憧れのyuhaku(ユハク)
「yuhaku(ユハク)」という名の、日本のレザー小物ブランドをご存じだろうか?
数年前に雑誌Begin(ビギン)で採り上げられてていたのを見て、必ずそのうち手に入れたいと強く思ったのがこのブランドである。
一風変わっていながらも極めて強い芯が通った矜持を感じ、私の心は見事に掴まれたのである。「ああ、このブランドは強く、美しい。そして、如何にも日本のモノ作りの確かさが強く伝わってくる」。そう感じずにはいられなかった。
今回はそんな「yuhaku(ユハク)」の紹介と、購入した長財布「a Light」のレビューをお伝えしたいと思う。
yuhaku(ユハク)とは
概要・コンセプト
出典:yuhaku(ユハク)公式HP
yuhaku(ユハク)は2009年からスタートした日本のレザー小物ブランド。
世界中を見渡せば、レザー小物ブランドは数知れぬほど存在しているが、特にこのyuhaku(ユハク)が独特なのは、染色を基調に、色に拘った製品をリリースする点である。
yuhaku(ユハク)の革染色に際する拘りは尋常ならざるものがあり、あたかも絵を描くように複数の色を手作業で重ねる技術(ベントゥーラ技法)は唯一無二だと言っても過言ではない。
革一枚一枚と真摯に向き合い、丹念に染め、磨き上げる。そうすることで革本来の表情は活かしながらも、鮮やかな色彩の染色レザーへと成型されていく。
素材と色の掛け合いを考慮しながら、何度も何度も試作を重ねる。関わるものすべてが納得できるまで、デザイナーの感性に微塵のズレもなく沿うまで、何度も、何度でも。
yuhaku(ユハク)はそれを「不完全な完全」と言う。
デジタル化の進む現代において、人の感性こそがかけがえのない存在であり、唯一無二の、自らの内側からしか湧いてこないイメージに沿った作品に成型されていくのである。
御託ではなく、このような文言は、一目瞭然という四文字熟語よろしく、yuhaku(ユハク)のアイテムを見れば「ああ、なるほど」と一発で納得が出来てしまうことは瞭然なのだ。
創業者・仲垣友博氏
出典:yuhaku(ユハク)公式HP
創業者の仲垣友博氏は元々建築を専攻していたそうだ。それと並行し、雅号「ユウハク」にて絵画を中心としたアート活動をスタート。
その後、シューズブランドに勤務しデザインを担当した後、革小物の世界へ誘われる。
転機はその後2006年。オーダーメイドの革小物製作アトリエを開設し、革製品製作と並行して革染色の研究に没頭する。
出典:yuhaku(ユハク)公式HP
ここで建築の基礎(機能美)×革小物製作技術×染色の要素が乗じられ、現在のyuhaku(ユハク)の地盤が出来上がったと言えよう。
仲垣氏のキャリアを紐解くことでyuhaku(ユハク)と言うブランドの骨頂が透けて見えるように思える。
因みに「yuhaku(ユハク)」は仲垣氏の名前「友博」を音読みした「ユウハク」から来ている。
拘り
出典:yuhaku(ユハク)公式HP
yuhaku(ユハク)の拘りは各所において凄まじい領域に達していると言っても過言ではない。徹底した品質管理の様は、オーダーメイド、若しくは世界有数のラグジュアリーブランドのそれと比較しても決して見劣りしないレベルのようだ。
出典:yuhaku(ユハク)公式HP
先述したようにyuhaku(ユハク)の染色技術は世界中を見渡しても稀有な領域のもので、それを達成するには極めてアーティスティックな感性とそれを活かせる飽くなき技術、そして深淵な経験則等のどの要素も不可欠なものになっている。
1モデルに対し、少なくとも4色、多いものだと8色の染料を使用し、さらに使用していく過程の色落ちや擦れ、エイジングの様なども彼らの計算には当然の如く含まれている。
染料への拘りも半端ではなく、激選した物を各メーカーから取り寄せ、それをそのまま使用するだけではなく、時には独自のレシピで調合し革の質やタイプ、若しくはアイテムの属性によって使い分けている。そうなると先述した4~8色の染料は倍々になっていき、すべてのラインナップで30色以上を使用することになっていくのである。
気の遠くなるような話だが、仲垣氏はそれを当たり前のことのようにさらっと述べるらしい。
出典:yuhaku(ユハク)公式HP
さて、「染め」の次は「磨き」である。yuhaku(ユハク)の染色レザーは、そのグラデーションの様(さま)が真骨頂なのだが、それはこの「磨き」の工程如何で左右されていく要素である。この「磨き」には極めて膨大な時間を割くのだが、アルコール系染料を使用するyuhaku(ユハク)のアイテムにとってはそこで失われがちな油分を補いながらグレージングしていく「磨き」の時間こそが最も重要な要素だと言えるのである。
イタリア製のクリームと英国製の撥水クリームをじっくりじっくりと革に浸透させながら、yuhaku(ユハク)の「磨き」は粛々と、そして丹念に、じっくりと施行されていく。
yuhaku(ユハク)「a Light」購入レビュー
概要
先日、念願のyuhaku(ユハク)製品を購入した。
購入したのはロングジップウォレット「a Light」、カラーはパープル。
「一筋の光」と言う名を持つこの長財布は、暗闇の中から生まれてくる情景を表現しており、yuhaku(ユハク)の代名詞手染めグラデーションとブラックの型押し牛革のコンビデザインになっているモダンな佇まいのアイテムだ。
yuhaku(ユハク)が初体験になるということもあり、全面に手染めグラデーションが施してあるモデルの前に、初手としてこのコンビデザインの「a Light」という選択肢をとった。
型押し牛革のボディに控え目な面積の手染めレザーが配してあるこの財布は、「ベーシックながらもほんのりとした個性がある」アイテムを好む私にとって、ど真ん中を撃ち抜かれそうな威力を持っていたのである。
