ムーンスター後編です。
前編も是非ご覧ください!
目次
日本の誇りだ!
久留米、久留米と言ってますが、久留米市がどこにあるか御存知でしょうか?
久留米市は九州の福岡県にある中堅都市。以前述べましたが私は熊本県で暮らしています、熊本からは車で2時間弱くらいのところにあります。
ムーンスターは久留米発祥のメーカー。
以前、イタリア人の国民靴としてスペルガのお話を書きましたが
ムーンスターは日本人が皆一度は履いたことがあると言っても過言ではない程馴染みのあるシューズメーカーです。
通学靴、上履き、体育館シューズ・・・
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子供のころにムーンスターを履いていても、徐々にそれがミズノやアシックスに変わり、更にナイキやアディダス、プーマ等へと変わっていくのが日本。
しかし、面白いことに欧州ではアディダスやプーマを履いていた子供たちが大人になったらアシックスを履きだす国もあるそうです。真逆。面白いでしょう?
やはりすごい!アシックス!
・・・話が逸れましたが、
それが現在世界中でムーンスターが注目を浴びているのです。メイドイン久留米のシューズが、私たちの上履きのメーカーが!
何とも嬉しい、ロマンティックな話です。
今回はそのムーンスターの詳細についてリサーチしていきます!
足袋屋からのスタート
1873年(明治6年)に創業した(凄い!まだちょんまげの人たちが闊歩している頃です!)「つちや足袋店」は当時から時流を読む力に長け、地下足袋の大量生産にいち早く取り掛かります。当時の状況からすれば画期的なもの。
大正時代にはアメリカの技術をこれまたいち早く取り入れゴムソールの足袋を開発。
※これはつちや足袋のものではありません
ゴム底は「アメ底」と言われますがここから来ているのです。
1925年頃にはゴム底のスニーカーの生産に取り掛かります。
因みに、「スニーカー」とは何故スニーカーなのかというと・・・
「Sneak」は忍び寄るという意味。「靴」といえば革靴のものを指していましたが、ゴム底の靴は歩くときに革靴と比較して圧倒的に音がしません。音もせずに忍び寄ることができる様から「スニーカー」という名称になったというわけです。
月星シューズ→ムーンスター
その後いろいろと名称を変更しながら辿り着いた名称は「月星シューズ」。
そのポリシーは原点の「つちや足袋店」の「御誂向御好次第(おあつらえむきおこのみしだい)」の言葉。つまり、「一人一人のお客様に最適な靴を作ること」。
実は「ムーンスター」ブランドができたのは2006年とつい最近なんです。
上述の、創業者倉田雲平が掲げた理念は社名やブランド名が変わっても不変なのです。
現在も熟練の職人たちの手で製造される「ファインヴァルカナイズ製法」は熱反応によりソールとアッパーを接着させる世界に誇る技術。
ああ、工場見学に行きたい・・・
職場旅行の行き先に提案してみたいです・・・「プライベートで行きなさい」と一蹴されそうですけど(笑)見学に行って、その場で出来上がったシューズを購入してみたい・・・一生の記念になりそうです。購入などができるのかはわからないですけど(笑)
因みに、コンバース・オールスターのメイドインジャパンモデルがありますが・・・
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「オールスターなのになんで高いの!」でお馴染みの?こちら。
(細部をみていくと一般流通している量販モデルとはクオリティやデザインに歴然の差があるのですよ)
実はムーンスターの工場で作られています。ニューバランスのシューズを作っていたこともあるのですよ!
「陸王」と「下町ロケット」
私は作家・池井戸潤氏のファンです。著作も何冊も読んでいます。
半沢直樹もドラマでも観ていましたし、ノーサイドゲームも面白かったですね!
しかし、私が最も心揺さぶられた作品は「陸王」!
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足袋屋さんが経営危機からの脱却を期して陸上選手のためにランニングシューズを開発するお話。とてもとても感動します。
ムーンスターも足袋屋さんが起源。ムーンスターと重ねて読んでいました。ドラマも役所広司さん扮する主人公、竹内涼真さん演じる陸上選手どちらにも恐ろしく感情移入していました。靴好き、日本の職人好きの私にとっては多分一生忘れられない作品です。
ドラマ終了後に実際にマラソン足袋「陸王」が数量限定で販売されたのですが抽選には見事に漏れて入手できませんでした・・・
マラソンしないのにどうするの?という話ですが・・・あんまりにも感動したから・・・(泣)
そして「下町ロケット」
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愚直でまっすぐで、不器用だけれど誰よりも信念と友情を重んじる最高の技術を持った職人達が主人公のお話。
ビジネスやマーケティングにも、最後は愚直な技術が勝つという勧善懲悪のストーリーです。
舞台となる会社は「佃製作所」といいますが、「佃品質・佃プライド」という理念を掲げているのです。
これは・・・ムーンスターの「久留米クオリティ」同様の表現です!
私は下町ロケットになぞらえて
「久留米品質・久留米プライド」と(勝手に)呼びます!
格好良すぎます。
ムーンスター商品紹介
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何といってもこのローバスケット!
伝統のファインヴァルカナイズ製法と確かな品質には本当に惚れ惚れします。
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ヒールには「メイドイン久留米」のパッチ。堪らないです。
・・・やはり、必ず所有しなくては・・・そう思わずにはいられません。
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アーバンリサーチドアーズではハウスブランド「フォークアンドスプーン」とのコラボで随分前からローバスケットを取り扱っています。やはりさすがの感度の良さですね。
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「スティルバイハンド(未だ手作り)」というくらいで丁寧なハンドメイドを貫く当ブランドの理念とムーンスターの職人気質は共通項を持っているということなのでしょう。私の大好きなドメスティックブランド「スティルバイハンド」のスニーカーはムーンスターが作っています。
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レインシューズも渋いですね。勿論ファインヴァルカナイズ製法です。
まとめ
前後編に分けてムーンスターについて述べてきました。
810S(エイトテンス)に関してはまたムーンスターの新たなカタチかと思います。時代に合わせてカタチは変わっていく。しかしよくよく見てみるとやはり当初の理念は深く根付いています。
ローバスケットを見てみるとムーンスターの歴史の詰まったこのブランドの王道モデルという気がします。
どちらも素晴らしい。
私はこのムーンスターというブランドが同じ九州にあることを誇りに思っています。そういえばうちのごくごく近所にもムーンスターの縫製を行う工場があります、最近気付いて、そのときは少し感動しました。
世の中が移ろっても、ムーンスターには根本が変わらずに古き良きモノづくりを発信し続ける企業でいて欲しいなと思ってやみません。そしていつか久留米の工場に見学に行ってその場でシューズを購入したいです(しつこい)。
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