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親愛なる森保JAPANへ 「火の鳥に出会うような奇跡だった」

 

思ってもみなかったこの奇跡を、どう表現しよう

 

 

手塚治虫の伝説的名作「火の鳥」。オムニバスで描かれる物語の中でそれぞれの主人公たちは伝説の鳥「火の鳥」に出会い、運命に翻弄されていく。

私達が生きていて、日々を過ごす中で火の鳥に出会うなんてことは当たり前だが、まずない。あり得ない奇跡だからだ。

しかし、2022年の冬、ある意味私達は火の鳥に出会うくらいの奇跡を体験させてもらった。

サッカー日本代表・森保JAPANはカタールワールドカップで圧倒的に不可能と言われていたグループリーグを首位突破した。

圧倒的実力差のあるドイツとスペインを撃破しての突破は、誰もが目にすることは叶わないと思っていた衝撃の結果だった。

「火の鳥に出会うくらいの奇跡」とは何とも大袈裟?

いいや、これは大袈裟でも何でもない。紛れもない想定外だったのだ。

 

現代サッカーへの理解と森保一

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出典:自ら仕掛け、ボールを奪える冨安健洋は“日本史上最高のDF”? 森保ジャパンの頼みの綱だ【W杯】

 

現代サッカーの構造

現代サッカーは、90%が監督で決まると言われている。仮にそれを真実と断定するとしよう。すると、=戦術・戦略(チームマネジメント)が大きなプライオリティを占めるという事になる。

一昔前のサッカーはというと、個人技に焦点が当てられ、タレントの質の足し算=チームの強さという構図だった。

しかし、研究に研究が重ねられ、構造が論理的に明らかになりすぎている現代では「個の力」の概念も随分様変わりしてしまい、チーム全体で取り組む戦術があの長方形の中の出来事の多くを支配するようになった。

これをより論理的に考えられ、選手に植え付けることが出来るかどうかが監督の仕事の中でも最も重要なことの一つなのである。

そしてもう一つ。戦術の中でも最も重要なことの一つが「リアクション」だと言われている。つまり、相手も人間である以上敵の戦術によってやり様を変えてくる。それに対してさらに対策を打てるのかどうか。これが大きなカギを握る。

判断力、マネジメント力、そして引き出しの多さ。それらが上回っているマネージャー(監督)が仕切るチームは個の力で上回る相手であっても一定以上の結果を残すことが出来る。あらゆる事象から、これらはほぼ間違いない事実だと言い切れよう。

勿論それが全てというわけではない。先に述べたように「90%」なのだ。ほかに用兵も大事だし、勿論個の力が組織や戦術を打ち破ることも多い。戦術や戦略はあくまでもゴールを決める確率、ゴールを守る確率、そして勝つ確率を高める手段に過ぎないという見方も同時に出来る。つまるところそういう部分がロマンティックに語られる魅力的な部分だったりはするのだが。

でも、そういうのは稀だし、一部の超絶的な個が存在している場合に過ぎないのである。基本的には、チームを組んで戦い方を決める際に軸にはなり得ないのである。特に日本代表のように世界でも中堅以下の国の場合は尚更だ。

 

森保一という人

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出典:森保一監督の「デスノート」に再脚光!クロアチア戦勝利確信の声も | Football Tribe Japan

 

前項で述べたのが個人的なサッカーにおける見解なのだが、それに森保監督を当て嵌めてみた場合、全く以て不満ばかりだった。ワールドカップが始まるまでは・・・。

森保監督に戦術はなかった。おまけに戦略も。

彼のプランニングの稚拙さは各サッカージャーナリストやアナリスト等もほぼ須らく指摘しており、挙句の果てには三苫や南野等日本代表の主力選手たちでさえも証言している。

サッカー解説者の前園氏の弁を聞くと、ワールドカップ直前の親善試合の時点に於いても、極々簡単な可変システムの理解にさえ乏しい有様という事が明らかになっていた。

森保監督は自身の矜持として「自分は世界を知らない。日本代表の選手は皆海外で自分よりもずっと偉大な監督たちの指導を受けている。だから彼らのやり方を尊重したい」と、ほぼほぼ放任主義だと自白してもいた。

