ネペンテスは私が学生の時からずっと存在しているショップで、まだ経済的に余裕がない時分は高嶺の花のような存在でした。
ラギッドでハイセンスで、何よりも凝り方が極まっている印象が強く、今はあまりオリジナルレーベルのネペンテス名義のアイテムは見かけませんが、ネペンテスのワークシャツや(今は無き)GO LIKE O(ゴライコウ)のジャケット等は随分長い間大切に着ていた覚えがあります(復活しないかな、GO LIKE O(ゴライコウ)・・・)。
過去記事で述べているように、最近のネペンテスを現わしているブランドはNEEDLES(ニードルズ)、ENGINEERED GARMENTS(エンジニアドガーメンツ)、そしてSOUTH 2 WESUT 8(サウスツーウェストエイト)の3つ。各々がそれぞれの特徴を打ち出しているものの、根っこの部分は如何にもネペンテスだなと思ってしまう格好良さがあります。
今回はその中の一つであるENGINEERED GARMENTS(エンジニアードガーメンツ)のシャツを久し振りに買ったので、その魅力について言及していきたいと思います。
ENGINEERED GARMENTS(エンジニアードガーメンツ)に惹かれる理由
日本人が作るメイドインUSA
出典:ファッションプレス
ネペンテスアメリカの代表でENGINEERED GARMENT(エンジニアードガーメンツ)デザイナー・鈴木大器氏の来歴を紐解いてみると、その原点は中学生の時くらいに愛読していた雑誌「POPEYE(ポパイ)」とのこと。POPEYE(ポパイ)と言えばアメリカのカルチャーを日本に紹介した先駆者のような媒体(諸説あり)。幼少期から洋画にのめり込んだ来歴と併せて、同ブランドの大枠のテーマはやはり70年代~80年代くらいのアメリカのカルチャーだという要素は外せないのではないかと思います。
「日本人が作るメイドインUSAのブランド」という金看板を掲げるENGINEEREED GARMENTS(エンジニアードガーメンツ)ですが、その原点は同氏のバックグラウンドと深く関連付けられていると言って良いでしょう。
アメカジの服を作る日本ブランドというのは非常に多く存在していますが、ENGINEERED GARMENTS(エンジニアードガーメンツ)はやはり特に強くアメリカの空気感を感じることが出来るような気がするし、そこに日本人特有の感覚が入り混じり、唯一無二の存在感を放つアイテムをリリースし続けているのです。
カジュアルさの中に垣間見えるキメ過ぎないドレス感
出典:ファッションプレス
以前鈴木氏のインタビュー記事を読んだ時に、「ほとんどジャケットは着ないけれど、きちんと装う時はワークジャケットが多い」というコメントが印象に残っています。
「アメリカの郊外の方の方が、ちょっとした公用の際にジャケット等を羽織って出かける時、きっとスタイリング的にはこんな風になるのではないか?」
ENGINEERED GARMENTS(エンジニアードガーメンツ)のルックを見る時、ふとそんな風に思ったことがあり、前述の鈴木氏のインタビューと妙にリンクしました。アメリカらしい、良い意味でのやや大雑把な感じと、しかし隠しようのないラギッド感、そして合理的な雰囲気。この何とも形容し難いような独特なオーラを、ENGINEERED GARMENTS(エンジニアードガーメンツ)の服からは良く感じ得ます。
流行に媚びない
出典:ファッションプレス
当たり前の話ですが、ラグジュアリーブランドは毎期毎期世界中のトレンドを作る中心的な存在です。それらのショーやルックを基にトレンドが生まれる。それ以外のブランドやショップも勿論それに付随してトレンドに沿ったデザインを象っていく。
ENGINEERED GARMENT(エンジニアードガーメンツ)だけに限った話っではありませんが、このブランドからは特にそういった流れに沿ったモノづくりをしている雰囲気をほぼほぼ感じません。ブレないというか、変わらないというか・・・。きっと、今作りたいもの、或いはデザイナーが着たいと思うものをそのまんま作っているのではないだろうか。そんな気さえするほどです。
同じネペンテスのNEEDLES(ニードルズ)はその点、いい意味でトレンドを作る傾向があるような気がしていて、両者のカラーは対のようになっている気もします。NEEDLES(ニードルズ)はアイコニックでマス層までよく知られていると思いますがENGINEERED GARMENTS(エンジニアードガーメンツ)はそんなことはありませんものね。NEEDLES(ニードルズ)も勿論とても好きなブランドですがそんなわけで無性にENGINEERED GARMENT(エンジニアードガーメンツ)の服を着たくなる衝動に駆られる時があります。
不必要な遊び心
最近購入したこちらのバンドカラーシャツ。
色々ポイントがあるのですが、その最たるものは何と言ってもチェスト部の双眼鏡をホールドするためのストラップだと思います。
ENGINEERED GARMENTS(エンジニアードガーメンツ)のシャツやジャケットではよく採用されるディテールなのですが、このストラップ、実際に双眼鏡を使う方が使用することはほぼほぼないでしょう。
でも、これが格好良い。着脱は面倒くさい。とても。でも、これがあるのとないのとでは全然印象が違います。
襟部分のチンストラップもですが、このシャツに見られるようにENGINEERED GARMENTS(エンジニアードガーメンツ)のアイテムはシンプルでミニマルという概念とは正反対の「不必要な遊び心」が散りばめられていることが多く、それが大きな魅力になっています。
こういう言い方は本当に好きではないのですが、「何だか分からないけれどとにかく格好良い」のです。
このシャツはキリン柄(いままでそれなりにアニマル柄のものも着てきましたが、流石にキリン柄は初めてです)のインパクト、チェック柄だけれども生地はドレッシーなコットンブロードという意外性、チェーンステッチ、貝ボタンと、実に見どころの多いシャツになっています。
まとめ
なるべく、論理的な表現をするように心がけていますが、どうもENGINEERED GARMENT(エンジニアードガーメンツ)について述べる時はその通りにすることが難しいらしく、「ただただ好きだし、格好良い」と言ってしまいがち。まあ、たまには良いですかね?
出典:GQジャパン
単純にデザイナーの鈴木大器氏の事を凄いと思うし、実は着こなしの参考にすることも多いです。私もアメリカらしいスタイルが好きで、でも日本人の感覚に最も共感する質(たち)だからなのかもしれません。
いやいや、単純にENGINEERED GARMENT(エンジニアードガーメンツ)が好きだからです。ただ、それだけです・・・。
丁度記事投稿時点くらいの時点で24秋冬のルックが発表されました。
相変わらずかなり格好良い。左から二番目のセットアップが最も気になります。
にほんブログ村のランキングに参加しています。もしよろしければバナークリックをお願いいたします。
是非ブックマークやコメントで皆さんのご感想などお聞かせください!