ニューバランスについて、前編ではブランドと数多あるモデルの概要について述べました。後編では所有しているスニーカーのレビューをお送り致します。
2足の1000番台を所有
私が所有しているニューバランスは2足。M1400NVとM1500WWNです。ナンバリングの後ろのアルファベットはカラーリングを示しており、M1400NVのNVはネイビー、M1500WWNのWWNはホワイト×ホワイト×ネイビーになります。頭のMはメンズの意味。レディースはW(ウィメンズ)が付きます。MやWはアメリカ製とイングランド製で、MLなどのアルファベット2文字になると東南アジアや中国製となります。ややこしいですね(笑)大体の把握でいいと思います。これからまた変わっていくかもしれませんしね。
前回述べたように、ニューバランスの1000番台は同ブランドの中でも製作時点での最高のテクノロジーを搭載したフラッグシップモデルであり、「これがニューバランス」だというプライドが詰まったモデルになります。凝り性である私は、ニューバランスを持つにあたり、(990シリーズとは迷いましたが)必ず1000番台でなければという考えでした。それでは各々についてレビューしていきます。
ニューバランスM1400レビュー
①意外とロマンのあるM1400
前回、1000番台で最初のモデルはラルフ・ローレン氏も愛した「スニーカー界のロールスロイス」1300だと述べました。
「なんだよ、YM。そんなに言うなら何故1300持ってないの?」
そうなんです。1300は「ニューバランス・オブ・ニューバランス」!最近は990シリーズ(991や992なども)の人気に押され気味な感もありますが、やはり1300はされど1300なのです。
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では1400は?というと、1300の後継として発売されるはずだったのですが、「とにかく最高のものを!」「1300を超えるものを!」等と考えているうちに(これは私の想像です(笑))ハードルが上がってしまい、制作側のキャパシティを超えるスペックになってしまいます。当時の技術力ではそれを量産することが困難なうえ、サンプルで上がったものはどう頑張っても40,000円を超えてしまうものだったそうです。それで1500の方が先にリリースされてしまうことに。その後ようやく1994年に晴れてローンチされたのです。1400と1500だから、勿論1400の方が先に出たものと思われがちですが逆という、結構面白いエピソードを持っているのです。こういったところもウンチク好きの私の心をつかんだ一因ではあります。
②M1400はメイドインUSA
前編でも述べましたが、ニューバランスには大きく分けて2種類のモデルがあります。その境界線は価格帯が大体20,000円位なのですが、その違いは東南アジアか中国等のアジア製か、USA若しくはUK(イングランド)製かという事です。
M1400は全てアメリカ製で、職人がハンドメイドで製作しています。服や靴好きならばUSメイドはほぼほぼ皆大好物。中国製が悪いとは言いませんが、ロマンがあるし、原点でもある。そしてハンドメイドならではの味があるのです。
余談ですが、中国製品の技術は近年非常に上がっています。仕事でディスポーザブルグローブを納入する際、最近中国の工場で賃上げに関するストライキが起きたらしく、生産国が中国からインドネシアに変わると業者から報告を受けました。価格は据え置き。インドネシア製に変わってから明らかにグローブの質は落ちました。材質などの問題ではなく、技術の問題であるとすぐわかりました。中国の工場の技術力は上がっているのだなと思ったものです。
閑話休題。
気持ちの面でもUSメイドのニューバランスを履いていると思うと上がりますし(これが重要!)、実際に非常に味のある表情を見せ、履きこむほどに出てくる味は自分だけの一足であるという満足感をプラスしてくれます。
③フォルム
M1400のフォルムはかなりほっそりしています。M1300と比較してもスマートで、ここがコーディネートしやすい所以。前編で述べたように、元々ランニングシューズが苦手だった私ですが、M1400のこの細身のシルエットが気に入って購入したわけです。
M1400は、普段革靴や細身のシューズ等を好む人たちに好まれる傾向があるモデルで、キレイ目なコーディネートにも自然と馴染む雰囲気を持っています。
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996も細身のモデルとして有名ですが、M1400は1000番台では唯一スマートな外見を持っているモデルなのです。
④味のあるスエードアッパー
アッパーの素材はスエードレザー。画像でも綺麗な様が見て取れると思いますが、1年に2~3回程(不精な私が珍しく)メンテナンスしています。