私はこれを耳にした時、極めて憤慨した。これでは戦術も何もない。間違いなく日本代表はワールドカップで崩壊する。話にならないのである。先述した様に戦術の中の極めて重要な要素である試合中のリアクションは、ピッチ上の選手では対応できない。ピッチ外にいる監督の指示や事前の準備がモノを言うのである。だからいつも日本代表の試合は状況が動いてきた後のクオリティが下がるのである。

薄々感じていた日本代表の「決まりごとのなさ」は決定的なものと断定され、識者達も一斉に森保監督に失望したのだった。

試合中に取るメモは「デスノート」と揶揄された。大体試合中にメモを取る監督など初めて目にする。世界中の識者達から悪い意味で注目の的にされていた。

しかも森保監督は「誰が何分にシュートを打ったとか、誰が何分にいいプレーをした等といったことを記しています。それを後でコーチ陣と言い合わせる」と述べている。そんなもの、後でビデオを見直せばよい。監督が試合中にすることでは絶対にない。

森保一という人が本当に分からなかった・・・。

 

ワールドカップ開幕以前

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出典:すごい一体感速報 カタールW杯森保Jはドイツ、スペインと同じグループE!相手にとって不足なし!

 

ワールドカップの予選の組み合わせが決まった時、選手の中には「ドイツ、スペインとやれるのを嬉しく思う」という声もあった。

私は失望していた。ただ、負けるだけなら良い。しかし、ドイツとスペインが相手だと、後々まで深く残るような恐ろしく深い傷痕を残されかねないという危惧があった。

それ程に次元が違う。

数々の強豪の中でも、ドイツとスペインは特に戦術的であり、日本は勝ち筋すら見えないと思ったのである。

特にドイツに関しては選手の質も勿論世界有数のレベルの高さなのだが、戦術というものに焦点を当てた場合、更に圧倒的に図抜けている。

監督のハンジ・フリックはドイツ・ブンデスリーガの圧倒的強豪・バイエルン・ミュンヘンで欧州チャンピオンズリーグを制しており、その緻密なマネジメントには多くの識者が世界最高クラスの評価を付している。

ドイツはブラジルワールドカップであのブラジル代表(しかも本国開催である!)を7-1で下している非情なチームだ。相手のメンツも何も関係なく、弱みを見つけたら容赦なく蹂躙してくる。考えただけで恐ろしい。

スペインもまた、シャビやイニエスタ等の「クワトロ・フゴーネス」を擁しワールドカップを制した頃に比べると選手の個という点ではやや小粒だが、監督のルイス・エンリケはスペインのアイデンティティをよく理解していながら現代的な戦術を上手く融合させる世界屈指の名将。そして生粋の負けず嫌い。

どんなにシミュレーションしても、両者に蹂躙される景色しか思い浮かばなかった。

 

予選結果について

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出典:ドイツ紙が日本とスペインの〝共謀説〟提唱 信じる国民も「理にかなう」「だからか」 - トピックス|Infoseekニュース

 

しかし、いざ蓋を開けると、日本代表はドイツ、スペインに連勝し(コスタリカには不覚を取ったが)予選グループを1位で通過した。

未だに信じられないくらいである。しかし、結果は論理的に分析しなくてはならない。

 

勝因①森保一

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出典:新たな戦力の台頭、新たなオプションの出現。アジア突破の茨の道に備え充分の森保ジャパン〈カタールW杯アジア二次予選 日本代表6-0モンゴル代表〉 | サッカー馬鹿美容師 勝村大輔

 

迎えたドイツ戦。驚愕の光景が我々を待っていた。2-1での逆転勝利。前半終了時点では「思っていた通り」の展開。これが大体想定していたもので、ドイツの決定力不足以外は驚きも何もなかった。

