古着屋JAMが熊本にやってきた
古着屋JAMといえば国内最大級のインポート古着専門店。大阪や東京、そして今では全国に出店しており、名だたるユーチューバー達も同店を訪れる動画を絶え間なく発信しています。
熊本に住む私からすれば、やはりそういったお店がある都心を羨ましく思うところだったのですが、昨年熊本にもJAMがいよいよ出店。これはマストで行かなければと思い、それからまた数か月が経過してしまったのですが、やっと先日訪うことが出来ました。
当ブログでは古着について述べる記事は比較的少なく、私自体が根っからの古着党だというわけではないのですが、服好きならば誰しもがヴィンテージ・古着に無関心なはずはないのです。何故ならば現在流通しているものの多くは、ヴィンテージのワークやミリタリー、スポーツウェア等を基礎としている、若しくは焼き直しだといっても決して過言ではないからです。言ってみればヴィンテージショップでは多くの物の「原点」を目の当たりにすることが出来るわけです。
私のスタイル信条は様々なスタイルのミクスチャーですが、気分的にも最近古着に目が向いており、いよいよ古着屋JAM熊本店へと突入する準備は万端になっていました。
因みに古着屋JAM熊本店は、元々BEAMS(ビームス)熊本だった建物に入りました。BEAMS(ビームス)熊本は新しくできた駅ビル(アミュプラザ)に移転したのです。
古着屋JAMについて
出典:JAM公式HP
古着屋JAMの魅力は何と言っても古着初心者からヴィンテージマニアまで幅広い層が愉しめるインポート古着ショップだという点でしょう。
古着の世界は一般的なアパレルショップに比べてディープなので、例えば私であっても希少価値の高いヴィンテージのみで構成されているショップに足を踏み入れるのはやや恐縮することもままあるほどです(踏み入れますけれど)。JAMは年代物の本格的なヴィンテージも勿論陳列されていますが、買いやすい値付けで感覚的に選べるようなレギュラー古着も同様に置いてあり、かといってよく見る雑多な古着屋といった印象も薄く、清潔感があり開放的な雰囲気です。ですが、決してやわな古着屋というわけではないので全くダサくなく、本当に「丁度良い塩梅」を考えてあるといった印象です。
アメリカ古着が中心ですがユーロものもあり、勿論レギュラー古着はアジア製から南米・アフリカ製もあります。仕入れのバランスも見事だと思いました。カテゴリーもワーク、ミリタリー、ドレス、スポーツ・・・ほぼほぼ網羅されていると思います。
ヴィンテージショップ、古着屋の楽しみ方
店員さんとのお話
ヴィンテージショップ、古着屋では店員さんとのお話も楽しい。
見た目は厳ついタイプでも、話してみたら優しく丁寧だったなんていうのは古着屋あるあるです。見た目は本当に何故か厳つい方が多いですけれどね。
JAMの店員さんも見た目は厳ついのですが(笑)本当に懇切丁寧。現在の入荷状況や、タグから見る年代の見方、今から値が高くなっていきそうだけれどもまだ買いやすい値付けのアイテムはどれか等々実に色々なことを教えてくれました。
また、自分が気になっているアイテムを見ていると、咄嗟に気分や好みを察知し、別の物をおすすめしてきてくれる。この辺りのスキルは素晴らしいと感じたし面白かったです。やはり実店舗でのショッピングはこういうところにも醍醐味があると感じました。
独特の匂い
「古着の匂い」って、ありますよね。
「あれ」の正体は、決して体臭等というわけではなく、買い付け先の倉庫の匂いだったり運ばれてくる際の運搬船の匂いらしいです。
JAMでは仕入れた古着を「COCOLO CAMPANY」」というクリーニング専門業者に外注しており、プロによる本格クリーニングを施行した後の物を陳列しているとのこと。勿論オンラインで販売しているアイテムも同様です。
古着=不潔の等式は決して成り立たないので安心。
しかし、私は古着の匂いが嫌いではありません。いや、寧ろ好き。
JAMの店内にはクリーニング後のアイテムが並んでいる事には違いないのですが、やはり独特の香りが漂っており、堪らなくいい気分になりました。
出会い
