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90年代のハイテクスニーカーブーム
私は1979年生まれ。別に何の自慢というわけでもないのですが、2000年に丁度二十歳(はたち)になるという何ともきりの良い年の生まれです。
18歳で熊本市に出てくるまでは、熊本県の中でも非常に田舎の方で暮らしていました。
日本の中ではもちろん都会から離れれば離れるほど情報も実際に購入できる店舗も限られてくるものですが、私が高校生の時分に日本中を席巻したハイテクスニーカーブームは私が暮らす街にも轟いていました。
特に田舎の少年たちは洗練された(と思い込んでいる)都会の流行にあこがれるもの。
出典:http://www.garitto.com/product/18056369
私たちはBOON(ブーン)やSmart(スマート)を読み漁り、窪塚陽介さんや木村拓哉さんに憧れました。
エアマックス95を解説
①エアマックス狩り
エアマックス95はハイテクスニーカーブームのど真ん中にいた存在だということに異論はないでしょう。
カルト的人気を博し、「エアマックス狩り」などという事件まで起きていた伝説のモデルです。
私の故郷のような田舎町でさえも盗難事件が起こりました。ある時学校の靴箱から盗まれていたようでしたね。
あれだけ異常な人気があったので、自慢したくて学校に履いてきたのでしょうけれど。「やっぱり盗まれたのか」と思った記憶があります。
②一番人気は「イエローグラデ」
特にこのイエローグラデーションのモデルはナンバーワンの人気を誇っていました。
今になって思うと、「一番人気のカラーがイエロー」というのは非常に珍しいのではないかと感じます。
大体ベーシックなブラックやホワイトなどがメンズのアイテムでは人気が出やすいはず。
ベースになっているカラーのはチャコールグレーではあるものの、ネオンイエローのカラーを売るのはなかなか困難なはずです。
オリジンのカラーリングだったこともあるのでしょうが、それだけ当時鮮烈な印象を世の中に与えたという事でしょう。しかし、今見てもなかなか秀逸なカラーリングではありますね。
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現在出回っているものはもちろん復刻版です。プライスはかなり流動的で、90年代当時は所謂「プレ値」がついて高騰していましたが、ある程度落ち着いたかと思えばまた復刻物でも上がったり・・・今後もどうなっていくのでしょうか。
90年代の高騰の原因は生産が追い付かず、且つ情報量が現代よりも少ない中だったことも挙げられるでしょうから、何かのシグニチャーモデルなんかでもない限りは、そういうことも少なくなってきたのではないかと思いますが。
まあ、「時代」というやつでしょうか。
③エアマックス95とはそもそもどういうシューズなのか
その名の通り1995年に発売されたエアマックス95は、ナイキ・エアマックスシリーズの7代目に当たります。
いうまでもなくランニングシューズなわけですが、前足部までエアが可視化された初めてのモデルで、「走る」ための様々な論理的機能が搭載されています。
デザインだけではなく、機能面においても格段の進歩を見せたモデルだったのです。
当時街履きしていた人たちにはオーバースペックだったことは言うまでもありません。
当時ナイキに入社して4年目だったデザイナーのセルジオ・ロザーノが人体模型からインスピレーションを受けデザインしたアッパーは人の骨や筋肉等が連想されるものになっています。これは結構当時から有名な話でした。
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流行の終焉
「で、YMはエアマックス95、持ってたの?」
答えは「NO」です。
当時からひねくれていた私(笑)。
猫も杓子もハイテクスニーカー推しというなかで、そんな周囲にアンチテーゼを訴えるかのようにしてシンプルの極みともいうべきコンバースのレザーオールスターなどを履いていました。
ブラックとホワイトの2色を所有して履きまわしていました。
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周囲がエアマックスだのフットスケープだの、ポンプフューリーだのノモマックス(懐かしい!)だのと騒いでいる端で、オールスター等を履いていたので、定番の良さがわからない連中からは見向きもされませんでしたが。
まあ、そういう特徴の田舎なので。
前述しましたが、90年代頃は現代と比較すると圧倒的に情報量が少ない世の中でした。
インターネットも発達していない、ネット通販もない。ポケベル全盛で、やっとPHSが普及しだした頃ですからね。
流行を発信しているのはTVと雑誌のみだったと言っていいでしょう。
情報が少ないと、選択肢の幅が狭まる。
その狭い選択肢の中で自分自身を象っていく必要性に迫られる。
情報も手段も選択肢が多すぎる現代よりも、一つの「流行」が伝達されていくスピードはそういう意味で逆に早かったのではないかと思います。
そして、過ぎ去っていくのも・・・。
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エアマックス95の後続モデルエアマックス96が流通する頃にはハイテクスニーカーブームも落ち着きを見せ、プレ値が付くほどの人気は出ませんでした。(画像リンクは96Ⅱです。96はⅠ、Ⅱがリリースされましたね。やはり、迷走の始まり?)
こぞってナイキのエアズームフライトやジョーダンの最新ナンバリングのバッシュを履いていたバスケ部の連中もアシックスのジャパンなどに回帰していっていましたし。げんきんだなあと思ってみてました。
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エアマックス97の頃になると、あんなにエアマックス95に熱狂した人々も潮が引くようにサーっといなくなったような雰囲気。
私はこのエアマックス97は逆に結構好きで、98年くらいに購入して履いていましたけれど(笑)
シンプルでスマートなスタイリングと、さすがエアマックスシリーズというべき履き心地の良さで重宝しました。
最近もまた定番化してぼちぼち人気があるようです。
まとめ エアマックス95のムーブメントとは何だったのか
90年代中期に、一世を風靡したナイキ・エアマックス95について述べてきました。
以前も述べましたが、服飾の流行と世の中の景気は無関係ではありません。
90年代の景気は「比較的良好な状態が安定して長続きした」とされています。
失業率も物価も上昇率が低かった。世間の雰囲気は明るかったと言えます。
「ノストラダムスの大予言」がまことしやかに囁かれたりしていましたが、やはり経済がうまく回ると悲壮感は縮小されていくもの。
そういった景気の中では、比較的デザイン性の高いもの、シックな装いよりも派手目のものが流行しやすい傾向にあります。
ハイテクスニーカーブームはそんな世情と無関係ではなかったでしょう。うまく様々な要素と、それを感じ取った仕掛け人の思惑が重なり起こったムーブメントだったのではないかと思います。
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ただ、「エアマックス95」はそんなムーブメントの象徴的な存在として、ある意味色眼鏡で見られがちですが、アイテム単体で見るとやはり傑作だという事は忘れてはいけません。
もしかしたらまたそのうちリバイバルブームがやってくるかもしれませんね。
ただし、もう「エアマックス狩り」はだめですよ(笑)
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