これは以前もご紹介したタコマフジレコードのタグ。
フル・・・ネルソン・・・。
フルネルソンスープレックスと言えば初代IWGPジュニア王者藤波辰爾だけれど・・・グラウンドのフルネルソンホールドとは、如何にもシュール・・・。
スウェットプルパーカ・・・。
というわけで、今回の購入レビューはタコマフジレコードの「『フルネルソン』フーディ」。この冬手に入れたこのスウェットプルパーカは面白くも奥深くて格好良い、イカした逸品でした。
洒落の効いた良いモノが欲しい
最近特に、カジュアルウェアに関しては何周か回りに回って、クセのあるモノ、若しくは面白いモノに目が行くようになりました。
かなり奥深い世界なので、「着尽くした」なんてとても言えませんが、自分の手の届く範疇のものは一通り見てきたつもりです。
そうなると、何かそれらから半歩くらい逸れたところにあるインパクトのある物が欲しくなってくるものなんですよね。
でも私もそれなりの服好き。ただただネタのようなものは今更着ることはできません。ダサい。そういうのは。
それにいい大人でもあるのでモノには拘らないと。
つまり、きちんとしたモノだけれども洒落が効いているものを探さなくてはいけない(いけないことはない)わけです。
タコマフジレコードとは
出典:タコマフジレコード公式HP
そんな時脳裏を過ぎったのがタコマフジレコード。
過去記事でもご紹介しましたが、レコードメーカーに10年勤務した渡辺友郎氏が立ち上げた良質な音楽を紹介することを目的としたレコードレーベル・・・と称しながら、一切音楽の販売はせず、音楽をテーマとしたデザインプリントやミュージシャンのツアーグッズ等を製作する、「実在しない音楽のマーチャンダイズ」をプロダクト化することを目的としたブランド。
服をデザインするというよりは、渡辺氏の「Tシャツが大好き」という思いからスタートしたブランドで、最近はスウェットやパーカ等に裾野を拡げていますが、基本的にカットソー類がラインナップの中心です。
そのユルい世界観とは裏腹なボディの縫製、生地への拘りから成るギミックに、業界人界隈のファンも多く存在しているとのことです。
どうでしょうか。存在自体がトリッキーでシュールなタコマフジレコード。なかなか面白いですよね。
五木田智央について
さて、何と言っても気になるのはこのプリントネタでしょう。
出典:五木田智央は、なぜ人気になったのか?(ユニクロなどとコラボするアーティスト)作品解説 | 暮らしのデザインレビュー (ldesignreview.com)
実は、タコマフジレコードは画家の五木田智央氏と深い繋がりを持っており、タコマフジレコードののメインロゴも五木田智央氏がデザインしたもの。
五木田智央氏は大のプロレスファンで、好きなプロレスラーはアントニオ猪木。プロレスラーもそれ以外の人間も29歳で全盛期を迎えるという「29歳ブレイク説」を唱えており、自身が29歳の時に「ランジェリー・レスリング」の展覧会を開いています。
私は芸術にはほぼほぼ造詣がないので、芸術家の方たちのことは殆ど知らないのですが、実は五木田智央氏のことは存じ上げていました。
それは何故かというと、細野晴臣氏の映画のメインビジュアルを手掛けたとか、ファッションブランド・TOGA(トーガ)のグラフィックを担当したことがある等もあるにはあるのですが・・・
出典:天龍源一郎 WRESTLE AND ROMANCE designed by Tomoo Gokita - TACOMA FUJI RECORDS ONLINE STORE (shop-pro.jp)
伝説のレスラー・天龍源一郎(天龍は単なるしゃがれ声の面白いおじさんでは決してないのですよ)が引退を発表した際に、2000年代に五木田智央氏がデザインを手掛けたTシャツが限定復刻されたのを購入しようとしていたからです。
残念ながら品切れで手に入れることは叶いませんでしたが、このTシャツに描かれた渋い天龍のデザインに惚れ込んだのをよく覚えています。・・・今にもサンダー・ストーム(天龍の入場テーマ曲)が聴こえてきそうなほど、天龍源一郎の魅力が凄まじく表現されている気がしました。しかしそれでいてシュールで洒落っ気がたんまり。五木田智央がプロレスと交わる時、そこには何とも言えない魅力が詰まった逸品が生まれるように思えてなりません。