ヴィンテージや古着は勿論基本的に一点ものなので、通常のアパレルショップとは違い「いいな」と思ったものがあってもマイサイズがあるとは限らないし、コンディションにもばらつきがあります。だから敬遠する方が一定数存在しているのは必然なのですが、だからこそマイサイズがあったり目当てのコンディションの物が見つかった場合余計に嬉しいものなのです。これがヴィンテージや古着の醍醐味の一つであり、一度ハマると足繁く通ってしまう要因にもなり得ているわけですね。
ただし、軍物が大量に軍の倉庫から放出される際には同一品がサイズ別、カラー別に豊富に買い付けされるので、この限りではないようです。
何故昔のものが良いのか
先述したように私は根っからの古着党というわけではないのですが、ヴィンテージや古着が好きという方々が「昔の物」に拘る理由が所謂「ミーハー根性」だけではないことも分かります。
大量生産品が溢れる現代の衣料品では滅多に見られない生地使いやハンドメイド感、良い意味で効率の悪い作り等、「昔の物」には現代の物とは違う魅力が詰まっています。アンティークに分類されそうなかなり昔の物は勿論ですが、80年代や90年代のものでも、今の物とは随分「考え方自体」が違うことはアイテムを手に取ると火を見るより明らか。更に実際に身に付けてみると、着心地は現代の物には適いませんが、質実剛健で安心感も感じられる。そもそも何十年も経っているのに売り物になっている位ですからね。兎に角丈夫だし雰囲気も良いのです。
ただ、「古ければ価値があるから古い物のほうが良い」「希少性があるから格好良い」と盲目的には考えていません。新しいものにも古い物にも、良いものもそうでないものも混交されています。安いものの中にも良いモノがあるし逆も然り。自分目線の物差しをしっかりと持ち、正しい審美眼を備えた上で自身のワードローブを構成したい気持ちでいます。
アンティーク、ヴィンテージ、レギュラー
最後に蛇足ですが用語について。
一般的には
1930年代~1980年代 アンティーク
1980年代~ ヴィンテージ
1990年代~ オールド、レギュラー
という風に(2023年現在)分類されることが多いようです。
ただしコミュニティ(?)等によってかなりこのあたりは変わってくる部分だし、何かの文献で明確に定義されているわけではないので、個人的にはあまり気にしなくても良いのではないかと思っています。特に「総てまとめてヴィンテージとする」という風潮も根強く存在している様子。あくまでも参考までに。
NIKE(ナイキ)ACG三つ目ジャケットを購入する(レビュー)
というわけで古着屋JAM熊本店で購入してきたのがこちらのNIKE(ナイキ)ACG三つ目タグジャケット。レビューしていきます。
NIKE(ナイキ)ACGと三つ目タグとは
NIKE(ナイキ)ACGは1989年にスタートしたナイキのアウトドアラインです。
ACGは「All Condithions Gear」の頭文字をとったもの。スポーツブランドであるナイキのインラインとは一味違う機能性の高さやタフさ、そしてアウトドアラインらしい鮮やかな配色も特徴になっています。雰囲気としては一般的に知られているNIKE(ナイキ)というよりはパタゴニアやノースフェイス等に近いと言っても語弊はないかも知れません(店員さんもそう言ってました)。
90年代のストリートでも人気を博し、インラインと比較しても古着市場での球数がやや少な目ということもあり、服好きや古着好きからするとやはり目が行ってしまうラインになっています。
出店:セカンドストリート公式HP
NIKE(ナイキ)ACGのロゴは1997年~こちらの画像の物に変更されています。
つまり今回購入したものはそれ以前のもの(1990年代後半の物と店員さんも言ってました)という事になります。
出店:セカンドストリート公式HP
acgのロゴが三角形に配置されており、通称「三つ目タグ」と呼ばれているこのタグ。先述したように10年に満たない使用年数だったため、ただでさえ流通量が少ないNIKE(ナイキ)ACGのアイテムの中でもさらに希少性に拍車が掛かるタグとなっています。
絶妙な配色①
全体のカラーリングは如何にも90年代らしいカラフルな雰囲気。ブルー×レッドのボディ色もそうですが、「NIKE」刺しゅうのミントグリーン配色にもグッときました。レトロなだけではない、どこか洗練さも感じさせられる雰囲気。勿論アウトドア仕様なのでカラフルな配色にすることによって過酷な環境下での視認性を高めるという実用的な意味合いもあります。インラインにはあまり見られない、ACGらしさと言えましょう。
