もう逃げるのは、やめたんだ
リーバイスの90sアメリカ製501、90sエジプト製550、ほぼ現行のラングラーのブラックジーンズ。ここに3本のデニムがある。
僕はアメカジが好きだ。そして古着も買う。
しかし、当ブログのパンツ カテゴリーを見てもらうと分かるようにほぼほぼジーンズは所有していない。更にリーバイスが苦手だという気持ちは
リーバイスが苦手な私がヴィンテージじゃないリーバイスのデニムウェスタンシャツを買った話
こちらの記事でも吐露している。
では何故ここに3本のジーンズがあり、うち2本がリーバイスのものなのか。
・・・もう、逃げるのをやめたのだ。
アメカジが好き。古着が好き。・・・でも、リーバイスもジーンズも持っていない。
これはきっと通用しない理屈なのだ。そう。例えるならば
- 日本史は好きだけれども戦国時代に明るくない
- 経理が得意だというのにカンマの打ち方がわからない
- 運動神経が良いと宣言しているクセに100m走が遅い
そんな事象と左程変わらない。
僕は自分のアイデンティティの真の確立の為にジーンズを攻略したいのである。
僕が今までリーバイスとジーンズを避けていた理由
①ジーンズについて
着心地が悪いという偏見
僕のお腹はとても敏感で、何か異物が当たると気分がすぐに悪くなってしまう。王道的なジーンズを穿くのであれば勿論コットン100%のものと思うが、どうしてもお腹に固い生地が当たってしまう。だから比較的生地感が柔らかいものやイージーパンツ等を選ぶ傾向にある。これが一つ目の理由だ。デニムのジーンズというものは見るからにお腹に優しくない雰囲気を醸していて、昔から忌避していたわけである。
熱気が強すぎる
様々なジャンルが存在しているファッション界隈だが、ジーンズに関する熱気は余りに強すぎる。ファッション好きである僕であっても時に「引く」くらいだ。
中途半端な知識で挑もうものならば(実はそこそこ基礎知識くらいは備えてはいるのだが)フリークの方々が良く思わないのは自明の理。だからなかなか踏み出せないのだ。ジーンズの世界は余りにもディープでリアルなのである。
自らの興味のベクトルはエイジングに特化していない
他のパンツと比較した時、ジーンズが持っている最たる魅力は何と言ってもそのエイジング(経年変化)である。
ブランドによって違う色落ちをする、リーバイスも年代によって違う、穿き方によって、洗い方によって・・・僕もレザーや他のアイテムのエイジングはそれなりに愉しむし魅力も分かってはいるつもりだけれども、決して興味のベクトルは強くは向いていない。数あるモノの持っている魅力の中の一つの要素として捉えているのだ。
似合わない
単純に、ジーンズが似合わないと思っている。逆に自分はもっとこなれた雰囲気のイージーパンツや武骨さを演出できる軍パン、逆にコーデを引き締めるスラックスやチノの方が合っていると思っている。自分のスタイリング上の信条はアメカジ、キレイ目等様々なジャンルを自らのフィルターを通して選ぶ事。勿論納得すればファストファッションも着る。最も好きなのはアメリカのルーツを踏襲した日本のブランドなのかなと最近思ったりはしているが、そういったスタイリングはジーンズなしでも成立はするのである。
②リーバイスについて
リーバイスは偉大だ。これほどまでに長い間世界中の人々の興味を惹きつけ、今もなおその道のトップランナーであり続けている存在はなかなかいない。
しかし、どこかその名前が独り歩きしているような気もする。
これはスウェットシャツに於けるチャンピオンやスニーカーに於けるナイキのそれともどこか似ている。
皆、リーバイスという存在をきちんと俯瞰してみることが出来ているのだろうか。長年そんな疑念が付きまとっていた。
真の価値を見ようとはせずに、有名な人が「良い」というから良いと感じたり、流行を生み出すインフルエンサーが着ていたから欲しいと思ったり。どこかで流されている部分があるのではないか。
僕は捻くれているから、「一番」「王道」であるものを避ける傾向にある。いや、「良い」とは分かっていても敢えて避ける。そこに生じるのが個性だとも思うのだ。
逃げるのをやめた理由
では何故購入したのか。
前項で宣っている言い分は、全て言い訳なのかもしれないと気付いたからに他ならない。