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このファマコ・スエードカラーダイムリキッドを使用し、丹念にスエード部にカラーと栄養分を補充します。色が褪せても、このメンテナンスを施せばいつまでも綺麗な発色を保つことができます。このダイムリキッドはスエード製品全般に使えます。非常にいい発色が出るおすすめのアイテムですよ。
ヒール部等は劣化していますが、アッパーは今でも綺麗。とてもとても大事にしているシューズです。
⑤履き心地、歩き心地
前述したように、90年代当時の技術力では量販が困難だったというテクノロジーが詰め込まれているこのモデル。M1300のミッドソールにも搭載されていたENCAP(エンキャップ)に加えて、C-CAP(シーキャップ)というEVA素材を圧縮成形しさらに持続力を向上させたテクノロジーを上乗せしています。ENCAP(エンキャップ)とC-CAP(シーキャップ)を相乗させることで、M1300よりも更に安定感は増し、クッション性も向上しました。
アウトソールもM1300よりも接地面積が広い作りになっており、安定性に磨きがかかっています。
インソールですが、実はボロボロになってしまい一度交換しています。勿論ニューバランス純正のもの。
元々相当クオリティの高いインソールが入っていたこともあり、交換直後は正直履き心地が硬くなり、失敗したかなと思っていたのですが、馴染んでくるとまたM1400の何とも言えない安定感のあるインプレッションが蘇りました。ニューバランスの交換用インソールもまた、素晴らしい!
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交換用インソールはニューバランスの誇るショックアブソーバーであるABZORBとTPUスタビライザーが搭載されています。もしかしたら、他のメーカーのシューズの中敷きだけこれに変えればニューバランスに近い履き心地になりはしないだろうかとも思えるほど素晴らしい。
⑥着用イメージ、サイズ感
ご覧のように、非常に格好良い(自分で言う?(笑))。ウールのテーパードパンツと合わせていますが、オールシーズン、オールスタイル。万能なシューズです。スエードアッパーは雰囲気抜群で、結構な数を収納してある私のシューズクローゼット内のアイテムの中でも屈指のお気に入りです。
サイズ感ですが、スポーツ用で使用する訳ではないならば普段のジャストでいいと思います。普段レザーシューズは26~26.5、スニーカー類は27~27.5くらいの私は27センチを選択しています。ばっちりジャストです。
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大まかに言ってグレーが人気の高いニューバランスですが、このM1400に限ってはNV(ネイビー)が人気の様子。
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もしももう一足購入するならばBK(ブラック)かなと思います。雰囲気が抜群に良い。
ニューバランスM1500レビュー
①実はハイテクスニーカーブームの草分け的存在
M1500が登場したのは1989年。前述したように、実はM1400の前にリリースされています。M1300というパイオニア的存在のニューバランスの後継的位置づけではなく、「新しいフラッグシップモデル」という趣きを持っています。
M1300も、先に開発が進んでいたM1400も、それ以前のモデルたちも見るからにクラシック顔ですが、M1500は(今みると)半分くらいハイテクスニーカーの分野に頭を突っ込んだような雰囲気を醸していますね。
90年代と言えば、ナイキ・エアマックスを筆頭に空前絶後のハイテクスニーカーブームが到来する訳ですが、89年という、その時代がやってくる少し前にリリースされたM1500はある意味ハイテクスニーカーの草分け的存在と言えます。どこか、そのあとに出てくる他ブランドのハイテクスニーカーの趣きを感じさせる仄かな装飾性の高さと搭載されているテクノロジー性の高さ。もしかしたら、ハイテクスニーカーブームのファーストランナーはナイキではなくニューバランスだったのかもしれません。
②ハイテクな要素が散りばめられている作り
何といっても、それまでなかった一体型ソールは大きな反響を呼びました。M1400と比較しても分かるように、比較にならないほど分厚いミッドソールを誇ります。ヒールカウンターとソールユニットは一体化していて、M1300やM1400にも搭載されていENCAP(エンキャップ)と、前述した交換用インソールにも搭載されているTPUスタビライザーも内蔵されています。これだけのものがソールユニットに内蔵されていればやはりそれなりに分厚いルックスになるもの。それまでのモデルとは一線を画する存在だといえるでしょう。
