念願のPSRをとうとう購入
私は何を隠そう、かなりのハミルトンファン。20歳のときに父からカーキを贈ってもらってからずっと。
現在はスイスにあるハミルトンですが、その出自がアメリカ。古き良きアメリカの個性やセンスと、時計王国スイスの技術が融合したハミルトンへの愛着は揺るぎようもありません。
これまで、所有している2本のハミルトンをご紹介させていただきました。ジャズマスターを加えて計3本のハミルトンを所有しています。
しかし、ハミルトン好きならば、避けては通れない極めつけのモデルがあるのです。それが・・・
このPSR。機械式のアナログ高級時計の世界からは完全に一線を画する絶対的な個性。はっきり言ってある意味ぶっ飛んだデザインともいえるほど。
詳細は後述しますが、元の名をパルサーというこのモデル、とうの昔に廃盤になっており、普通に入手するのは困難。しかし、2020年に名前をPSRと変え、待望の復刻を果たしました(生誕50周年記念!)。いつかはこの手におさめたいと思っていた私は、これを逃す手はないと決断!念願叶って購入に至りましたのでご紹介させていただきます。
ハミルトン・PSRとは
①世界初のLED式デジタルウォッチ
出典:https://www.invaluable.com/auction-lot/pulsar-p1-unusual-wear-test-model-546-c-f6a4e65929
PSRは元々のモデル名が「パルサー」と言います。リリースされたのは1970年。パルサーの初代モデルは「P1」と呼ばれていました。パルサーのリリースは、それまで機械式のアナログ時計が主流だったなか、腕時計史に於いて少なくない衝撃を与えたそうです。時刻をLEDライトでデジタル表示するという発想は、当時の世の中では非常に斬新極まりないことだったのは想像に難くありません。加えてスポーティー一辺倒とも言い難いものの、アナログ式の腕時計とは全く一線を画する近未来的なデザインも革新的でした。
②ハミルトンの運命を変えるほど売れる
出典:70年代デジタルの名品「パルサー」復刻 米ハミルトン|NIKKEI STYLE
1972年に市販を開始すると大きな話題となり、なんと3日も経たずに売り切れてしまいます。当時の自動車一台分に相当する2,100ドルを下らないほどの高価な販売額だったにも関わらずです。当時の熱狂ぶりが伝わってくるエピソード。勿論当時のセレブ達の間でも評判になり、かのベンチュラも愛用したエルビス・プレスリーや当時のアメリカ大統領等もこぞって買い求めたとか。
P1に続いてリリースしたマイナーチェンジモデル「P2」も大盛況だったハミルトンは、パルサーブランドを独立させて子会社化させたほど。P2はミック・ジャガーやエルトン・ジョンも愛用したそうです。
③時代の波に呑まれて消滅
出典:70年代デジタルの名品「パルサー」復刻 米ハミルトン|NIKKEI STYLE
しかし70年代後半になってくると、次第に社会は大量生産、薄利多売の時代に傾いてきます。比較的安価なデジタルウォッチも様々なブランドからリリースされるように。パルサーは登場当初の勢いを失い、ハミルトン自体もスイスのスウォッチグループの一員となり、パルサーはその存在自体が消滅してしまいました。「パルサー」という名称は日本のSEIKO(セイコー)に売却され、今でも「パルサー」の名を冠したモデルはセイコーからリリースされています。ハミルトンのパルサーとは全く別物の海外モデルです。名称が売却され、今もなお存在しているというのはなかなか稀有なことなのではないでしょうか。「パルサー」とはパルス状の可視光線、電波、X線を発生する天体の総称です。近未来的デザインの時計にバッチリハマるネーミングだからこそのことと言えるでしょう。
④儚き運命・・・だったはずが
出典:入荷しました!国内正規品ハミルトン PSR H52414130 /ハミルトン専門店ランドホー (takaramonoya.com)
しかし時は経ち、1990年代後半に映画「メン・イン・ブラック」の劇中で使用されると再び話題に。メンインブラックではベンチュラも使用されており、ハミルトンとは深い繋がりがありますね。「近未来」「宇宙」といったキーワードがパルサーやベンチュラのイメージと合致した結果と言われています。
それを機に、既に「パルサー」の名称を売却してしまっていたハミルトンは「パルソマチック」のモデル名で久しぶりにパルサーを復刻させたのです。
そして今回(2020年のことです)、パルサー生誕50周年を記念して新たに「PSR」の名称でリリースしたというわけです。
ハミルトン・PSRレビュー
①概要
というわけで念願叶って入手!私にはお馴染みのハミルトンのボックス。
こちらもお馴染みの木製ボックス。きちんと木の匂いがして良いんです。
いよいよご対面です。いつもこの瞬間が堪りません・・・。
ご対面!いやはや。やはりこの時点でもう異彩を放っています・・・。
昔のモデルを忠実に復刻しているだけあって、ずっしりとした重さです。実物はネット画像等で見たそのまま。格好良い!
