毎年夏になると街中で増殖するあれ・・・
ワニさん。
ラコステです。
大人の男なら、夏のスタイリングに欠かせないラコステのポロシャツ。
もちろん所有しています。名品 L12.12
カジュアルに寄りがちな夏のスタイリングに、クラシック且つドレスな要素
を加味してくれる頼りになるアイテム。
このラコステのL12.12はポロシャツのパイオニアだということは有名です。
創業者 ルネ・ラコステさん。
創業は1933年。
テニスプレイヤーだったルネは、当時機能的とは言えなかったテニスウェア(綿のフルスナップ長袖シャツにトラウザーズの組み合わせが一般的だった)に革命をもたらします。
頻繁に風邪を引いていたルネはウェアの機能性の低さに目を留め、風邪を引くのは機能性の低さから汗の処理がうまくできないことも原因ではないかと考えます。
そこで、機能的でありながらもフランス人らしくエレガントさも兼ね備えたシャツの開発に取り掛かります。
ピケ素材を使用した新しいウェアは、12回の試作を繰り返して誕生したことからL12.12と命名されます(Lはもちろんルネの頭文字です)。
さて、何故ワニ?
ということですが。
ルネはある日、ワニ革のスーツケースをかけて試合をし、敗れてしまうのですが、その粘り強い、さながらワニのようなプレースタイルから「アリゲーター」「クロコダイル」というニックネームを付けられ、本人もいたく気に入ったそうです。
それでのちに創業する自ブランドのアイコンに選んだんですね。
因みに、現在ではロゴを服のデザインとして表に出している(例えばラコステのように左胸に刺しゅうするなど)ブランドは多いですが・・・
例えば月桂樹マークのフレッドペリー
ポロ・ラルフローレン ポロ競技
ダントン 厨房着やガーデニングウェアが起源
アニエスベー とかげ
しかし、ロゴマークを服の表に出したデザインのものを作ったのはラコステ
が元祖です。
凄いですね。
そして、シャツのシルエットについても語らずにはいられません。
このちょうちん袖。
言わずもがな、これはプレイ中に袖がバタつかないためのディテールです。汗止めの効果もあり。
裾のスリットも下半身への干渉を軽減するため(動きやすくするため)。
全てに根拠があるのです。
ラコステのポロシャツはまごうことなきテニスウェアなんですね!
余談ですが、現代のカジュアルウェアはルーツというものが必ずあります。
ラコステのポロシャツはテニスウェア
コンバースのオールスター、アディダスのスーパースター等はバスケットシューズ
ルミノア、セントジェームスなどのバスクシャツは船乗りのユニフォーム
リーバイ・ストラウス社のジーンズは丈夫なズボンの欲しかった労働者のために開発された作業着
元々様々な用途で誕生したウェアがそれぞれの契機を経てファッションアイテムへと変貌していったのです。
だからそれぞれのアイテムの持つディテールは意味があるのです。
例えばカーゴパンツ(ルーツは荷役作業員のズボン)の膝上のポケットは腰をかがめたときに物の出し入れがしやすいようにつけられたもの。
ボタンダウンシャツのボタンで留める襟はポロ競技の際に馬上で襟がはためかない様に留めるためのもの。
そういった意味のあるディテールが現代ではファッションのアクセントになっているのです(だから意味のないデザインや根拠のないデザイン・・・例えばパンツの裾をめくったら柄があるとかは嘘くさくて安っぽく見える)。
・・・話が逸れましたが、ラコステは真に根拠のある、歴史深いブランドということです。
まさに大人のマストアイテム。
ルネは1996年に死去。その後ラコステは一時低迷しますが、エルメスのデザイナーも務めたクリストフ・ルメールを招聘。これは大きなトピックスと言えました。
ルメールはラコステの歴史を重んじながらも良さを引き出す見事な手腕で見事にブランドを再生。
パリコレにも出展する等また新しい道に導いたのです。
現在は若者向けのライン「ラコステライブ!」があったり展開にも幅が出ていますし、フランスメイドの通称「フレラコ」は古着市場でも相変わらずの人気。ラコステは時代を超えて世界中から愛されています。
最後に私の愛用品をもう一着
L12.12とはまた雰囲気の違うフルスナップポロ!
夏場にきちんとした場に出る時などに愛用しています。
銀ワニ!
ビジネスラインは銀ワニなんですね。
なんか銀になるとワニが少し間抜け・・・
そこが愛おしいのです。
ラコステの名品、手に取ってみませんか?