③M1500はメイドインイングランド
シュータンには製造国が記されています。M1400と違い、刺繍でニューバランスの表記と「メイドインイングランド」の文字が。これがかなり格好いい。
因みに1500には廉価版が存在し、MD1500、MH1500等は東南アジア製になります。ルックスもやや変わってきます。
④フォルム
分厚めのミッドソールに騙されがちですが、実はラストは細めです。上から見るとよくわかるのですが、非常にほっそりしています。横から見るとぽってりしていて、上から見ると細い。これがM1500のフォルム。ニューバランスのシューズの中でも当時は異色の存在だったことでしょう。この傾向は後続モデルである1600や1700にも受け継がれていきます。分厚いミッドドールでラストもぽってりしているとかなり野暮ったくなってしまうかもしれません。きちんと計算されているのだろうと思います。
⑤「シンプル」ではない
シンプルイズベストとでもいうべき程デザインが何も入っていないM1300やM1400と違い、M1500のアッパーは装飾性のある作りです。素材は900番台のモデルなどにもみられるようなナイロンメッシュ×レザー×スエード(ネイビーのライニングのみ)で、表情が非常に豊か。オールスエードのM1400と比べるとややカジュアルな趣きだと思います。「N」ロゴは小さくなり若干スポーティーな雰囲気。よく見るとパッチではなく刺繍で表現してあります。いい意味で「シンプルさ」から脱却したモデルがM1500と言えるでしょう。
⑥履き心地、歩き心地、そして耐久性
正直に書きます。「履き心地、歩き心地」に関しては、好みもあるかもしれませんがM1400に軍配が上がるかと思います。
M1400の安定感と柔らかさに比べ、特にヒールの硬さはかなり異なるもの。軽さとグリップ力はM1500の方が上かと思いますが。ただし、M1500に関してはまだまだ履きこみが足りないのでこれからこのレビューは変わってくる可能性はあります。
しかし、このM1500、特筆すべきはその耐久性の高さです。とにかく汚れにくい、傷つきにくい、ヘタレない。丈夫なのです。見ての通り、新品同様に綺麗なのですが、全然履いていないというわけではなく、まずまず使っているのですが・・・全くヘタレません。そして何故か汚れにくい。これは理由はよくわかりませんが素晴らしいと思います。
⑦着用イメージ、サイズ感
ホワイト×ネイビーの明るめのカラーリングですが、意外に馴染みやすいから不思議。実は白スニーカーはコーデが意外と難しかったりしますが、やはり名作。雰囲気やバックボーンが深いことが、どんなイメージに対しても汎用性を高めてくれているのかもしれません。
白シャツで色を拾うのが好きです。ネイビーのトップスでも合います。
サイズ感は、M1400と同じく普段のスニーカー履きと同じサイズでいいかと思います。ただ、M1400よりもややフィット感が強く、細身なので、ゆったり履きたい場合は0.5㎝大きめでもいいかもしれません。その場合は運動用としては快適に使用はできないかもしれません。
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所有しているM1500WWNはアニバーサリーモデル。数年後に価値が上がるかな・・・。
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同じくアニバーサリーモデルのGN(グレーネイビー)も人気モデルです。こちらもシックな雰囲気で合わせやすいでしょう。
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オールレザーモデルもあります。雰囲気がガラッと変わりますね。格好良いです。
まとめ
ナイキ、アディダス、プーマ・・・数々の名作を送り出してきたスニーカーブランド達。しかし、ニューバランスはやはり一味違う趣きを持っています。最近は変わってきたにしても、やはりシューズ専業の特徴の強さや探求性の高さがそうさせているのかもしれませんし、どこかに古き良きアメリカの匂いが漂っているのかもしれません(メイドインUKのフラッグシップモデルもありますが)。
最近はフラッグシップ級のモデルの新作は990のみに絞られている感が強いのですが、新たな1000番台もリリースしてほしいという思いはあります。1000番台は1500の後継である1700で終了しています。これから伝統の1000番台はどうなっていくのでしょう。
CTシリーズのようなコート系、327のようなデカNロゴも素晴らしいですが、私はずっと待ち望んでいます。
おまけ(今日のネコ)
どんどん集ってくるネコ達(笑)
なんか文句ある?・・・そう言っているような・・・(笑)
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今後ともよろしくお願いいたします。