- GRAMICCI（グラミチ）について
- GRAMICCI（グラミチ）はどんなブランド
- GRAMICCI（グラミチ）の代表的なアイテム
- GRAMICCI（グラミチ）ギャバジンワイドテーパードパンツレビュー
- まとめ
GRAMICCI（グラミチ）について
「GRAMICCI（グラミチ）」は近年随分とストリートにも浸透してきたブランドなので、そのブランドネームや画像の「ランニングマン」のロゴは多くの方が「見たことがある」と思われるでしょう。
私も若い頃からグラミチの代名詞的アイテムである「Gショーツ」や「ジャムパンツ」等をかなり愛用してきました。
後述しますが、最近は随分とアイテムラインナップが増えてトータルブランドになってきたグラミチ。しかしグラミチと言えばやはり先述したクライミングショーツとパンツが出発点です。
「クライミングパンツのパイオニアにして原点」であるグラミチ。今回購入したパンツは極めてモダンなカスタマイズモデルですが、そのレビューと併せてグラミチについてじっくりとご紹介したいと思います。
GRAMICCI（グラミチ）はどんなブランド
出典：グラミチについて | GRAMICCI ONLINESTORE
「GRAMICCI（グラミチ）」は1970年代にアメリカ・カリフォルニア州のロッククライマーの聖地・ヨセミテ国立公園で「ストーンマスター」と呼ばれ、ロッククライミングシーンを牽引してきたマイク・グラハムが1982年に小さな倉庫で立ち上げたブランドです。
グラハムは、当時のクライミングウェアのディテールやクオリティに於いて、自身の経験上足りないと思う部分をカスタムしていきます。その結果生まれた、180度ナチュラルな開脚を可能にする「ガゼットクロッチ」や片手でベルトを容易に調節できる「ウェビングベルト」といった画期的なディテールはクライミングパンツの完成形と言われ、現在では数多のアパレルブランドがそれを参考にしたアイテムをリリースしています。
「動きやすく頑丈なパンツ」のパイオニアであるグラミチは現代の進化したテクノロジー社会の中でも、その先駆者として圧倒的な地位を確立しているのです。
余談ですが、パタゴニアの創始者イヴォン・シュイナードと、ザ・ノースフェイスの創始者ダグラス・トンプキンズ、そしてグラミチの創始者マイク・グラハムは非常に密接な交流があった関係性だという事は有名な話です。
出典：グラミチ 公式通販サイト Gramicci Online Store
「型数を絞った無骨なパンツ専業ブランド」の趣きが強かったグラミチ。アイテムラインナップも、「型」という意味では私が若い頃までは数えるほどしかありませんでした。
しかし近年は先述したオリジナルのディテールを踏襲しながらも現代的なシルエットや素材を使用したパンツやショーツをリリースし始めています。
それに加え、トップスやジャケット、シューズやサンダル、小物類にも裾野を拡げ、トータルアウトドアブランドに成長しました。
アーバンライクなアイテム群もクライミングショーツやパンツが原点にあることを確かに感じさせてくれる特徴を持っていて、昔のグラミチとは何かちょっと違うけれど、凄く使い易くてやっぱり背景が確かだから気分も良い。
なんだかんだとは言っても男心を擽ってくれるブランドだと感じています。
GRAMICCI（グラミチ）の代表的なアイテム
Gショーツ
グラミチの代名詞的アイテムと言えば間違いなくこの「Gショーツ（グラミチショーツ）」です。現存しているグラミチのショーツ、パンツのラインナップの全ての原型となっているのがこのアイテム。
勿論180度の自然な開脚を可能にするガゼットクロッチ（股下に菱形の布を縫い合わせて補強したもの）、片手での調整が容易に可能なウェビングベルトといったグラミチオリジナルのディテールを装備した同ブランドの「原点」。
ハリコシのあるオーガニックコットンを使用した生地感は非常に柔らかく動きやすい上、肌触りも極上。やや太目のシルエットと程よい丈感は時代に流されることなく普遍的な雰囲気で、大人にこそ相応しい一着。
筆者もこれまで3着ほど履き潰してきました。
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価格:7,700円 |
NN（ニューナロー）パンツ
Gショーツがオリジナルの名作なら、この「NN（ニューナロー）パンツ」は近年の
グラミチを代表する傑作と言えるでしょう。
