アラフォーおじさん、久しぶりにヒステリックグラマーを買う
今年の夏に欲しいと思っていたものの一つに、バンドTがありました。
私は別に音楽に造詣が深いわけではなく、寧ろ歴史的背景等には疎い方です。なので今まで「よくわからないモチーフのものは着ない」と頑なにバンドTやムービーT等には手を出さなかったのですが、幾重にも歳を重ねていくうちに「まあ、いいか」といった感じの境地に達した様子。春になる前から古着のバンドTを漁るように見ていました。格好良いもんね、単純に。
そんな折、ブラッと立ち寄った(よく立ち寄りはする)ブランド古着屋で、ヒステリックグラマーのTシャツを見つけます。それがこちらのSONIC YOUTHのTシャツというわけ。
・・・なるほど、古着屋に出ているバンドのツアーT等を中心に見ていたけれど、ヒステリックグラマーなんかもバンドTを出しているよね・・・。
次項以降で述べますが、ヒステリックグラマーは私達世代にとってはちょっぴりノスタルジックなブランド。極めて個性的だけれども実は骨太で、90年代リバイバルが隆盛の昨今、意外と気分なブランドだったりする気も。
というわけで、新品未使用で見つけたヒステリックグラマーのSONIC YOUTHのTシャツを購入して帰路に就いたのでした。
ヒステリックグラマーとは
概要
出典:ヒステリックグラマー公式HP
ヒステリックグラマーがスタートしたのは1984年。デザイナーの北村信彦氏がオゾンコミュニティ社から立ち上げました。
90年代のストリートを席巻したブランドの一つと言っても良いヒステリックグラマーですが、タイトシルエット・グランジ・アメカジ・デニム・ロックテイスト・そしてセクシャルなデザインといったところが象るキーワードだと思います。
裏原のムーブメントの中心にいたブランドとも若干異なる独特な雰囲気を醸すヒステリックグラマーですが、2008年にはアンダーカバー、Nハリウッド、ナンバーナイン等と共にセレクトショップ「クアドロフェニア」がオープンしたりもしています。そういう部分を鑑みると、1990年代から2000年代の初頭あたりにムーブメントの中心にいたという言い方は当たらずも遠からずでしょう。
デザイナー・北村信彦氏
デザイナーの北村信彦氏はヒステリックグラマーをスタートした時、未だ若干21歳だったというから驚きですが、写真や音楽、インテリア等幅広い分野に深い造詣があるとのことで、そういった視野の広さがヒステリックグラマーのデザインにも生きているのかもしれません。実に面白い人です。
ヒスガール・プレイボーイ
ヒステリックグラマーと言えばこの「ヒスガール」。極めてアイコニックなデザインで、結構目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。「ヒステリックでグラマーなバンドのグルーピーをしているような女性」こそがヒスガールであり(本当によくわからんけれど、何故かひしひしと伝わるものはあるから不思議)、40年間走り続けてきた今もなおヒステリックグラマーを象徴するデザインであり続けています。
ヒステリックグラマーを語るうえで外せないのはアメリカのライフスタイルブランド・プレイボーイとのコラボ。雑誌が有名なプレイボーイですが、ヒステリックグラマーとのコラボレーションアイテムは数多くリリースされました。
実は本格派な一面も
出典:ヒステリックグラマー公式HP
そういったアイコニックな面が強調されがちなヒステリックグラマーですが、デニム等のグランジ加工は高い評価を得続けており、本格的なアメカジのアイテムを作る一面も持っています。
また、ミリタリージャケットやワークパンツ等も多くリリースされており、シンプルで着易いシャツなんかもたまに見かけます。こういった本格派なアイテムに根強いファンを持ち続けているのです。
恐らくその時代に沿ってテイストを若干変えながら歩んでいる気はするのですが、バックグラウンドには着心地や身体のラインを美しく見せるシルエットの追求等、北村氏とオゾンコミュニティの矜持が垣間見えるからなのではないかと思います。
確かに全体的には派手でポップなデザインが多いのですが、その実は結構きちんと研究されているのかもしれませんね。なにせ、ヒステリックグラマーは40年もの間続いているブランドなのです。確かなモノを作り続けなければそんなに長く続くことはないでしょう。
定期的に来る「熱」
私は90年代後半に青春時代を過ごした世代です。当時ヒステリックグラマーはまさしく時代の中心的存在の一角でした。並みいる裏原系ブランド等と並び、まだそんなに高い物に手を出せる身分ではなかった私たちにとってはある意味憧れの存在。
10代の頃はまだ知っているだけで買ったことはありませんでした。
社会人になり、金銭的にも余裕が出てきたころに、少年時代に憧れたブランドのものを手に入れたいという思いが強くなる時期があり、そのころによくヒステリックグラマーの直営店へ赴いてTシャツやデニム、ジャケットなどを買い漁っていた記憶があります。
暫くするとそういう熱も冷めてしまい、この頃までは気に留めることはなかったのですが・・・。
世代という観点で言うと、最も多感な時期に憧れたのがやはり裏原ブームやその周辺的に存在していたドメブラなんかでした。なのでやっぱり時々思い出したかのようにチェックしたり手を出してしまったり。今回もそうですが、多分年金生活になるまでこの癖は治らないかもしれませんね。