しかし、森保JAPANは後半開始から全く別のチームへと変貌した。

ざっと20近くの可変システムでドイツを混乱させ、相手に考える暇を与えない内に逆転。浅野が決めた2点目は数10回に1回成功するかしないかの神トラップと世界有数の名手ノイアーが予測できないコースに飛んだシュートという意味で奇跡に近かったとは思うが、ゲーム全体で見てもドイツを戦術面で凌駕していた。

戦術が何もなかった森保監督。個人的には「隠していた」とまでは思わない。しかし、彼はきっと懸命に考えた。圧倒的な差のあるドイツを倒すために何が必要なのか。どこでリスクをかけるか。日本の選手たちの能力を最大限に生かすためには何が必要なのか。

後の証言で、直前に戦術の決定権を選手たちから自分に移したことが明らかになった。森保監督はギリギリまで選手たちの自主性に任せ、敢えて直前になって自分の案をそれに乗せるという離れ業をやってのけたのだろうか。

この4年間にわたるチームマネジメントに於いて、本番から逆算してこれをやっていたのだとしたら、この監督は間違いなく一流である。

選手たちの集団としての構造を深く理解し、見事に操縦した。勿論相手のスカウティングも抜かりなく遂行し、ハンジ・フリックとドイツ代表を間違いなく凌駕したのである。

結果が全ての世界だ。

確かにもう一回やったらドイツが勝つかもしれない。しかし、「もう一回やったら勝つけれどワールドカップでは負けた」チームよりも、「もう一回やったら負けるかもしれないがワールドカップでは勝った」チームの方がずっと誇らしい。森保監督はそれを目指していたのかもしれない。

 

勝因②スタイルの確立

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出典:【W杯】「アジアの中では抜け出した」 森保ジャパン、ドイツ&スペイン撃破の快進撃が中国でも反響「実に羨ましい」 | フットボールゾーン - (2)

 

スペイン戦も構図はほぼ同じである。明らかに後半に賭けていた。

開幕前に、多くの識者はスペインは極めて戦術的だが、自分たちのスタイルへの拘りも強いと言っていた。それは即ちゴールへの道筋がある程度明白だという点だ。

スペインは個も強い。世界最高クラスだ。しかし、世界有数クラスのサイドアタッカーとストライカーは不在。

なのでインテリオール(セントラルミッドフィールダー)の2人(この試合ではペドリとガビ)がしつこく2人のセンターバックの間のスペースを突いてくる。ここを突いて崩すのが彼らのアイデンティティなのだ。

欧州予選でも4バックシステムのチームは須らくそのスペースをやられている。彼らを止めるにはセンターバックを3枚起用し当該スペースをケアするのは必須なのである。

日本はドイツ戦で3バック(5バック)という刀を抜いた。元々ずっとやっていた4バックを使ってきたら危ないなと思っていたが、自分たちのスタイルがこれ(5バック)という自覚がドイツ戦で芽生えたのだろう。

結局それがハマった。

おまけに世界最高のピボーテ(守備的MF)であるセルヒオ・ブスケツへのパスコースを前田(浅野)が徹底的に見張り、試合から締め出すことにも成功。インテリオールとしてゴール前で仕事をするはずのペドリをバックライン付近まで追いやったのである。

スペインは攻め手を封じられ、従来のパスサッカーを繰り出すことが出来なくなった。

話は少し遡るがコスタリカ戦を凡戦だとか慢心が祟ったという論調が多いようである。しかし、後付けのように聞こえるかもしれないが、コスタリカ戦を見た私は「スペイン戦も行けるかも」と思っていた。

まず、大幅なターンオーバーが非難されたがこれはお門違い。そもそもコスタリカ戦で先発した選手達もまた主力であり、ドイツ戦の先発メンバーと比較して戦力を落としたという事は全くないのである。元々あまり控えと先発の差がないチームであり、森保監督も「メンバーを落としても勝てる」という戦略をとったつもりは毛頭なかっただろう。

