春はライトアウターをさらっと羽織りたい
だいぶん春めいてきました。
今年の冬もなかなか厳しく、重衣料が手放せない日々が続きましたが、そういう日々の出口はもうすぐそこ。
重量のあるコートを脱ぎ捨てて、軽やかなライトアウターを羽織って出かけたい。そうだ、どうせならばカラーも明るい方が良い。
春らしいものを身に纏おう。来る春に向けて。
・・・そんなわけで今回は春にピッタリなオーラリーのファティーグジャケットをご紹介します。
AURALEEとは
出典:オーラリー公式HP
過去記事でも一度オーラリーについてはご紹介しましたが、現在国内ブランドの中でも世界レベルで屈指の評価を得ているのがこのブランドです。
ブランドの始まりは2015年。デザイナーの岩井良太氏は数々のブランドでのパタンナー経験を有する人物です。
2019年にはパリのファッションウィークに参加し、世界的高評価を得る契機になりました。
コンセプトは「上質で洗練された洋服」。その通り、オーラリーは兎に角素材に対する拘りが凄まじく、世界中からデザイナー自身が厳選したもののみを採用しています。岩井氏自身が「まずは生地から考える」と述べるように、オーラリーの服は生地ありき。オーラリーの運営母体であるクリップクロップは生地問屋を営んでおり、同社の運営ブランドとしては私が好きなキャプテンサンシャインもあったりします。キャプテンサンシャインもまた、生地に拘りを持つブランドとして名を馳せていますね。
出典:オーラリー公式HP
また、ただただ生地だけに拘っているわけではなく、現代的な気分を纏ったシルエット・ディテールを取り入れ、ミリタリーやワーク等のアーカイブに落とし込む際も、素材とシルエットが高次元で融合できるように細かい調整を行いながら、完成度の高いデザインを常に探る姿勢を取っています。
オーラリーは今や諸国の有名ブランドと比肩するほどの人気を誇っており、二次流通界隈で高値で取引されるドメスティックブランドの代表格としても知られています。
ニューバランスとのコラボ
出典:オーラリー公式HP
オーラリーの最近のトピックスと言えば何と言ってもニューバランスとのコラボレーション。
22-23AWに発売されたXC-72は大きな話題になると共に争奪戦になりました。
Nのデカロゴとアウトドア仕様のディテールで人気を博したXC-72ですが、オーラリーらしい素材の変更が為されていて、ミニマルな雰囲気のコーデに難なく馴染む一足になっています。
未だ話題の尽きない人気モデルM2002Rにも別注をかけており、こちらもまたオーラリーらしいナチュラルな雰囲気に仕上がっています。
現行を購入するのはかなり難しくなっており、二次流通でも価格が高騰。今後継続的にリリースされるのかもわからないのでかなりプレミアムなシューズになっています。
AURALEE(オーラリー)のミリタリージャケットをレビュー
概要
このジャケットは16年か17年位のSSモデルになります。
デザインソースになっているのはアメリカ軍で1960年代に開発された、所謂ファティーグジャケットと言われるもの。
ファティーグジャケットはベトナム戦争で使用されたジャケットで、正式名はコンバットトロピカルコートといいます。最も市場に出回っているポピュラーな型は4代目のファティーグジャケットで、2代目まで付属していたショルダーのエポーレットが取れ、素材はリップストップ生地になっています。このジャケットも概ねその4代目ファティーグをサンプリングしていると思われます。
生地(素材)
先述した様に、素材に並々ならぬ拘りを持つブランドであるオーラリー。このジャケットの素材はフィンクスリップストップ。リップストップは画像からわかるように格子状にナイロンを縫い込んだ生地のことで、その名の通り引き裂きに強いのでミリタリーやワークウェアによく採用されます。
地になっているコットンに使用されているのはフィンクスコットン。ピマコットン、新疆(しんきょう)綿と並び世界三大コットンと言われるエジプトのギザコットンの中でもさらに厳選されたハイクオリティなコットンです。
オーラリーはこのフィンクスコットンに最上級の信頼を置いており、毎シーズン必ず同素材を使用したアイテムをリリースします。
フィンクスコットンは「シルクのような光沢とカシミヤのような肌触り」と言われるほどのクオリティで、実際に触ってみるとヌメリさえも感じるほどの滑らかさを感じることができ、実際に着用すると肌に吸い付くのではないかと錯覚するほどの着心地の良さ。微光沢は高級感を醸し、素材の良さを最大限に引き出すポテンシャルを秘めています。
因みにフィンクス協会は日本にあり、フィンクスコットンの商標も日本のテキスタイルメーカーが保有しています。それを踏まえると、オーラリーのようなドメスティックブランドがフィンクスを使用するのは自然なことだとも言えますね。
ディテール
ファティーグジャケットの最大の特徴と言えば前身頃に備わっている4つのフラップポケット。よく見るとフラップにやや角度が付いており仄かな個性を感じさせてくれます。
匍匐(ほふく)前進の際に引っかからないようにする為、ミリタリージャケットは良く比翼式の前立てになっていますが例に洩れずオーラリーのファティーグも比翼ボタン。
ボタンは非常に綺麗な貝ボタンです。
シルエット
シルエットはかなりのリラックスフィットになっています。着用イメージは次項で掲載しますが、購入当時の私はまだジャスト目で選んでいたのでサイズ3(S相当)を選択しています。
シルエットというよりも、生地が極上なので極めて綺麗な落ち感が出るように作られています。
コーディネート、サイズ感
アウター:オーラリー
カットソー:エディション
パンツ:ハバーサック
シューズ:ビルケンシュトック ロンドン
173㎝67㎏の私がサイズ3(S相当)を着用しています。かなりのリラックスフィットなので、サイズ3でジャスト、サイズ4だとややリラックス気味、サイズ5だとオーバーサイズ気味になるでしょう。オーラリーは大体どのアイテムでもその感覚です。
ジャスト目で着用してボトムスをワイドパンツにすると、丁度最近の気分に沿っているように思えます。
ボーダーやベージュなどのものと合わせて、春らしいコーディネートを組みたいですね。アーミーグリーンの色合いは生地次第で野暮ったくなってしまいがちですが、やはりこのオーラリーのフィンクスコットンは素晴らしい。適度なやれ感とハリ、コシが共存し少しヌメ感も感じられる。見た目も着心地も最高に良いです。
まとめ
ファティーグジャケットは近年ミリタリー熱の盛り上がりと共に人気が出て、最早定番化したアイテムです。
しかし、逆に色々なブランド等が作っており、差別化が若干難しくなってきています。
ならば、素材や作りで違いを出していくことが必要。オーラリーのファティーグは持って来いと言えそうです。
フィンクスコットンという高級な素材を使用していますが、気取らずにさらっと羽織れる雰囲気なところも良いですね。今年は気分なのでヘビロテしてみようかと思います。
いや、しかし、やはりオーラリーは凄いですね。久々に着てみて改めて思いました。
パリコレに参加する等、世界規模で名を挙げ始めているオーラリーですが、根本的にはデザインはベーシックそのもの。そして、日本人のモノ作りの確かさや素材への拘り等、ミーハーでなくとも見どころが多い。まさに、日本ブランドの凄味が良くわかるブランドだと言えそうです。
一方、ファティーグジャケットについては先述した様に近年街中にも溢れているデザインソースですが、実際に考え抜かれたディテールとデザインで、人気の理由はよくわかります。
汎用性も高く、着やすいので何か春に羽織るものを探しているという方にとっては相変わらず悪くない選択になるかと思います。
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