フラップを捲ると胸ポケットがあるのですが、裏地とライニング、ジップにも印象的にミントグリーンが使用されています。ニクい。ああ、好みだ。
絶妙な配色②
元々の配色という話ではないのですが、ベルクロはやや使用感が。しかし、それもまた古着のアジ。元はもう少し濃かったのかな等と思いを馳せます。
左袖には三つ目ロゴが鎮座します。
三つ目ロゴもブルーの下地とミントグリーンの文字でノスタルジックな気持ちを刺激してくれるグッドカラーですね。
その他ディテール①
生地はナイロンですが、割と厚みがありごわつきがあります。アウトドア仕様なので、軽さと心地よさを重視しているナイキのインラインとは一味違う作り。更に20年以上前に作られたものなので重ねてタフそうだと思いました。現代のアウトドアのプロダクトアイテムでもなかなか見かけないような生地感です。
バックは勿論体温を効率よく逃がすためのベンチレーションが。このベンチレーションはいい塩梅にシルエットを野暮ったくしてくれる役割も担います。だからナイロンジャケットを見る時にこれの有無をチェックしてみたり。そういう方も結構おられるのではないでしょうか。
その他ディテール②
安心のYKKジップは勿論ダブルジップ。若干剥がれがありますが全然綺麗です。ここも印象的にミントグリーンのカラーリングを使用していますね。
裏タグ部分はハンギングストラップになっています。これが羽織る時にベロンと外に出てしまうことがあるのですが、それもまた、良い。
そんなに古いものではないにしろ、裏地も綺麗な状態を保っています。古着のコンディションを見る時に裏地は肌に当たる側なので意外と重要なのですが全く以て綺麗でした。表から見るとブルーの部分は裏から見るとパープルっぽい、不思議なカラーリングになっています。
コーディネート、サイズ感
アウター:NIKE(ナイキ)ACG(古着)
インナー:エディション(トゥモローランド)
パンツ:ハバーサック
シューズ:コンバース・タイムライン・ワンスター
着用するとこんな感じ。173㎝65㎏の私がMサイズを着用しています。
90年代のものらしい、身幅広めの身丈短めなサイズ感。インナーには敢えて爽やかな印象のマルチボーダーを入れてパンツは思い切りワイドなチノ、そして足元はレトロ顔のコンバース。カラーリングの統一感はないですが、敢えてセオリーと逆にすることで古着のジャケットの潔さが際立つのではないかと思いコーディネートしました。
インナーには何が良いのかなと逡巡したのでもう一枚。こちらはGoodwear(グッドウェア)のヘビーオンスTシャツを合わせています。こういう感じでもよく合いますね。もっと単純に白Tでも問題ないでしょう。
いずれにしてもジャケットの丈が短いのでインナーはタックインして合わせるとバランスが取れそうです。
・・・・。こんにちは。
まとめ
今回は古着屋JAM熊本店に初潜入した件と、購入したNIKE(ナイキ)ACGのジャケットのレビューをお伝えいたしました。
繰り返しになりますが、私は古着党というわけではありません。しかし、ワードローブの中に一定の古着があって、自分のスタイルの中に一部取り入れるのは大好きです。
古着の世界は縦も横も相当ディープなので、ビギナーの一歩先くらいに位置どりしておく程度がある意味身の為なのだと自らに言い聞かせているきらいも実はあるのですが・・・。しかし、ヴィンテージショップや古着屋に足を運び、店員さんとのお話を愉しんで、気に入ったものがあったら買って帰って・・・。そんな楽しみをこれからも提供してくれそうなお店であるJAMが熊本にできたのは私にとって大きな収穫です。
まあまあ良い感じに貴重なNIKE(ナイキ)ACGの三つ目タグジャケットを手にできたことも小さくない出来事だったし、今後もたまに古着屋JAM熊本店に足を運ぶことになるでしょう。
古着屋JAMはオンラインストアの品揃えも充実しています。気になる方は是非チェックしてみて下さい。
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