Gショーツと並び創業当時からグラミチの代名詞的なパンツとして君臨していた「Gパンツ（グラミチパンツ）」はその後着用時のシルエットを改良した「ナローパンツ」へとアップデートされますが、そのナローパンツを更にアップデートしたのがこのNN（ニューナロー）パンツです。
ナローパンツでは従来のGパンツのシルエットをテーパードに変更し、ストレッチ素材を使用します。Gパンツの頑強でクラシックなシルエット、素材感（コットン100％の厚地）をアーバンライクなストレッチ素材に昇華させた同アイテムはリリース当初から大ヒットを記録しました。
そのナローパンツから更に、腰回りやヒップ部をすっきりさせ、より自然且つ現代的なシルエットに昇華させたのがNN（ニューナロー）パンツです。
リリース当時雑誌「Begin（ビギン）」が猛プッシュし、その美しいシルエットとアウトドアな雰囲気が高い次元で融合した「目新しさ」に引かれた私は即買いし、ヘビーユースしたものです。勿論現在も高い人気を誇り、すっかりグラミチの定番アイテムとなりました。
今、グラミチのパンツと言えば間違いなくこれです。
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価格:13,200円 |
デニム等、様々なバリエーションが存在しています。
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価格:13,200円 |
NN（ニューナロー）のシルエットをショーツに転用した「NNショーツ」も人気です。Gショーツよりもテーパードが効いており、同じく腰回りにゆとりを持たせてあるので履きやすく現代的な雰囲気。
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価格:9,900円 |
GRAMICCI（グラミチ）ギャバジンワイドテーパードパンツレビュー
概要
という訳で、随分久々にグラミチのパンツを購入しました。
今回はローカルの実店舗で購入。
正直に言うと、同ブランドのNN（ニューナロー）パンツか、
が目当てで訪ったのですが、このギャバジンワイドテーパードパンツを試着してみて思いのほか気に入り購入。
前項まででグラミチの定番アイテムをご紹介しましたが、近年他ブランドやショップ等との別注で様々な素材を使用したり、シルエットや仕様もバリエーションが格段に増えている同ブランド。
定番も捨てがたいのですが、自分のライフスタイルや着こなしの癖に合うものをと考えたときにこういう選択肢もアリかなと思いました。
コンサバティブな雰囲気に様変わりしているものの、ブランドの矜持や背景は確かに残存しており、高い所で融合している様は「さすが」と唸ってしまいます。
カラーリング・生地
グレーという色味は、上手くいけば非常に他のカラーリングとの親和性が高く、クリーンで清潔感を強調できる良い色味です。汚れも目立ちにくい。
しかし、実は油断大敵で、生地感によっては一遍に野暮ったくなってしまいかねない怖さもあったりします。なので慎重に選ぶべきだと常々思っているのですが・・・。
この、グラミチが前シーズンから新しく採用しているストレッチギャバジン素材は奥深さが感じられる光沢感と肌触りの良さ、ドレープ感が素晴らしく、軽やかで穿きやすく、高級感も抜群。深いグレーの色味をうまく引き出しています。
ストレッチ性にも優れ、勿論防シワで撥水性も兼備しています。なかなか見どころのあるファブリックだと言えるでしょう。
内訳はポリエステル65％、レーヨン32％、ポリウレタン3％になっています。
シルエット
先述したNN（ニューナロー）パンツの、現代的なテーパードシルエットが昨今のグラミチの新定番ですが、このパンツはグラミチのモデルの中でももっとも腰回りに余裕のある型紙を使用してあります。
股上も非常にゆとりがあり、履き心地はゆったり。勿論テーパードのかかり具合も言わずもがなです。
次項で着用イメージを掲載しますが、決して一般的なワイドパンツのようにカジュアルライクに寄りすぎるという訳ではなく、非常に良いバランスを保つことができています。
従来よりも思い切りワイド目に作る代わりに、極めて大人っぽい素材を使用することでアイテムそのもののバランスを取っているのです。
ディテール
このガゼットクロッチがなければグラミチとは言えません。菱形の布を股間部に縫い付けることで180度自然な開脚を可能にする、グラミチの専売特許ディテール。
