今回はマウンテンリサーチ後編。前編では私が「.....リサーチ」と運命的な?再会を果たすまでの勝手な物語(笑)を述べましたが、今回はブランドの全容と小林節正氏について深堀りします。
目次
GENERAL RESEARCHと.....RESEARCH
前回述べたように、私たちが青春時代に熱狂したジェネラルリサーチはその存在感が段々希薄になっていき、私たちの脳裏をよぎることも少なくなっていったのですが、2006年にジェネラルリサーチは終了していました。だからあまり聞かなくなったのですね。
正にこのネルシャツを所有していました、懐かしい!
デザイナーの小林節正氏は、長野県の某山間部に土地を買い移住。自然の中で新しいプロダクトを始めるという仰天な?選択をします。
そこで自然に囲まれながら新しく始めたプロダクトが「.....RESEARCH」です。
それまで街の中で「ジェネラルリサーチ」をやってきた同氏。これ以上新しいことをするためには自らの軸足を変えなくてはいけないとインタビューで語っています。
つまり、実際に軸足をネイチャーな舞台に移し新たな活動を始めたという解釈だろうと思うのです。羨ましい程に自由な発想です。
小林節正氏という人間
何も考えずに「ジェネラルリサーチ」を身に着けていたことは如何に浅学だったのかと恥ずかしくなりますが、今小林節正という人を紐解いていくと改めて面白い人だという風に思います。
小林 洋服を着る側だった若いときにひとつのブランドと接していたあの頃の時間と比べると、長いですよね。15歳くらいで <VAN> のB.Dシャツを買って…。とはいえ、ずっとアイビーが好きだったわけでもなくて、目新しい方向へもどんどん行きつつ、その都度新しいスタイルに振り回され続けていたから飽きずに同じようなことを20年も続けてこれたというか…。
出典:ワッカメディア
小林氏はそのスタートが「VAN」。いやはや、本当にヴァンは様々な人たちのスタート地点だったりしますね・・・。本当に何度このブログでも登場する事か・・・。偉大過ぎます。
ジェネラルリサーチを手掛ける前は靴職人だった小林氏。SETTというブランドは未だに.....RESEARCHのいちプロダクトとして継続中です。
ヴァンから始まり、アメトラ、アイビーに影響を受けつつも自らの感性は様々な方向に向けて拡がり続けていったようです。
「ジェネラルリサーチ」では「カジュアルウェアを作る」というのがその行動の核になっていたという事が分かりました。
ジェネラルリサーチは色々な要素が確かに複合的に嵩張っているようなコンセプトだったという印象があります。いい意味で色々なエッセンスが詰まっていた小林氏の感性が現れたブランドだったのでしょう。
小林 洋服っていうのは、つくり手側に留まっている範疇は、まだ限定された領域に留まっているものなんですね。特にメンズはそれほど多くの要素を持っているわけではないですし。視点を変えて、着る側の個人っていう方向に眼を向けると、とてつもない広がりを見せる。ファッションって、つくる我々も着る人もひとつの材料を共有するから、料理と同じでそれぞれの人の着方によっていろんな味、あるいは解釈が生まれてくる。自由という目線でファッションを見ると、こんなにおもしろいものはない。
出典:ワッカメディア
長野に移住したことについて述べている部分の一節。「ジェネラルリサーチ」では表現できなかった部分を、より自由な視点を持つことにより相当幅を広げられたようです。山生活の中で着る側の視点を身につけられた様子。「自由になれば、面白い」のですね。
・・・それにしても、やはり私たちのような凡人にはとても思いつかない発想です。ジェネラルリサーチのデザイナーがこんな魅力的な人だったとは本当に当時全く知りませんでした。小林節正氏は凄い人なのです。
マウンテンリサーチ
.....RESEARCHの軸になっているブランド「マウンテンリサーチ」。
出典:MOUNTAIN RESERCH (1ldkshop.com)
マウンテンリサーチは、「アウトドアブランド」ではないのです。あくまでも小林氏が山間部での生活を通してリサーチ(研究)した結果心地よい「山暮らし」ができるように設計されているアイテムが揃う「山暮らしの服」というところが面白いですね。
