YMのメンズファッションリサーチ

メンズファッションについて、ブランド、アイテム、ショップ、人物等様々な角度からリサーチします。

【リプロダクションオブファウンド】男心擽る傑作グルカサンダルをレビュー!

 

オトコ心を擽(くすぐ)るグルカサンダル

今年はグルカサンダルを買おうと思っていた。

夏の足元といえばやはりサンダルだが、実は履く季節が短いこともありこれまでそんなに投資してこなかったジャンルである。シューズクローゼットには足数はまあまあ揃っているのだがこれぞという一足はあるようでないような気がする。

長く愛用できるもので確かな作りで、カジュアルに傾倒しがちな夏のコーデを引き締める役割を担えるものが良い。そう考えたらグルカサンダルだろうという結論に至った。

冬のうちから色々と物色し、REPRODUCTION OF FOUND(リプロダクションオブファウンド)のものに決めた。最後はパラブーツのパシフィックとの二択だったが自分の個性にはよりこちらが合っているような気がした。兎に角オトコ心を擽る要素が満載の秀逸なモデルだ。

リプロダクションオブファウンドというブランドは初耳だという方も多いかも知れないので、今回はグルカサンダルのレビューと併せてブランドの概要も解説していきたい。

 

匿名性の高さ、独特の拘りがポイントのREPRODUCTION OF FOUND(リプロダクションオブファウンド)

 

概要

出典:リプロダクションオブファウンド公式HP

 

リプロダクションオブファウンドは2016年にスタートした日本のブランド。ミリタリーアイテムを中心に時代を超えた普遍的なアイテムを見つけだし、現代的に再現してリリースしている。

リプロダクションオブファウンドのシューズはほぼほぼ世界各国の軍用シューズがモチーフになっている。ドイツ軍のトレーニングシューズ・ジャーマントレーナーなどは最も有名だがリプロダクションオブファウンドのモデルの中でもやはり代表作になっていたりするわけだ。欧米各国のメジャーな国の軍用シューズは勿論例えばカナダや南アフリカ等デザインソースの幅広さは圧巻だ。

 

匿名性

出典:リプロダクションオブファウンド公式HP

 

リプロダクションオブファウンドの存在を知ったのは2~3年前くらいなのだが、ネット上の画像にも拘らず、そのクオリティの高さとコンセプトの面白さに俄然興味が湧き、デザイナーは誰でどんな経歴なのかを必死に調べた。

しかし、このブランド、兎に角匿名性が高いのである。誰が起案してどうデザインしているのか(デザインソースは先述したように昔からある軍用シューズなのだが、現代的要素を盛り込んでいる点に素晴らしさがある)、そもそもディレクターは誰なのか、ソースが全く見つからない。

2016年にスタートした新しいブランドにも拘らず大手セレクトショップや楽天に出店している名店等で早くも多く取り扱いがあるのに、ディレクター若しくはデザイナーの情報が全く分からない。このミステリアスさが何とも言えない魅力なのだ。リプロダクションオブファウンドのセンスや(いい意味で)変人と言えそうなほどの拘りようを鑑みると、実は誰か名のある方の可能性もあるかもと密かに思ったりもしている。

 

メイドインスロバキア

出典:リプロダクションオブファウンド

 

もう一点着目すべき点がある。それは、リプロダクションオブファウンドは日本のブランドであるにも関わらずすべてのシューズがメイドインスロバキア若しくはルーマニアであるという事だ。スロバキアと言えば私はすぐにノヴェスタを想起する。ノヴェスタは同国の伝統あるシューズメーカーで、スロバキア軍やチェコ軍のトレーニングシューズも手掛けている。リプロダクションオブファウンドのシューズがスロバキアの工場で作られているという点は、何かノベスタと繋がりがあるのかなと嫌が応にも勘ぐってしまう。先述したように匿名性が高いブランドなだけに、このように様々な憶測を繰り広げるのも楽しい。

 

飽くなき拘り

出典:リプロダクションオブファウンド公式HP

 

先述したように匿名性が高く、ディレクター若しくはデザイナーの素性が明らかにされていない同ブランドだが、ドメスティックブランド・グラフペーパーとコラボレーションした際のネット記事にてインタビューを見ることが出来る。

