ユニクロのニットは何を選ぶべきか
近年、かなりラインナップが増えたユニクロのニット製品。
過去記事でご紹介したエクストラファインメリノやプレミアムラムの他にもスフレヤーン、3Dスフレ、ミラノリブ、ライトウェイトローゲージ等、全くもって枚挙に暇がありません。
勿論それぞれに良いところがあります。特にユニクロはニット類に注力しているのは傍目に見ても明らかで、傑作揃い。
しかもそれぞれ大体4,000円も出せば買えてしまうという悪魔的な安さときており、最早マーケット上ではニット製品分野を独占状態といっても過言ではないかもしれません。
しかし、今回ご紹介するユニクロのニットは先述したものには含まれていません。
こちら。カシミヤニットです。
はっきり言って、このカシミヤニットは凄いです。
今回は私が愛してやまないユニクロのカシミヤニットについて述べていきたいと思います。是非最後までお付き合いください。
繊維の宝石「カシミア」
まず初めに、「カシミア」「カシミヤ」、どちらが正しいのか?という問題についてですが、両方とも間違いではないようです。
しかし、消費者庁家庭用品品質表示法の表記で「カシミヤ」とされているので、本稿では「カシミヤ」としていきたいと思います。ユニクロの公式でもカシミヤとされています。
出典:「カシミア」とは?その特徴や品質グレードに関する豆知識 | TECTLI
カシミヤとはカシミヤ山羊の毛のことを指します(ウールは羊の毛ですね)。そもそもはインドのカシミール地方由来のカシミヤ山羊ですが、現在は中国やモンゴル、イラン、チベットなどの標高の高い地域で生息、飼育されています。
元々はウールよりも高級素材として認識されており、実際に柔らかく、保温性も高く、とても綺麗なツヤの出る素材。
カシミヤ山羊は生息数が多くはなく、生息することのできる地域も限られていることから非常に希少とされおり、一頭から採れる毛の量はおよそマフラー一枚分と言われています。
というのも、単に生えてくる毛を刈り取るのではなく、表面を覆う粗毛の下にある柔らかい産毛がカシミヤであり、生え変わりの時期に山羊を捕まえて丁寧に櫛で梳いていくそうです。
過酷な環境で育ったカシミヤ山羊の産毛は非常に繊細で保温性にも優れ、見事なツヤを併せ持っているのです。
正に「繊維の宝石」。
カシミヤは普通は高い
世界の最高峰の一つに数えられるのはイタリアのテキスタイルメーカー「ロロピアーナ」。
カノニコ、ゼニアなどと並び称される問答無用の最上級の生地メーカー。そのロロピアーナのカシミア製品は一度触ると病みつきになると言われているほどです。
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勿論それなりのお値段もするわけですが、たっぷりと空気を含んだ感触、肌触り、着ていることを忘れるほどの着心地の良さはやはり相応以上の価値があると言えるでしょう。
第一、「カシミヤ」と聞けば、服やファッションに興味のない方でさえ、「高級」という認識があるほどです。普通は高いのです。カシミヤというものは。
ユニクロのカシミヤもイイ
出典:http://ttps://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E438791-000/00?colorDisplayCode=36&sizeDisplayCode=004
さて、そんなカシミヤですが、ユニクロはカシミヤニットシリーズ(クルーネック、タートルネック、Vネック)をなんと9,990円で販売しています。
確かにカシミヤにもランクというものは存在はしています。要するにピンキリなのですが、ユニクロのカシミヤは明言こそされてはいないもののそんなに粗悪なものだとは思えません。
それが(ぎりぎり)アンダー10,000円で購入できるとは・・・
しかも、年末のお約束で値下げ中。今なら7,990円になっています。末恐ろしい価格・・・。
それでは次項でレビューしていきます。
ユニクロ・カシミヤクルーネックセーターレビュー
①概要(ディテール)
私のユニクロ・カシミヤニットは昨年(2020年秋冬)のモデル。クルーネックセーターになります。カラーはブラック。
因みに今年のモデルは特殊加工をプラスし、ハンドウォッシャブルが可能になっているようです。他に細かなアップデートも施されている模様。
このユニクロ・カシミヤニットは、ディテールについてはかなりスタンダードです。変哲がなく、工夫もありません。全く普通なのです。
つまり、このアイテムのアピールポイントはデザイン性ではなく素材そのものだという事だと思います。それだけだけれども、それが凄いのです。
ただし、かなり丈夫です。昨年も、今年になっても結構ヘビーに使っていますが全くヘタレません。
ツヤっとしていて、肉厚で軽く、優しい。
普通ここまでツヤっとした質感を出すにはかなりのハイゲージ編みにする必要があり、そうした場合保温性が頼りなくなってしまうものですが、カシミヤはその問題をクリアできています。
一発で「良いモノ」と分かる質感は、やはり「カシミヤ」なのだなといつも感じずにはいられません。
程よい起毛感と仄かな弾力を感じさせる素材感ははっきり言って他のユニクロのニット類の中でもズバ抜けています。
しつこい様ですが、これは「カシミヤ」なのです。
②着用イメージ
173㎝65㎏の私がXLサイズを着用。
シルエットもデザインもかなりスタンダードなのですっきりと着こなせます。Lサイズが適正サイズなのでしょうが、ワンサイズ上げることでいつもの私らしいリラックス感を出すことが出来ているのではないかと思っています。これ以上のビッグサイズにするとやり過ぎ感が出てしまいそう。丁度良いですね。ビジネス等に使いたい場合はジャストサイズを選ぶのが吉でしょう。
本当に着心地が良く、カシミヤ山羊の産毛にやさしく包まれているような気分になります(見たことないけれど)。謝謝(シェイシェイ)、カシミヤ山羊さん(中国の山羊か分からないけれど)。
決して気負わずにスタイルを格上げしてくれる、本当に優秀なニットだと思います。「普通なのになんかオシャレ」
これが一番なのです。
バブアーのビデイルを羽織りました。クセがないのでジャケットやコート、何でもいけます。
ユニクロ・カシミヤニットのまとめ
出典:カシミヤタートルネックセーター(長袖) (MEN) | ユニクロ (uniqlo.com)
というわけで今回はユニクロのカシミヤニットについて述べてきました。
ユニクロのカシミヤニットは毎年必ずリリースされている定番アイテム。
昨年私は9月頃に欲しくなり、10月に入って発売とほぼ同時に手に入れました。しかし、もしも急いでいないならば年末祭でほぼ必ずと言って良いほどセールにかかるので更にお得に購入することが出来ます(確証は出来ませんが)。
タートルネックやVネックも用途に応じて役立つと思うのですが、エクストラファインメリノのようにモックネックのリリースを待ち望んではいます。
カシミヤでモックネックを作ればかなりいいのではと思うのですが。エクストラファインメリノは一つ殻を破り傑作へと昇華されたと思いますし。
因みにブラックは色が潰れて見えるので、実はカシミヤの風合いが比較的分かり難いカラーではあります。グレーなどの明るいカラーだともっと分かりやすさはあるかと思います。ここは好みかもしれません。
いずれにせよ、間違いのない高級素材であるユニクロのカシミヤニットは、非常におすすめのアイテムです。4,000円前後の定番ニットも良いですが、その一歩先にあるカシミヤニットを、手に取ってみてはいかがでしょうか。カシミヤニットもまた、悪魔的コスパの見逃し厳禁アイテムです!
勿論レディースもありますので女性にもお勧めです。