昨今の90年代のY2Kリバイバルやグランジファッションのトレンド等にヒステリックグラマーのデザインは重なるようでZ世代にもジワジワと刺さりつつあるらしいですが、私のようなアラフォーにとってはヒステリックグラマーとはそういう存在なのです。
ヒステリックグラマー・SONIC YOUTHのTシャツをレビュー
概要
今回購入したTシャツはブランド古着なので今期のコレクションではなく数年前のものになるようです。タグ付きの新品未使用で購入。希望小売価格は11,000円となっていましたが約8,000円で手に入れました。
先述したようにヒステリックグラマーはそのコンセプトの一つにロックテイストのデザインという側面があります。なので昔からバンドTはよく作っているのですが、正直に言ってこのSONIC YOUTHのTシャツはかなりグッドデザインだと思いました。
SONIC YOUTH「GOO」
出典:楽天
デザインソースになっているのはアメリカのオルタナティブ・ロックバンド「SONIC YOUTH」の名盤と言われている「GOO」のジャケット。GOOは1990年にリリースされているようです。
先述したように私は特に洋楽のロック等の音楽には疎いのですが、さすがにこのジャケットデザインは見たことがありました。・・・いや、多分古着屋でです。このジャケットデザインは非常に優れている為、Tシャツもたくさん出回っているしデザインソースにも頻繁に使用されているのではないかと推察されます。
・・・音楽の事は本当によくわからないので触れませんが、このSONIC YOUTHのMVはTシャツを購入してから視てみました。「オルタナティブ」と称されているのは「なるほど」といった感じで、確かに型にはまらない音楽がそこにはあった気がします。いや、しかしメンバー全員のルックスや雰囲気が抜群に格好良い。なんというか、全く古臭い感じがしないのが不思議でした。それだけは確実に理解出来たように思えます。
プリントデザイン
「GOO」のジャケットはかなり格好良いのですが、ブラックのボディにモノクロのみというわけではなく、背景にパープルが使われているのが秀逸だと思っています。
この配色のバランスが絶妙で、一層ロック色が強まっている気が。プリントの広さも絶妙で、この辺りには長年バンドTを作ってきたヒステリックグラマーならではのセンスの良さを感じました。
シルエット
ヒステリックグラマーと言えば昔からタイトシルエットなのですが、特にTシャツは身幅が狭く着丈はやや長く、そして袖丈が短めといった印象が強いです。
このTシャツに関しても大体そういった感じのシルエットではありますが、やや昔よりもゆったり目になっている気もします。
ただし全体的にはやっぱりヒスらしいカタチだし、「バンドTはこうでなくちゃ(
やや細身でタイト寄り)」と言いたくなる雰囲気は残っています。要するに、かなりいい塩梅なのです。
生地
ヒステリックグラマーのTシャツの生地って凄く良いんですよ。いろいろなタイプがありはしますが、今回のものはストレッチ性が抜群にあるコットン100%。やや体型を拾うタイプの、比較的薄手の生地ではありますが、本当に着心地が良く耐久性も抜群です。肌触りが堪らん。
着込んでいくといい具合に風合いが増していく生地で、ところどころわざと織りムラを作り事でヴィンテージ感を強調しています。ただのデザイン重視のブランドというわけではなく、細部まで強い拘りを持っていることが良く分かりますね。
サイズ感、コーディネート
サングラス:MOSCOT(モスコット)レムトッシュ ジャパンリミテッド15
トップス:ヒステリックグラマー
パンツ:ハバーサック
シューズ:パラブーツ・コロー
腕時計:ハミルトン・PSR(パルサー)
173㎝60㎏でLサイズを着用。
普段私が嗜んでいるサイズ感と比較するとややタイト目ですが身体へのフィット感が実に素晴らしく、「これこそがジャストサイズ」という感覚で着用できています。肌に吸い付くような着心地。
気分はワイドチノやワイドスラックス等と合わせたい感じですが、デニムなどとも相性は良いでしょう。この夏、ガンガン着たいと思っています。
まとめ
90年代リバイバルと言われて久しい昨今、またヒステリックグラマーが日の目を見るのでしょうか。
・・・だとしたら、私たちの世代のおじさんたちの中には大喜びする人も結構沢山いるかもしれません。
一見アイコニックで派手なデザインが売りのようなブランドに見えるかもしれませんが、ヒステリックグラマーは結構骨太なモノづくりをする格好良いブランドです。それでいて既成概念にも囚われない突き抜けたデザインもまた得意でもあるので、「オシャレをする面白さ」も教わることが出来る。おまけにすべて国内生産ですしね。これも昨今では結構凄いことだとも言えます。
ロックテイスト、アメカジ、グランジ、そしていやらしくならない程度のセクシャルテイスト・・・。ヒステリックグラマーは実に魅力的なブランドです。Z世代にはもっともっと知ってもらいたいし、大人世代にはもう一度手を伸ばしてもらいたい。きっと損は無い筈です。
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