そして、コスタリカ戦のトピックは「やり方を変えなかった」という点にある。もしもドイツよりも数段地力に劣り、ボールを握ろうと思えば握れたコスタリカ戦で日本がアジア予選の時のようなサッカーに立ち戻っていたならば失望していたかも知れない。

日本はドイツ戦で掴んだ手応えをそのままに、コスタリカ戦でも「新しいスタイル」を実践しようとしていた。色々な要素が邪魔をしてうまくいかなかったが、それが逆説的に光明となって映っていたのだ。「日本はこのスタイルの完成形を模索している。」そう思った。

 

勝因③選手-1

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出典:堂安 スペイン戦の一撃120km超|au Webポータルスポーツニュース

 

個人的にポイントになったと思う選手は何人かいる。

まずは堂安だが、彼の2ゴールはいずれも「執念」と形容できそうなものである。失礼を承知で述べるが、堂安の魅力は三苫のようなキレでも富安のようなインテリジェンスの高さでもない。彼は「メンタルお化け」だ。

分かりやすい武器は少ないが、かつての本田圭佑のような底知れないものを感じる。そして、そういった選手がこういう大舞台で結果を残すものなのだろう。2ゴールはいずれも彼がこれまで代表では見せたことのないゴラッソだった。特にスペイン戦でみせたウナイ・シモンのグローブを弾いてネットを揺らしたシュートは、どう見てもコースが空いたわけではなく、キーパーも読みやすいコースだった。その間隙を抜いたあのシュートスピードと迫力は感嘆の他に何もないほどだ。ワールドクラスの一本だった。時に戦術を加速させたり、ぶち壊す「個」が垣間見れた瞬間だった。

スペイン戦で左サイドのバルセロナコンビにほぼ何もさせなかった冨安のプレーはワールドクラスそのものだった。出場時間は短かったがやはり冨安は「何故日本にこんな天才が現れたのか」と言いたくなるほどの選手である。細かなディフェンス技術やインテンシティ、そして戦術理解度の高さなどは世界中のどんなビッグクラブでも欲しがるほどのレベルである。日本の未来の為にも、彼の成長経緯は大いに検証するべきだ。

三苫の凄さも言うまでもない。戦術を打ち破る個を日本で持っているのは彼だけだった。「抜く」ことよりも、三苫がドリブルで構えると相手が2人いても動けない(相手がワールドクラスの選手であっても!)という場面が散見された。これは一流のドリブラーの証である。今まで日本にこんなクラスのドリブラーはいなかった。

板倉の存在も見逃せない。体の強さがピックアップされがちだが、彼は最終ラインからパスを出せるモダンなスタイルにこそ真骨頂がある。今後ビッグクラブでの活躍が十分に見込めるだろう。板倉のプレーを見ていると、まるでフランス人かイングランド人等の一流センターバックなのではないかと錯覚してしまうほどだ。

皆挙げているときりがないが、ほぼ須らく自らの力を発揮できたと思う。中には鎌田が輝けなかったという意見もあると思うが、彼は戦術の中で結果的に黒子に徹せざるを得なかった。あそこに鎌田がいなければ結果はまた違っていたかも知れない。欧州で一流選手に上り詰めようとしている鎌田の評価がこの大会で低下することは全くもってないと断言したい。

 

勝因④選手-2

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出典:堂安先発 Twitter: Most Popular Tweets Worldwide

 

一昔前、日本にとって欧州は遠かった。本気の欧州の代表チームと対戦できる機会は微々たるもので、欧州のクラブでプレーしている選手も少なかった。

Jリーグと何が違うのか?

