500円 |
こちらがレギュラーフィットです。
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(3) アリゾナ
ビルケンシュトックと聞いてまず思い浮かぶのはこのアリゾナ(アメリカ合衆国の州名)だという方も多いかもしれませんね。
模造品の多いビルケンシュトックのモデルの中でも最も多くコピーされているのはこれかもしれません。そのくらいアイコニックなアイテムだと言えるでしょう。
チューリッヒの後にリリースされた、ベルトストラップを二つに分割し通気性を高めたモデル。チューリッヒと違い、ソックスとあわせるというよりは素足で履くのに適しているかと思います。
私も持っています。
最もベーシックな雰囲気で、持っていて損はないでしょう。初めてのビルケンシュトックとしてもおすすめです。
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アリゾナはナローとレギュラーがそれぞれ従来型とソフトフットベッドから選択可能です。
(4) ボストン
恐らく洒落者の間で、チューリッヒと人気を二分するモデルがこのボストン(アメリカ合衆国・マサチューセッツ州の都市)です。先日私が購入したロンドンの元になっているシューズ。
甲部分を覆うアッパーはファニー且つクラシックで、特にカジュアルシーンでは絶大なマッチングを誇る人気者。
先述したようにビルケンシュトックの入門編としてはアリゾナがおすすめですが、このボストンから入るのもアリ。ソックスを履いても、素足でもどちらでもいけてしまう汎用性の高さも魅力。
ビルケンフリークでなくとも是非足を通してほしい一足です。
こちらはナローフィット、レギュラーフィットが、従来型フットベッド、ソフトフットベッドから選べます。
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(5) キョウト
日本の都市名を冠したキョウトは、近年リリースされたチューリッヒのアップデート版モデルです。
ベルトバックルをマジックテープ式に変更しており、より現代的なフィット感が得られそう。ヌバックとベロアのコンビも面白く、非常にモダンな印象を与えてくれる新世代のビルケンシュトックと表現して間違いはないでしょう。
確実ではないのですが、恐らくソフトフットベッドのみの展開になっているような気がします。
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長く定番物を使っていたユーザーには新鮮に映る一足でしょう。
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②シューズ
(1)ロンドン
前回の記事で購入レビューをお伝えしたロンドンがビルケンシュトック初のシューズモデルです。
「秋や春に履けるビルケンシュトック」で、ボストンにかかとが付いた形状になっています。ただボストンよりも若干シェイプされたフォルムなので、より大人っぽさが漂います。
画像のオイルドレザーも格好良いですね。
スウェードのトープカラーを選択した私ですが、最後の最後までオイルドレザーのダークブラウンやブラックと迷いました。
シューズタイプのビルケンシュトックが欲しいなら、ロンドンは間違いのない選択になるはずです。非常におすすめ。
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ロンドンにはクリックバックルタイプも存在しています。クラシックな雰囲気の通常ラインか、モダンでちょっぴりハイテクな印象のこちらか、お好みで選ぶと良いでしょう。ウーン、こっちも悪くないですね。
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ロンドンにはソフトフットベッドの導入はなされていません。従来型フットベッドからナローフィットかレギュラーフィットで選びましょう。
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(2)モンタナ
続いてはモンタナ(アメリカ合衆国の州名)。ビルケンシュトックで2番目に誕生したシューズモデルです。
ボストンやロンドンと似たような丸っこいトウ部分と、何と言ってもそのシューレースの通し方が独特な個性派シューズです。他のビルケンシュトックとは一味違う、どこかアウトドアテイストも漂う一足。メンズも勿論格好良いのですが、どちらかと言えばおしゃれ女子が愛用しているようなイメージ。
出典:ビルケンシュトックで簡単おしゃれコーデ♪大人カジュアルな着こなしを大公開! | folk
こんな感じです。ごくごく個人的な好みなのですがハイヒールや厚底を履いている方よりもこういうスタイリングの方が断然好みです。そう、私はモンタナ女子が好きなのです(誰も聞いてない)。
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(3)ソーンダース
ソーンダース(アメリカ合衆国・ネブラスカ州の郡名)は2016年に登場したレディースのレースアップシューズ。きちんと感の中にもちゃんとかわいらしさを残してあるグッドデザインで、幅広いシーンに適応できそうな顔立ちのアイテムです。
勿論ビルケンシュトックのものなので履き心地は抜群。
綺麗でかわいい見た目と履き心地が両立した、ビルケンシュトックの現代モデルの中でも屈指の傑作です。モンタナと併せておしゃれ女子は是非!