②スペック
それでは、カタログを参照し、スペックを見ていきましょう。
〇ムーブメント クオーツ(デジタル)
〇機能 10気圧防水
〇ケースサイズ 直径34.7mm×40.8mm×厚さ13.3mm
〇素材 ステンレススチール
〇風防 サファイアガラス
〇バンド ステンレスバンド
スペック上は特に秀でている面は見当たりません。この時計の魅力はここに非ずですからね。
③デザイン
この厚みは想像していた以上の物でした。かなり分厚く、ぽってりした印象です。一抹のかわいらしさが感じられます。一応公式では「クッション型ケース」となっています。
ケース裏のデザインも素晴らしい。ハミルトンらしさ全開と言った印象です。
今回の復刻「PSR」は二代目モデルの「P2」を忠実に復刻したもの。P2は映画007でジェームス・ボンドが着用したことでも名を馳せた名作です。今回の復刻に当たっては、オリジナルのモデルを3Dプリンターでスキャンし再現したとのこと。
元々のパルサーのデザインイメージは1968年の映画「2001年宇宙の旅」にハミルトンが提供した劇中モデルがソースになっています。まさしくレトロフューチャーな根源の元、作られているわけですが、どこからどう見てもそのイメージのままです。「一昔前の人々が想像した未来のデザイン」と言ったところでしょうか。
しかし、現代の機能系ウォッチとはだいぶん趣が違います。文字盤にはLEDで光る文字盤だけが表示され(横のボタンをプッシュしないと光りません(笑))、曜日も日付なども何もありません。この辺りがデザイン面で功を奏し、他と一線を画す雰囲気を作り上げているのだと思います。ステンレススチールとの相性も良く、なんとも表現し難い唯一無二のデザインとして成り立っています。言うなれば、宇宙船か未確認飛行物体のような雰囲気?
④機能性
時刻表示ライトがLEDから有機ELへと進化を遂げている以外は余計な機能は全くついていません。先述したように時刻表示もボタンを押さないと光らず、使い勝手はとても良いとは言えませんし、他にはボタンを長押しして時刻合わせをする程度。デジタルウォッチだからと言って、この時計に機能性を求めるべきではないのです(笑)
ハミルトン・PSRのまとめ
実際に入手してみて、改めてこの時計の魅力にハマりました。その個性には抗うことができない。どうせ買うならば個性の主張ができるもののほうが良い。自分のそういった気持ちに気付かされたのです。
過去記事でご紹介したベンチュラもまた、唯一無二の個性を放つ時計です。ハミルトンというブランドの魅力は、「他人と違うエッセンスをもたらしてくれるところ」なのかもしれません。逆に、ミリタリーウォッチのすばらしさを教えてくれる名作「カーキ」やフォーマルにも対応できつつも古き良きアメリカの雰囲気や個性を漂わせている「ジャズマスター」等もあります。
PSRは2020年に復刻されたモデルで、まだもう少しは入手できる余地があるようですが、随時生産されるモデルではないため、いつ販売が終了するか分かりません。、もし気になった方がおられれば早いうちにチェックしてみて下さい。
価格:99,000円 |
ハミルトン PSR パルサー Ref.H52424130 イエローゴールドPVDメッキ 2020年 1970個限定 50周年記念モデル【中古】【メンズ】 価格:128,000円 |
こちらのイエローゴールドバージョンは1970個限定。リンクは中古品です。希少価値は高いと思います。うーむ、かっこいい。
因みに、ベンチュラ、カーキ、ジャズマスターのリンクも貼っておきます。気になる方はどうぞ。
価格:100,100円 |
価格:63,800円 |
価格:100,100円 |
おまけ(今日のネコ)
クロネコのネネ・・・(おはぎ柄)・・・
「バシュッ!」(笑)カメラ向けてたらいきなり動きました(笑)躍動感(゚д゚)!
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