IZOD LACOSTE(アイゾッド ラコステ)とは何よ
LACOSTE(ラコステ)は知ってるけれど、アイゾッドって何よ?
そうそう。そうなんです。多少ややこしい話ではありますが、過去記事でご紹介した通り、ラコステはフランスの名テニスプレイヤー、ジャン・ルネ・ラコステが創業したフランスのブランド(現在ではラコステジャパンも存在しています)。
そして、その極めてアイコニックな存在となったラコステのライセンスを得てアメリカのIZOD(アイゾッド)社が製造していたものこそがアイゾッド・ラコステなのです。アイゾッド・ラコステは1952年から1993年にかけてアイテム製造を行っており、現行のものは存在しません。
往々にしてライセンス品というと目の肥えた服好きからは目を向けられない事が常だと思いますが、アイゾッド・ラコステは珍しい例外で、スポーツウェアブランドでありながらもフランスらしいエレガントな雰囲気を漂わせる本場のラコステと違い、如何にもアメリカらしい、いい意味で粗野で合理的な素材や作りが時を超えて古着好きを中心に親しまれています。
最近ではミュージシャンのあいみょんがSNSで着用していたことが契機となり古着市場でリバイバル的な人気を博し、若干値が吊り上がったとか上がらなかったとか(みょんが着用していたものは年代的にも古くて希少価値の高いものだったのだと思いますが)。
アイゾッド ラコステのアクリルカーディガンレビュー
というわけで、少し前に古着屋で仕入れたアイゾッド ラコステのカーディガンをレビューしていきます。
価格は、後述しますがそんな古い年代のものではないので「高騰している部類」には入っておらず、10,000円前後くらいだったと記憶しています。お手頃な価格でした。
カラーはネイビー。あいみょんは明るいカラーのものを着用していましたが、偶々出会ったのがラコステらしいネイビーカラーでした。良くも悪くもコーディネートの難易度は低めだと思います。
通称「最終タグ」
ヴィンテージや古着を掘る楽しみの一つはタグから年代を見分ける事であったりしますが、こちらはサークル状のロゴの真ん中にワニが鎮座する通称「最終タグ」。93年を最後に姿を消すアイゾッド ラコステですが、最終時期に用いられたタグがこちらのタイプだったことからこの通称が名付けられています。
しかしながら、最後の最後辺りはアメリカ製からドミニカ等のアメリカ周辺諸国に製造拠点が移っているので、恐らく90年前後くらいのものなのではないかと推察されます。まあいずれにしてもそんな極端に希少価値があるものというわけではありません。あくまでも(今のところ)常識的な価格で手に入れることが出来るアイゾッドという認識で良いでしょう(50年代~70年代くらいのもので状態が良ければ、ちょっと気軽には手が出しにくいような価格になっているようですよ)。
アクリル100%
アイゾッド ラコステのカーディガンの最大の特徴と言えば何と言ってもこの生地。アクリル100%になっています。
本場フランスのラコステ及び現行のジャパンラコステ等のカーディガンはほぼほぼウールが使用されていて、しなやかで上品な印象を持っている方が多いと思いますが、このアイゾッドのアクリル生地はそれらとは対を為す粗野感が魅力。普通アクリルと言えば安っぽいし着心地も悪そうな気がしますが、アイゾッドのアクリルは程よく肉厚で雰囲気たっぷり。高級感があるかと言われれば全くそんなことはありませんが、「アイゾッドと言えばアクリル」という共通認識にも近いものがありそうな程、何だか分からないけれどもしっくり来ているところが凄いのです。
アクリルはとても丈夫なので、良い状態を保った個体が多く存在しているという点もポジティブな要素と言えるかもしれません。
逆に現代的なシルエット
本場のフランスラコステは比較的シュッとしたスマートなシルエットのアイテムが多いと思いますが、アイゾッドはアメリカのブランドが作っている為、如何にもアメリカらしい作りになっています。
かなり余裕のある身幅とやや短めな身丈、そして(お決まりの)太目な袖ぐりと長めな袖丈。さっと羽織れば簡単にこなれた印象の着こなしが出来上がってしまう、丁度現代的なシルエットになっているのです。古着コーデは勿論、若干ストリート寄りの着こなしにもハマるし、パンツ等に気を付ければキレイ目に着こなすことも可能な万能っぷり。そしてオーバーサイズを女性の方が羽織るととても可愛いと思います。
ある意味何の変哲もない直線的な裾も逆に新鮮でいい意味で野暮ったい。こういうところも古着好きやアメカジ好きの心を掴んでいる要因の一端なのでしょう。
粗野な作り
袖の縫製が本当に適当(笑)。例えばまさか日本の職人はこんな仕事はしないのではないだろうかと思えるほど本当にアメリカっぽい作りなのです。逆に愛おしく思えます、本当に。
平置きにすると分かるのですが前立ての採寸が若干ズレているような気がします。まったく、テキトーなんだから!と言いたくなる。笑顔で。
このように全体の作りは全く以て粗野さが目立ちますが、これらを以て「アメリカらしくて良いな」という感情が芽生えてくるのは、「敢えて」そうしているのではないだろうかと思えるほど全体のバランスとして見た時に雰囲気でカバーできているからなのです。テキトーだけれども嫌いになれない、寧ろとても好きだ!というわけですね。
サイズ感・コーディネート
カーディガン:アイゾッド ラコステ
トップス:ルミノア×ユナイテッドアローズ
シューズ;ヴァンズ・オールドスクール
173㎝61㎏でXLサイズを着用。
サイズに関してはかなり個体差があるらしくあまり参考にはならないかもしれませんので悪しからず。
袖がかなり余りますがたわみを作れることになるのでポジティブなポイントだと思っています。
ボーダーバスクシャツとスウェットパンツに、アメリカ製のヴァンズで合わせました。今回はカジュアルな合わせですが、ワイドパンツとあわせてストリート寄りにコーデしたり、シャツを入れて大人っぽく着てもOKだと思います。
ボタンを2つほど締めて着ても良いですね。
カーディガンはジャストで着ると前を閉めた時に一片にダサくなってしまうこともあるので余裕をもったサイズ感で選ぶのがおすすめです。
まとめ
元々ラコステは好きなブランドで、あらゆるポロシャツの原型であると言われているL12.12やロングスリーブタイプのL13.12も当然の如く持っています。
アイゾッド ラコステはまたフランス企画のものや日本企画のものとは全く違った魅力が詰まっており(作っている会社が違うのだからそりゃ、そうだろうけれど)、これはこれである意味やっぱり名品であることには違いないと思います。
ただ、繰り返しになるような表現ですが、「ラコステとは別物のラコステ」であるという事は認識しておかないといけないと思います。コンセプトも、ブランドが持っている矜持のようなものも全く違います。
アイゾッド ラコステはすでに消滅していて、現行のものは手に入らないので、もう暫く先の未来ではありましょうが、必ず「二度と手に入らなくなる」という時が来るのも確か。良い、悪いを論じるならば賛否が分かれるのかもしれませんが、間違いなく唯一無二であることには違いないと思います。興味があるならば古着で探してみられるのも良いでしょう。
・・・もう一着買っておこうかな(また、出た、悪癖が(笑))。
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