結局、ああだこうだと理由を付けて、ジーンズとリーバイスの世界を覗くことを避けていたのだ。高級時計の世界も一応沼らないように気を付けているがそれと同じである。
頭の中も時間も財布も、キャパシティには限界がある。最近はメガネに沼りそうだが、これ以上は流石に溢れだしてしまいそうだとどこかでブレーキをかけていたのかもしれない。ジーンズやリーバイスの世界はそれほどに広く深いのだ。
・・・実はリーバイスについての知識はそこそこあるにはあるのだが、「知ってはいるけれど手を出していない」という領域に留まっておきたかったのだと思う。
でももうそういった陰鬱な日々とは別れを告げる。やはり、ジーンズとリーバイスを抜きにしてアメカジ、古着、ヴィンテージは語れないのだ。持っておかないとダメだ、やっぱり。
兎にも角にも、僕は飛び出す。ジーンズとリーバイスの海原に。そう決めたのだ。
出発に選んだ3本
というわけで、先日古着屋JAMを訪った。余談だが、特にジーンズは物量が物を言うと思っている。最も重要なのはサイズだ。幾ら良いモノを置いてある古着屋でもサイズがなければ話にならない。その点古着屋JAMは物量こそが最大の武器と言える信頼厚い古着屋だ。
何故古着屋なのかというと、先述したように僕はお腹が弱くジーンズの硬さに抵抗がある。現行でも柔らかいものもあることは勿論知っているが、古着がやはりある意味安心感があった。現行のリジッドはもう少し慣れてからだという、普通ならば逆の論理が働いていたのだ。
若い女性のスタッフさんといろいろ相談しながら3本のジーンズを選んだ。長い沈黙を破って所有することになる、記念すべき3本だ。
リーバイス501
まずはリーバイス501。
ジーンズの世界に足を踏み入れるにあたって、リーバイス501は絶対に避けては通れない。避けてはいけない。すべてのジーンズの原点であり至高。リーバイスの「始まりの一本」である。501を避けるという事は即ち掛け算九九を覚えずに東大に受かりたいというのと一緒。どだい不可能なことなのである。
ただし、501は実は「適当に穿いても格好良くなれる初心者向け」のジーンズというわけではない。スタンダードな太さ(近代のものになるにつれて徐々に細身になっていくらしいが)のストレートシルエットで、究極にスタンダードが故に、オシャレに見せるのはちょびっと難しかったりする。アクセントもつかないし個性も出しにくい。
実際試着してもそんなにしっくりくるといった訳ではなかった。
しかし、501は絶対に避けるわけにはいかないのである。
こちらは90sレギュラーのアメリカ製。
リーバイス550
一方で、500番台の中で最も「自分らしく」穿けそうだと思い選んだのが550。550は太ももがゆったりしていてテーパードも掛かっており股上も深い。王道ではないがギリギリ定番の品番だ。シルエットも雰囲気も普段自分が選ぶパンツのそれと近しいものがある。
シルバータブや560といった、550よりも更に太目のシルエットの物とも迷ったがこちらが最も今の自分の気分だった。
90sのエジプト製の個体だ。
ラングラー976
ブラックジーンズも一本と思っていたが折角ならリーバイス以外のものと考えていた。
こちらのラングラー976は同ブランドの代表モデルではなく、勿論高い価値のある物でもない。限りなく現行に近いメキシコ製の個体だ。
軽い気持ちで「年代はどんなものですかね」と接客してくれたスタッフさんに尋ね、まあいっかと試着室に入り出てくると、他のスタッフの方も来ており一生懸命タグをスマホで調べていた。「多分現行に近いかと・・・」・・・少しだけ申し訳なく思ってしまった。別に今回は年代や生産地等はそんなに重要視していなかったから・・・。
試着したら思いの外シルエットやサイズ感、そしてフェードの具合等が良く、ありふれたモデルのはずなのに極めていい出来だと思った。ラングラーの凄味もまた味わえる結果となったわけだ。
まとめ
というわけで、今まで頑なに避けていたジーンズとリーバイスの世界に足を踏み入れた。アラフォーにして旺盛なチャレンジ精神を示す自分をほめてあげたい気持ちにもなってしまう。
勿論今回入手した3本のジーンズに関してはそれぞれ今後レビュー記事を上げたいと思っている。
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