そこから読みとれる情報として

  • ディレクター若しくはデザイナーは20代から10数年間古着の販売、バイイングを担当していた為、ヨーロッパを中心に世界各国の倉庫を回っていた。
  • その際に様々な国の軍物シューズを見て、ディテールは面白いけれどバランスが(ファッションとしては)おかしかったり、そうでなくともサイズがなかなかなかったり。それならば自分で作ろうと思った。現代風にアップデートしたいと思った。
  • いくらネタが良くても工場とフィットするかどうかが重要。
  • 最初はドイツ、フランス、イギリス、カナダの4か国のミリタリーシューズからスタートした。今現在のストックリストは数えきれないくらいになっている。
  • 何故なのかは分からないけれども素朴な雰囲気や繊細さはルーマニアやスロバキアの工場でないと出せない。中国や他でもやってみたがしっくりこなかった。
  • (対談相手のグラフぺーパー・西氏より)商品すべてをスロバキアやルーマニアといった軍物スニーカーを元々作っていた工場を掘って、わざわざそこで製造しているというところが響いた。多くの場合中国などの工場で「それ風」のものを作っているけれどそれらとは全然違う。

リプロダクションオブファウンドの魅力が良くわかる貴重なインタビューである。ミリタリーのシューズに特化したブランドはなかなかないので着眼点もならではだし、昔からあるソースを現代風にアップデートしただけのシューズならばよく見かけるが、多分わざわざ東欧の工場で作っているブランドはなかなかないのではないだろうか。そして、アジアなどの工場で作るものと元々軍用シューズを長く手掛けてきた工場では全く出来上がったものも違うと言うロジックも納得である。多くのヴィンテージに触れてきた経験から出来上がった発想なので何とも説得力があるという点も魅力的だ。

 

グルカサンダルとは

ymfresearch.info

今回購入したリプロダクションオブファウンドのアイテムはグルカサンダル。過去記事でも紹介したが、グルカサンダルの起源は19世紀の英国軍やインド軍がネパールで編成した傭兵部隊「グルカ兵」が着用していたものとされている。やはり紛れもない「軍モノ」なのだ。

 

ネパールの山岳民族で構成される戦闘集団である英国陸軍のグルカ兵は、勇猛且つ敏捷性の高さで名を馳せた白兵戦を得意とする部隊で、「グルカ」とは「ネパール」を意味している

グルカサンダルは高温多湿なネパールの地での活動に適した作りになっており、編み込みのレザーを使用したアッパーとレザーストラップでしっかりと足部全体をホールドしながらも一定の通気性を確保しており、その由来からこのようなディテールになっている。

 

リプロダクションオブファウンド イタリアンミリタリーサンダルレビュー

 

概要

先述したように世界中のミリタリーシューズを現代的な解釈でリプロダクトしているリプロダクションファウンド。

イタリアンミリタリーサンダルは現状リプロダクションオブファウンドのラインナップで唯一のグルカサンダルタイプのアイテムだ。

グルカサンダルは前項で述べたように英国軍、ネパール軍由来のものだが、1980年にイタリア軍が用いていたことがあったとのことだ。

 

「イタリア軍 グルカサンダル」で調べてもほぼほぼ全くソースは出てこず、個人的にもあまりイメージがなかった。今回このサンダルを見つけて初めてイタリア軍のグルカタイプサンダルが存在していたことを知った。恐らくリプロダクションオブファウンドの方も世界中の倉庫を回っている際に見つけてインスピレーションを感じたのではないだろうか。

 

ディテール①

基本的には所謂古来からあるグルカサンダルのデザインと大きくは変わらないが、アッパーのストラップに斜めの角度が付いており、視覚的な効果で美しく見えると思う。この辺りは如何にもイタリアっぽいデザインだ。

 

多くのグルカサンダルはヒールカウンターがなくストラップになっていると思うがサービスシューズと見間違えてしまいそうなヒールの作りになっている。後ろから見た時サンダルとは思われないかもしれない。

 

バックルを外しての着脱となるが、アッパーの一番上の穴を通してから調整バックルに付ける仕様が面白い。

 

ここが少しだけ小さめなのでやや面倒くさい。大き目にするとデザインに干渉するから致仕方ないのだが。

 