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③ ビッグバックルシリーズ
ここ数年リリースされているビッグバックルシリーズ。大手セレクトショップ等でよく見かけるようになりました。
往年のモデルのアイコンであるバックルをビッグバックルに変更したバージョンで、モダン且つラグジュアリーな印象を受けます。
近年ラグジュアリー路線にも進出しているビルケンシュトックの方向性を象徴するシリーズと言えるでしょう。
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価格:24,200円 |
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④ EVAシリーズ
最近、アッパーからソールまでオールEVA素材(合成樹脂)を使用したシリーズをリリースしているビルケンシュトック。EVAは水に強く軽量で柔らかく、更には弾力もあることからバスマットなどにも使用される素材。
燃やしても有害物質が発生せず、環境問題にも配慮が窺えるシリーズとなっています。
また、特筆すべきは、このEVAシリーズは非常に安価で、フットベッドやレザー等のビルケンシュトックの醍醐味は体験できないものの、そのデザインやフィロソフィーに触れることが出来るディフュージョン(普及用)アイテムとしての役割も果たしているという事でしょう。販路もかなり拡げていて、その辺の雑多な靴屋さんにも置いてあったりします。
多くの人々にビルケンシュトックを知ってもらうための側面も持ち合わせているというわけですね。
因みに、医療や介護の現場でもかなり多く見かけます。使いやすく履きやすい、それは従来のビルケンシュトックの特性と同じという見方もできます。
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⑤ グッズ
ビルケンシュトックにはソックスもラインナップされています。
ワンポイント部分は何とレザーになっていて、拘りを感じる作りになっています。ソックスまでビルケンシュトックだなんて、かなりオシャレ!
レザーが使ってあるソックスなど、私は他に知りません。
【公式】ビルケンシュトック ソックス ロンドン レディース メンズ ベージュ BIRKENSTOCK LONDON 価格:2,145円 |
【公式】ビルケンシュトック ソックス コットンソール レディース メンズ ホワイト BIRKENSTOCK COTTON SOLE WOMEN 価格:1,980円 |
でも、ソックスを履くとビルケンシュトックのシューズを履かないといけない気持ちになりそうですね(笑)
ここまでご紹介しましたが、まだまだ定番も定番以外のものも、ビルケンシュトックにはたくさんのアイテムが存在しています。一部しか掲載できませんでした。
是非公式HPから自分に合う一足を見つけてみてください!
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ビルケンシュトックのまとめ
出典:【ビルケンシュトック】公式オンラインショップ|BIRKENSTOCK
というわけで、ビルケンシュトックについて述べてまいりました。
ビルケンシュトックは、やはり独特のコンセプトを持ったブランドで、フットウェアメーカーの中では異彩を放っています。
最近は随分ファッショナブルな側面も見せるようになってきたかと思いますが、元々はかなり武骨で、一部のファッションアディクト層やシューズのフィッティングにかなりのこだわりを持った方々が限定的に存在を認知しているメーカーでした。
出典:Personality Campaign | BIRKENSTOCKでオンラインショッピング
ボストンはヒッピーカルチャーに強い関連があり、チューリッヒは古着好きが好んで愛用することで孤高の存在感を放っていましたが、現在はEVA素材のディフュージョンラインが好調だったり、ラグジュアリーブランドとコラボレーションしたりと随分様相は変化してきています。
しかし、やはり「ビルケンはビルケン」なのだと、ふとした時に感じます。
真摯で、愚直。クラフトマンシップに溢れていて、それでいて先鋭的。
モデルは数多く存在していますが、是非まだ体験していない方は手にしてほしいと思います。
そして、サンダルしか経験のない方は是非シューズを。
定番ラインしか経験のない方は是非近年リリースされた新作を。
きっと、満足する経験を手に入れることが出来るでしょう。
もしもこの記事を読んだ方が初めてビルケンシュトックを履いて、
「ビルケンシュトックなしで生きられなくなった」
なんて言われても、責任は負いかねます。悪しからず!
おまけ(きょうのネコ)
最近、太り気味のココさん・・・
そのうち通れなくなるよー(笑)
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