傘下には
「SETT(山の靴)」
価格:16,346円 |
「Anarcho Pax(バックパック)」
マウンテンリサーチ メガサック Mountain Research Mega Sack 3172 バック 鞄 ナップサック リュックサック バックパック サブバック アウトドア 【正規品】 価格:11,000円 |
「Horse Blanket Research(毛布)」
価格:46,200円 |
「Holidays In The Mountain(家具)」
価格:44,000円 |
「Anarcho Cups(食器)」
【期間限定】 マウンテンリサーチ ソロキャップ Mountain Research[Anarcho Cups] Solo Cap 078 ソロ カップ キャップ マグ 蓋 ステンレス 【正規品】 価格:3,520円 |
といった正に山生活に必需なアイテムをラインナップしたブランドが揃います。
あ、因みに私は超が付くほどのインドア派なのでこの辺はあまり興味はありません・・・。悪しからず。
ただ、この一歩間違えると「ただの趣味」と言われそうなブランドラインナップ・・・これを一般的に高度な認識領域まで到達させるのはやはり小林氏のカリスマ性のなせる業ではないでしょうか。本当に山に移住してないと説得力が出ないでしょうね。
「山登り」のブランドは多々あれど、「山暮らしの服」というインパクトもすごく強いですよね。
マウンテンマン(ズ)~4人の思想家~
そして面白いのがこの「4人の思想家」マウンテンマンシリーズ!
一番左はプロイセンの思想家「マルクス」マルクス主義のその人です。
真ん中左は中国の建国の父「毛沢東(マオ・ツオートン)」
真ん中右は十月革命を成功させ世界初の社会主義国家、ロシア・ソビエト連邦を樹立した「レーニン」
そして一番右はアメリカの作家・思想家「ソロー」ということです。
なにこれ?
世界的に有名な共産主義者3人を、ソローが森へ誘い「難しいこと言う前に、さあ行こうぜ!」と歩き出している情景(笑)とのことです。
マルクスは腕組みして考え、レーニンは杖を手に仏頂面。マオはのっけからヒッチハイク(笑)
3人の特徴が皮肉を込められながらよく表現されています。どんなハイキングになるのでしょう…(笑)考えただけでも面白い。
4人が身に纏うのは70年代のキャンピングウェア。これはビニール製のフィギュアですが、こんな面白いものをリリースしているのです。
なんでも、長野に土地を探しているときにひょんなことから「ソローの市民的不服従」というエッセイに出会い惹かれたそうで。ちょっと難しくて私も根本までは理解できていないので市民的不服従の詳細については触れませんが(ファッションブログですし、ちゃんと勉強しないと下手なことは述べられない分野ですので)、頭でっかちの思想家たちをソローが山に連れていくという空想上のストーリーが出来上がったそうです。
普通出来上がらないでしょう、そんなストーリー(笑)。本当に面白い人です。
フィギュアだけにとどまらず、マウンテンマンはウェアにまで裾を拡げています。
私が所有しているのはBDシャツ。「マオ」バージョンです。
描かれている思想家たちの中でも、私は特に毛沢東がツボで(笑)
のっけからヒッチハイク!というのが。
誤解を恐れずに言えば、毛沢東って結構滅茶苦茶な人だったようですから。今の中国の礎を作った人で、現リーダーの習近平も崇拝している人ですが。
なんかいい皮肉だなあと思ったのです。のっけからヒッチハイク。
すごく形のいいBDシャツです。生地も厚手のオックスで雰囲気があります。やはり「山暮らし」に合う生地はオックスフォードですよね。丈夫で着心地も良い。
凄くお気に入りのアイテムです。マオのワンポイントもどこか憎めないかわいらしさがあります。左胸のポケットは小ぶりの作りで普通のものとは差別化を図れます。襟はスタンダードなボタンダウン。キレイ目にもカジュアルにも着こなせる万能なシャツです。とにかくシルエットがきれい。
マウンテンリサーチのおすすめアイテム
マウンテンリサーチ×リーボック
価格:23,980円 |