ソール

イタリアンミリタリーサンダルは実は先代が存在していて、今回入手したのはタクティカルソールにモディファイドされたモデルになる。

かなりゴツめのミリタリーソールだが、スマートなアッパーデザインとの対比が面白くて格好良い。履き味は後述するが歩いていても安心感が強い。今流行りの厚底タイプのシューズのようにいたずらに分厚く作ってあるだけではないことはすぐに分かる。

 

素材(フルグレインレザーとピッグレザー)

アッパーはオイルをふんだんに含んだイタリアンフルグレインレザー。フルグレインレザーとは体毛の真下のレザーであり、耐久性と通気性に優れている希少なレザーである。分厚くてしなやかな光沢を放ち、何の文句もない質感である。経年変化も存分に愉しめそうだ。

 

ライニングとインソールは肌触りに優れたピッグレザーを採用。もちもちしていて弾性に秀でている。

リプロダクションオブファウンドのシューズはこのようにインソール部分の英文にて、デザインソース(年代)が確認できるようになっている。うーん、格好良い。

 

コーディネート

サングラス:MOSCOTレムトッシュ ジャパンリミテッド15

カーディガン:NEEDLES

カットソー:ユニクロUドライEXTシャツ

パンツ:PORTER CLASSIC

サンダル:REPRODUCTION OF FOUNDイタリアンミリタリーサンダル

カジュアルに寄りがちになるこれからの季節も、革靴ライクなグルカサンダルを用いることでグッと引き締まる。

先述したようにつま先に向かって斜めにデザインされているアッパーストラップの効果でよりスマートな印象に。

 

メガネ:TOM FORD

トップス:ラコステ

パンツ:ハバーサック

時計:ハミルトン PSR

バングル:ファーストアメリカントレーダーズ

サンダル:REPRODUCTION OF FOUNDイタリアンミリタリーサンダル

こちらはソックスを履いて着用している。

かなり露出する範囲が少ないのでソックスありでもなしでもそんなに大きく印象は違わないだろう。その辺りもグルカサンダルの良いところかもしれない。

 

しかし基本的には真夏はソックスなしの素足で・・・

 

真夏以外はソックスを履いてあげるとシーズン感を出しやすいかもしれない。

 

履き心地、サイズ感

履き心地だが、かなりしっかりしている。ホールド感が強くサンダルなのに守られている感が強い。しかしそれでいてなかなか軽い。グルカサンダルが故の感触なんだろうが、ミリタリー由来だというだけではなく、リプロダクションオブファウンドの履き味への拘りを感じずにはいられない。軽くて丈夫なレザーを使用したアッパーとタクティカルソールの絶妙なコンビネーションが、この独特ながら抜群の履き心地を具現化している。

夏になるまでに馴染ませたくて冬のうちから履きはじめているが、最近アッパーのレザーとヒールが柔らかくなってきて良い感じだ。

 

サイズに関してだが、26.0~26.5、その上が26.5~27.0といった感じの展開になっている。これは他のリプロダクションオブファウンドのシューズも同様だ。

普段選んでいるシューズと違い幅のあるサイズ区切りなので若干戸惑うかもしれないが、迷ったらマイサイズよりも上を選ぶと良い。私は普段スニーカーなら27.0、レザーシューズなら26.5くらいがマイサイズだが27.0~27.5を選んでいる。バックルを締めると丁度良いサイズ感だった。

 

まとめ

リプロダクションオブファウンドはまだまだメジャーではないブランドだが、そのコンセプトは極めて格好良く、今後もきっとブレないんだろうなと思わせてくれる雰囲気が漂っている。

イタリアンミリタリーサンダルはグルカサンダルの中でも大人っぽさと男らしい武骨さを兼ね備えた傑作だと思う。グルカサンダルをお探しの方は候補の一つに入れてみても損はないだろう。

 

リプロダクションオブファウンドのイタリアンミリタリーサンダルを楽天で探すならこちらから

 

リプロダクションオブファウンドのシューズを楽天で探すならこちらから

 

 

にほんブログ村 ファッションブログ メンズファッションへ
にほんブログ村

にほんブログ村のランキングに参加しています。もしよろしければバナークリックをお願いいたします。

是非ブックマークやコメントで皆さんのご感想などお聞かせください!

 

 

 

PVアクセスランキング にほんブログ村