普段生活する上でも動く時も、これのお陰で非常に運用しやすくなっています。
ウェビングベルトは片手で引っ張るだけで容易に調整が可能。こちらもグラミチの専売特許で、現在は多くのブランドが似たようなものを作っていますがグラミチがオリジンです。ベルトの先端にはお馴染みのランニングマン。グラミチの象徴です。
ゴムウエストになっていて、従来のグラミチのパンツにはベルトループが付属していなかったのですが、近年のアップデートで左側に2本のループが付くようになっています（右側や後ろにはない！）。これでウェビングベルトを通すことが出来るようになりました。非カジュアルのコーデをする際にはここに通しておくと垂れないので便利。用途によって使い分けができるようになっているという寸法です。
バックポケットにはGRAMICCI（グラミチ）のロゴ刺しゅう。やはり特に私達世代はこれを見ると落ち着くというか、いい気分になったりしますよね。
着用イメージ①（サイズ感）
まずはシンプルに合わせました。
173㎝65㎏の私がMサイズを着用。ウエストも余裕があり丈感もジャストです。Lサイズでも行けましたが丈が少し長すぎました（短足なのもあるかもしれませんが）。逆にSサイズは少しウェストに余裕がなくなりました。
グラミチのパンツは若干ウェストがキツイので大きめを買ってウェビングベルトで締めるというレビューも見ますが、最近のものは少し改善している気がします。イージーゴム仕様なのでジャストサイズで選んでよいかもしれません。
パンツ：グラミチ
シューズ：ビルケンシュトック ロンドン
腕時計：ハミルトン PSR（パルサー）
見ての通り、かなりすっきりと履くことが出来ます。深いグレーのカラーリングはカジュアルコーデの引き締めに効果的。そして何より軽くて動きやすい。これからの季節にうってつけの一本になりそうな予感がしてきました。
着用イメージ②
こちらはサマーニット（コットンニット）とメノルカサンダルで少し大人っぽく。
トップス（ニット）：ジャーナルスタンダードトライセクト2
カットソー：トゥモローランド
パンツ：グラミチ
サンダル：ペネロペ
ブラック等のダークトーンで纏める中、インナーのボーダーでアクセントを付けています。
重くなり過ぎかなと思うならサンダルをホワイト等に変えてみても良いかもしれませんね。本当に何にでも合うパンツです。
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（あんまり開脚できてませんが（笑））開脚も凄くしやすい。見た目の上品さからは想像できないくらいです。これは先述したガゼットクロッチの賜物です。
軽やかで動きやすく、でも大人っぽい。そんなパンツが欲しい方には非常におすすめです。汎用性も極めて高いので、一本持っていて損はないでしょう。季節的にも春・夏・秋の3シーズン使えると思います。
まとめ
今回はGRAMICCI（グラミチ）のブランドヒストリーや定番アイテムのご紹介、そしてギャバジンワイドテーパードパンツのレビューをお送り致しました。
昔からのグラミチファンの方も、あまり知らない方も、一見の価値はあると言いたい優れモノでした。
グラミチは何と言ってもクライミングパンツの「パイオニア」。様々な物事は、「アップデート」はされていくことはあれど「パイオニアは何か」というものは絶対に揺るぎません。
これからもずっと動きやすいクライミングパンツと言えばパイオニアはグラミチなのです。
度々申し上げますが、ザ・ノースフェイスに端を発する「アーバンアウトドア」の潮流は現代の私達のライフスタイルに於いて欠かせない概念になっています。
アウトドアシーンで使い易いアイテムはデイリーユースしやすい。アウトドアシーンの機能美はアーバンユースでもスマートに映える。
出典：グラミチについて | GRAMICCI ONLINESTORE
グラミチの打ち出すコンセプト「イージー＆カンファタブル」も勿論その概念に即しており、最早ストリートに欠かせないブランドの1つとなっています。
グラミチがオリジンであるウェビングベルトやガゼットクロッチは、普段生活するのにも非常に使い易く極めて理に適っているディテールだし、本格的なアウトドアを背景にもつブランドコンセプトは基盤として相当強いと言わざるを得ないでしょう。
グラミチはこれからも色あせることは決してないグッドブランドです。
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