これはかっこいいですよ。リーボックとのコラボレーションスニーカー。リーボックの名品「エイリアン」は映画「エイリアン」の劇中で主人公が履いていたモデルとしてあまりにも有名。
アンクルストラップは取り外し可能で
「KEEP IN A SAFEPLACE WHEN REMOVING(外したら失くさないで大切に保管してください)」というメッセージがプリントしてあるところが、ユニークなマウンテンリサーチらしさを醸しています。
マウンテンリサーチ×バンブーシュート
価格:25,300円 |
過去記事でもご紹介した、タケノコのロゴマークでお馴染みのバンブーシュートとのコラボレーションライン。ベストだけではなくこのフランネルシャツもなかなかかっこいいです。
バックスタイルをみると、ハンティングベストを着用しているように見えます。これは小林氏の着想とのこと。襟元についているDリングのお陰で脱いでその辺に吊るしておくことも可能。この辺がマウンテンリサーチらしく実用的。
バンブーシュートディレクターの甲斐氏と仲良しなのでしょうかね?たくさんコラボアイテムがあります。
チャッカマン
【 12/1はポイント14倍~ 要エントリー】 ノーブランド(NO BRAND) チャッカマン Mountain Research 3013 (メンズ、レディース) 価格:1,650円 |
チャッカマンもあります、ユニークですね。こういうちょっとしたアイテムにも遊び心を持たせることでその世界観は拡がっていくのでしょう。
ベビーブリムキャップ
マウンテンリサーチ ベビーブリムキャップ Mountain Research Baby Brim Cap 3165 キャップ 帽子 フリース 防寒 ニット帽 ビーニー アウトドア 【正規品】 価格:9,900円 |
赤ちゃんにかぶせるキャップに着想を得たキャップ。大人のかぶれるサイズ感なのでご心配なく(笑)かわいいデザインで、フリース使いなので温かそうです。
プレイングカード
マウンテンリサーチ プレイングカード Mountain Research Playing Cards 3083 カード トランプ カードゲーム キャンプ 遊び道具 アウトドア 【正規品】 価格:2,200円 |
山暮らしの遊びと言えばカード!要するにトランプですね。
前述のソローの顔がプリントされたカードはジョーカーでしょうか?
BDシャツ(古着)
【中古】Mountain Research◆20ss/MOUTAIN MAN B.D./長袖シャツ/L/コットン/WHT/MTR-2938【メンズウェア】 価格:11,990円 |
BDシャツは私も古着で買いました。マウンテンリサーチのオックスフォードは凄く良い生地なので古着も十分いけるものが多いと思います。サイズ感は若干ゆったり目。私(173㎝標準体型)が上の画像で着用しているのはXLサイズです。
同じ「MAO」バージョンのものが出回っていましたのでリンク貼っておきます。確かマルクス、レーニン、そしてもちろんソロー(ヘンリー)バージョンもリリースされていますがもう古着でしか見つからないと思います。
まとめ
2回に渡りマウンテンリサーチと小林節正氏について述べさていただきました。
私としては、ひょんなことから青春時代の思い出深いブランドの「現在(いま)」がわかり、それが凄く魅力的なプロダクトとなっていたという事で、凄く興奮したという出来事だったのです。
それをこうやってブログを通して表現できたことはとても良かったと感じています。
皆さんも似たような経験がありませんか?もしあれば教えて頂きたいです。
マウンテンリサーチはシーズンごとにテーマを決めてそれに沿ったアイテムを作っていくプロダクトなので、また今後どんな展開を見せてくれるのか、今後は注視していきたいと思っています。
どんな面白いものを小林氏が繰り出してくるのだろう。楽しみでなりません。
最後に、今回のこの記事を、ジェネラルリサーチに夢中だった大学時代の友人たちと当時の自分に捧げます。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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