実際に商品説明を読んでみると、「色物を所有するのに抵抗のある方でも持ちやすい」という旨が記されていた。元来男性にとっては往々にして色物の小物はなかなか難易度が高いものだが、このyuhaku(ユハク)のa Lightなら存分に愉しむことが出来るのではないだろうか。
一筋の光
画像では伝わりにくいかもしれないが、この「a Light」の肝であるカラー部分の色彩は、全くもって美しい。グラデーション具合が分かりづらいのが悔やまれるところだが、如何にもではなく、光の当たり具合によってほんのりと深い濃淡が浮き出てくる。ロケーションやシチュエーションによって多彩な表情を楽しむことが出来、つい何でもないときでも鞄から出して眺めてしまうほどだ。
さらに、これが使い込んでいくとどんな風に変容していくのか今から楽しみでならないほどである。長い期間使用し、エイジングを楽しんで行くことは最早自分の中で決定事項になっている。
イタリア産ベビーカーフレザーが使用されており、質感も上々。ステッチの美しさも抜かりなく、上質な物を持つ楽しさを存分に味わうことが出来る。
内側にも淵部分にパープルの差し色が。
まさに「一筋の光」。決して主張しすぎることのない、奥ゆかしい一抹の光彩が否応なく表現されている。
型押し牛革
手染め革以外のボディと内側は型押し革で成形されている。上品で艶があり、程よい厚みも手伝って極めて高級感が感じられる素材である。
見た目のインパクトは控え目で、これはこのアイテムのコンセプトの内「暗闇」を表現しているからであろうと感じている。あくまでも控えめに。しっとりとした大人っぽさを感じさせられる部分だ。
サイズ感、容量
サイズは横194×縦97×厚さ20(mm)となっている。
一般的な長財布くらいのサイズ感と言ってよく、重さも程よい。
収納は紙幣約50枚、カード12枚の他、チケットや領収証、レシートなどを収納するためのスペースもあり、開き具合も十分すぎるほどのものである。
ユーティリティーは特段文句なく、収納も十分すぎるほどだ。
小銭入れもかなり大きい。後述するが、私は最近ミニ財布を使用していたのだが、やはり収納が多いと便利だという事を再確認している。うむ、やはり結局大は小を兼ねるのだ。
その他
ラウンドジップも高級感のある素材になっており、安っぽさは微塵もない。ただ、若干の固さは感じられ、この辺りは使い込んでいくうちに馴染んでいくのであろうと思っている。
控え目な「yuhaku(ユハク)」のロゴ。ただただ主張すればよいわけではないということを、当たり前だがよく踏まえているディテールだ。詫びさびは日本人がいつまでも大切にするべき素晴らしい感覚の一つである。
付属カードの説明書き。勿論日本製だ。
「一点ものとして末永くご愛用ください」等と記されると、「10年使おうか」といった気持ちになってしまう。昨今の大量消費社会において忘れてはならない訓示だ。
因みに私はエコレザー若しくはヴィーガンレザー潮流のアンチではまったくないが、「サステナブル」の意味の取り違えや思い違いに関しては甚だ嫌気がさしている。
yuhaku(ユハク)は本革を使用しているが、10年、20年使えば、それは即ちサステナブルになるのではないだろうかと思うが、どうだろう?
例えば少なくともヴィーガンレザーを1~2年でサイクルしていくよりも。
まとめ「yuhaku(ユハク)が表現する日本らしさ」
只ならぬ拘りを以て「不完全な完全」を作り続ける「yuhaku(ユハク)」は、繰り返しになるが、星の数ほど存在している革小物ブランドの中でも一際異彩を放つ存在であると言えよう。
yuhaku(ユハク)の紡ぐ世界観は極めて奥深く、エントリーに相応しいモデルである「a Light」を手にした位ではまだまだ端的にしか堪能できていないのだろうと思う。
出典:yuhaku(ユハク)公式HP
創業者の仲垣氏のキャリアや感性によってその多くを象られているyuhaku(ユハク)だが、やはり根幹には「日本らしさ」を感じすにはいられない。
私は常々、日本の服飾文化はまだまだ欧米に比べると歴史が浅く、例えば「ヴィンテージ」と呼ばれるものは日本から出てくるまでにもう少し時間がかかるのではないかと考えている。今は気鋭のブランド達が続々と頭角を現す道すがらなのであると。
出典:yuhaku(ユハク)公式HP
もう少し時が経ち、日本のクラフトマンシップが今以上に世界に認められていくであろう中で、どうせなら「日本らしい情緒を持ったブランド」がそうなってくれれば個人的には嬉しい。yuhaku(ユハク)の持つ奥ゆかしさ、繊細さ、飽くなき拘りはまさに日本人独特の感性から生まれてくるものであり、「らしさ」で溢れかえっている。美しく、奥深く、そしてどこか儚げ。アメリカにも欧州にもない、日本ならではの佇まいがここにあるような気がしてならないのである。
最後に・・・
過去記事で、キャッシュレス時代に乗りミニ財布へ舵を切ったことをお伝えしていたのだが、今回yuhaku(ユハク)の長財布を購入している件について。
確かに自身のライフスタイル上ミニ財布でことは足りており、レビューの通りブリーフィングのコインパースは使い勝手抜群であった。
しかし、たまたまyuhaku(ユハク)の長財布に出会ってしまった。他意はない。ただただ、それだけなのである。
日常生活上の「長財布」と言う意味合いのみならず、一つの作品としてyuhaku(ユハク)のロングジップウォレット「a Light」に惚れ込んだということなのだ。
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