それは何もかもが違う。

サッカーの中心は今も昔も圧倒的に欧州なのである。如何なるトレンドも先進性も答えは未だ欧州にある。

戦術、チーム構造の理解度、インテンシティの高さ・・・日本はワールドカップ本番でそれらにほぼ初めて対面し、そして慣れていたころには試合は終盤・・・そんな時代もあった。

しかし、現在は全く違う。圧倒的に違う。現在欧州でプレーする日本人選手は優に100人を超えているのである。今回の代表でも19人の選手が欧州でプレーしており、ほぼ全員が経験者でもある。

その中でも冨安は世界最高峰のイングランド・プレミアリーグのアーセナルでレギュラー格を張っている。アーセナルは今期リーグで首位に立っているクラブだ。

鎌田は昨季所属するアイントラハト・フランクフルトでEL(ヨーロッパリーグ)優勝の快挙を成し遂げた。しかも鎌田はチームの主力中の主力選手である。

遠藤航はドイツ・ブンデスリーガで年間デュエル1位を獲得。ブンデスリーガの中でも最早それなりに名が通っているMFである。

メガクラブでレギュラークラスに食い込む選手まではなかなかいないにしても、日々欧州トップクラスと凌ぎを削るのが日常である彼らは、ワールドカップで欧州の一流選手を目の当たりにして尻込みしてしまうと言ったことはまずないと言って良い。

そこまで、日本代表が来ているのは間違いない。

Jリーグを軽視しているとかいう話ではなく、こういった観点から見ると圧倒的に先述の通りにリーグレベルでは世界との差は大きいのである。

 

勝因⑤日程やコンディションは左程関係ない

Twitterでこのようなコメントを見た。

「今回の日本代表の躍進は他国のコンディション不良や開催時期の関係(各国リーグ戦中断直後)の影響が大きい。」

これは全くお門違いである。

何故ならそれは日本代表も同条件での参戦だったからだ。

Jリーグは終了していた?否。

日本代表の選手たちの2/3は欧州リーグでプレーしている。だからその理屈は通らない。

それどころか各国リーグ中断期間の開催という部分では、逆にコンディションを保ったままワールドカップに突入したという見方さえできそうだ。

しかも、今大会のレギュレーションは交代選手の枠が大幅に改変され増加している。強豪国程選手層は厚く、普通に考えれば有利に働く要素のはずだ。

 

ベスト16で散る

出典:東スポWEB

 

予選を一位で突破した日本代表は、周知のとおりラウンド16でクロアチア代表に屈した。PK戦の末の壮絶な試合だった。

ただ、敗因も論理的に考えたい。

ドイツ戦、スペイン戦と比較して違った部分は何だったのか。

 

敗因① 久保建英の不在

予選で精魂尽き果てたのか、それとも他の要因があったのか、久保は体調不良でクロアチア戦を欠場した。確かに予選での久保の使い方は本来の彼の良さを存分に発揮させるものとは言い難かったが、鎌田と共に2列目でハードワークし大いにチームを助けていた。久保と鎌田の献身があったからこそ後半に堂安や三苫をジョーカー的に起用でき、彼らの爆発的なエネルギーに賭けることが出来たのだ。

久保の不在により、切ることのできるカードを一枚失った日本は、後半の追い上げの機会を逸したのかもしれない。

 

敗因② 闘い方のブレ

ドイツ、スペインに対するやり方はかなり明確だった。前半我慢し、後半にハイプレスで襲い掛かりカオス(混乱)を生み出す。そしてその中に活路を見出す。

クロアチアはチーム力、タレント共に日本より明らかな格上というほどではなかった(格上には違いないが)。その辺りの要素も手伝ってコンセプトの明確さが薄れてしまったように思う。

また、ラウンド16は日本にとって鬼門中の鬼門。予選とはまた様々な要素が違う。守りに入る気持ちはわかるがどうしても2点目を取りに行く積極的な気持ちに切り替えることが出来なかったのだろう。その辺りは森保監督の采配次第だったのかもしれない。

 