・・・少し話は逸れましたが、タコマフジレコードと五木田智央氏とプロレスは深くて強い結びつきを持っている事が分かって頂けたのではないかと思います。
フルネルソン
さて、件(くだん)の「フルネルソン」ですが、勿論プロレスに於けるホールドの一種です。
プロレスに造詣のない方からすれば、これが何をしているのかさえよく分からないかもしれませんね。
出典:ヘナーレは今後フルネルソンをフィニッシャーとしていくつもりなんか? | でもなぁ速報 | (kids-future-navi.com)
こちらが実際の画像になります。現行の新日本プロレスのレスラーであるアーロン・へナーレ選手(最近HENAREに改名)が最近フルネルソンホールドをフィニッシュ技に昇華させようと多用していますが(技名は「アルテマ」)、なかなかに地味な・・・いや、ベーシックなホールド技です。後ろにまわって相手の両脇に腕を回し、首の後ろで組んで締めあげます。これをこのまま後ろにスープレックスで投げるとフルネルソンスープレックスとなり、かつて藤波辰爾が自身の通り名である「ドラゴン」と掛けてドラゴンスープレックスと名付け、一世を風靡しました。
ドラゴンスープレックスは今や数多くの選手たちがフィニッシュホールドとして使用する必殺技として名を馳せていますが、フルネルソンホールドは説得力にも欠けるしあまりにもベーシックすぎます。
でも、だからこそスウェットプルパーカのデザインとして採用するには逆説的にインパクトが生まれている気がします。そう。敢えてそうだからこそシュールに映えるのです。このセンスが素晴らしい。もしもここにジャーマンスープレックスやムーンサルトプレス、パワーボム等華のある技を持ってくるとしたら、魅力的ではなかったかもしれません。
「フルネルソンホールド」は極めて秀でた選択だったと言うしかないのです。
ヘナーレも今からトップ戦線を狙うにはフルネルソンホールド(アルティマ)はちょっと地味すぎるぜ!他の何かを考えたほうが良いぞ!
・・・以上、プロレスに興味のない方には苦痛かも知れないお話をしてしまいすみませんでした・・・。
スウェットプルパーカのレビュー
さて、それでは肝心のスウェットプルパーカのレビューと行きましょう。
タコマフジレコードはプリントデザインこそシュールでユルい世界観ですが、ボディの縫製、生地感への拘りは凄まじく、このパーカも例外ではありません。
ヘビーコットンの表地はもちもち感がありながらもスムースで落ち感が綺麗に出る上質なスウェット生地になっています。霜降りの色味も秀逸で、ファストファッションではまず表現できないほどの上質さでありながら、逆に古着にありがちな粗野感も感じられません。なんて優秀な生地、作りなのでしょうか。
裏起毛で、一枚で着ても十分保温性が担保されそうです。とにかく温かそう。暑がりな方は裏起毛よりも裏毛派かもしれませんが、極めて寒がりな私は断然裏起毛派です。
安心且つ高クオリティが約束される拘りの日本製。この辺りがタコマフジレコードが単なるユニークなだけのブランドではない所以なのです。
袖リブ上方にはタコマフジレコードのメインロゴ刺しゅう。ここはチャンピオンへのオマージュと言って良いでしょう。
フードもグッド。きちんとボリュームがあり格好良いです。
コーディネート、サイズ感
トップス:タコマフジレコード
パンツ:PORTER CLASSIC
シューズ:コンバースタイムライン23SSワンスター
173㎝61㎏でXLサイズを着用。かなりたっぷりとした着用感ですが、落ち感があるので綺麗に着ることが出来ていると思います。
シュールなデザインとヘビーな質感なのでカジュアル寄りにコーデする方がそれっぽくハマりそうです。
これ、これ。こういうのが欲しかったんだ
「大人が着るに相応しいきちんと作ってあるモノだけれども洒落が効いたヤツ」。今回探していたものに、このパーカはピッタリだったと思います。
実は今回このパーカはブランド古着で探したのですが、タコマフジレコードも人気のあるアイテムは即完することも多いので、現行では探してもなかなか見つからない代物だったようです。
あと、私が筋金入りのプロレスファンなので余計刺さったのかもしれませんが(笑)。とにかく、この冬手に入れたスウェットプルパーカは只者ではない逸品でした。良い買い物ができました。
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