敗因③PKのレベル

勝負はPK戦にもつれ込んだわけだが、PKは運ではない。全くない。

情報戦、駆け引き、メンタル・・・構成している要素は実に多い。

細かいところまでは述べないが、明らかに準備が足りなかった。クロアチアに一日の長があったことは結果が物語っている。仕様がないという気もするが、そこまで手が回る余力がなかったとも言えよう。つまりは「そこから先」について準備できている国がノックアウトラウンドを勝ち上がっていけるのである。

 

森保JAPANに贈りたい言葉

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出典:森保ジャパン帰国 ファン約650人お出迎え「ブラボー!」の声も― スポニチ Sponichi Annex サッカー

 

間違いなく奇跡を見せてもらった。予選突破の事実は、ドイツ・スペインに勝ったことは、間違いない奇跡である。

私達が日常であり得ないような奇跡を目撃することは極々少ない。そういうことは滅多にない。

しかし、森保JAPANに、まるで歩いて出社する時に火の鳥とばったり出くわすくらいのとんでもない奇跡を拝ませてもらったのである。

 

スペインに勝った時、この胸は自分でも信じられないくらい高鳴った。

後半開始直後から、チーム全体がまるで一つの生き物のようにスペインに襲い掛かり、個人的に最強に近いレベルだと思っていた相手は狼狽し崩壊した。

まさか森保JAPANがあんなプレーをするとは夢にも思っていなかった。

そこには日本代表の歴史上、間違いなく最も恐ろしいチームがいた。あのプレスバック、明確な戦術的布陣と隙のない守備・・・まさしく夢にまでみた、組織的且つ強く激しい日本代表だった。

スペイン代表の監督であるルイス・エンリケの悔しそうな表情は一生忘れられないかもしれない。ルイス・エンリケは間違いなく世界的な名将である。

いや、ルイス・エンリケだという問題ではなく、日本代表と対峙した監督のあんな顔は、初めて見た。

日本は間違いなく、戦術面でドイツとスペインを凌駕したのである。つまりは、ある意味必然の結果だった。

 

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出典:W杯決勝トーナメント1回戦…:サッカー日本代表・森保ジャパン全試合 写真特集:時事ドットコム

 

初めて日本代表に触れてから30年位経つが、クロアチアに負けた時初めて頬を涙が伝った。悔しかった。期待していたから。

ドイツ・スペインを崩壊させた、あの両試合の後半のクオリティが見せられれば、ベスト8は全く以て現実的なものだったと言って過言ではない。

勿論、日本のサッカーが世界のトップレベルに上り詰めたのいうわけではないと思う。そこは興奮に任せて勘違いしてはいけない部分である。

ポイントはやはり「再現性の高さ」だろう。

まずはこのワールドカップの検証をきちんとし、振り返り、今後の方向性やコンセプトの確立に尽力するべきだ。そうして、論理的に今回起こっていた現象を分析することで今後再現性の高いものへと昇華していく。

その確立にはまだまだ時間もかかるしやるべきことも多い。不安の方が多いのは確かだ。

 

・・・しかし、やっぱり期待してしまう。

 

出典:DAZNニュース

 

私はずっと、森保監督を批判してきた。大嫌いだった。戦術がなく、利権の蔓延るサッカー協会の言いなりのような気もして、勉強も足りないと思っていた。構造を理解していないし、分析や検証も絶望的に不足している。そんな風に思っていたのだ。

しかし、結果が全てだ。私達は彼に見せてもらった。その矜持を。

しかし、これで万事OK!というわけではない。

「感動をありがとう」とは言わない。

そんな月並みの言葉ではなく、これからも期待し続けることを以て謝辞としたい。

私はサッカーフリークであり、日本代表の長年の大ファンだ。だからこそを上辺をなぞるような気持ちで観たくないし、簡単に全肯定もしたくない。

サッカーとはエモーショナルなものでありながら、その実は奥深く、複雑で科学的な競技なのだ。

 

・・・

いや、やっぱ、いうわ。我慢してたけど。

「本当にありがとう。すみませんでした、悪口ばっか言って!」

最高に面白かった。森保JAPAN、ブラボー!

 

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