パタゴニアの真骨頂とは
今回、再び「Patagonia(パタゴニア)」のアイテムをご紹介するのですが、パタゴニアというブランドは実に様々なことを考えさせられる存在です。
過去記事でもご紹介しましたが、パタゴニアは実に強いメッセージ性をもったブランドです。
昨今世間ではSDGsだとかサステナビリティという概念がいよいよ一般化してきていますが、パタゴニアはそんな風潮の波が押し寄せてくるずっとずっと前から環境問題に強い関与を示してきました。
出典:https://newsphere.jp/world-report/20170830-3/
時には少々過激な程の様相を呈する事もありますが、そういった確固たるパタゴニアの企業理念は世界中の多くの人々が認識するほどのもので、そのようなアパレル企業はあまり多く存在していません。
デザインや機能性等でも勿論多くの人々を魅了するパタゴニアですが、真骨頂は強固なまでの環境保護の理念なのではないかと思います。
そういった部分を含めて格好良いのだと私は思っています。
パタゴニアの原点
出典:パタゴニア創業者イヴォン・シュイナードによる増補改訂版「新版 社員をサーフィンに行かせよう:パタゴニア経営のすべて」発売 | F.M.J. magazine|エフ・エム・ジェー マガジン
パタゴニア創業者のイヴォン・シュイナード氏については過去記事でも述べましたが、この方は間違いなく強烈なキャラクターの持ち主です。
口癖のひとつが「くそ野郎を落選させろ!」だというシュイナード氏。その時々の、環境問題を軽視する権力者を忌み嫌っていました。先のアメリカ大統領選挙でも販売アイテムのタグ裏に「くそ野郎を落選させろ」というメッセージをプリントして販売し話題になったほど(大統領選とは無関係だとパタゴニア社が声明しましたが真偽の程は定かではありません)。
元々クライミングギアを製造する会社だったパタゴニア。
自身もアルピニストだったシュイナード氏はクライミング時に、2、3年で無垢の岩が傷だらけになっているのを目撃し、それを解消するため岩に打ち込まないギアの開発を行いました。
そして新しいギアのフィールドテストのために世界中を回る中で、深刻な環境汚染を目の当たりにします。この出来事が、パタゴニアが長年の環境保護へ歩み出した第一歩となりました。
そんなシュイナード氏のイデオロギーは揺らぐことなくパタゴニアの社員たちに引き継がれています。
組織というものの意思を統一させることは非常に困難なことだと思いますが、パタゴニア社の統一感はいつも感嘆させられるほどで、凄まじいと思います。
内情の詳細はわかりませんが、少なくとも社員の大部分が会社の理念や創業者のイデオロギーに共感した上で働いているように見えます。
荒唐無稽なサステナブルではない
出典:Sustainable Apparel and Footwear Choices
近年のアパレル業界の環境保護問題はニュースでも大きく採り上げられ、深刻な社会問題になっています。大気汚染や汚水、大量廃棄等々。
そこで付け刃的にサステナブル素材を使用しています等といわれても、果たして根本的な問題解決になっているのだろうかと感じることが良くありますし、本来の風合いや品質が損なわれているような気もしますが、パタゴニアはいずれにも当てはまりません。
元々世界で初めてオーガニックコットン(農薬を使用せずに栽培したコットン)を使用し、リサイクルフリースも導入したパタゴニアですが、その他にも実際に社員たちがユーザーと共にフィールドワークし様々な取り組みを行っています。
また、サステナブルな素材を使いながらも風合いや品質は全く損なわれていません。天然レザー製品の多くがヴィーガンレザーに移行したりして本来の味わい深さが損なわれていくことが多い中、これは特筆すべき事。
adidasのスタンスミスが本革からプライムグリーン(サステナブル素材の合皮)に移行し、がっかりしている方々も多いでしょうが、パタゴニアに関してはそんな事が全くありません。というよりも、昔から環境保護に寄与した素材を使っていることは変わりないのです。
パタゴニアのサステナブルはよくある荒唐無稽なものでは全く以てないのです。
パタゴニア・P-6ラベル・アップライザルフーディレビュー
そんなパタゴニアの理念が凝縮されていると言っても過言ではないアイテムの一つがこのスウェットプルパーカー「P-6ラベル・アップライザルフーディ」です。
P-6ラベル・アップライザルシリーズでスウェットシャツ等と共に展開されています。
①徹底した環境保護素材を使用
ネック裏に30本のペットボトルと408グラムのコットンの端切れを使用しており、一般的なコットン製品に比べ水の使用量が95%、二酸化炭素の排出が53%削減されているという内容が記されています。
このシリーズのアイテムは同じ手法で製作されており、通常ネームタグの付く部分にて強調されているあたりに、ブランドの矜持が伝わってきます。
品質表示タグでも確認できます。55%が再生ポリエステル、45%が再生コットン、つまり端切れの再利用。
②生地感
さて、実際の生地感ですが、一般的なアメカジ系のスウェットシャツと比較して、非常に滑らかでふわふわしています。
ポリエステル混なのでごわつきが少ないというのは分かりますが、では安っぽいかと言われるとそうではなく、服好きでも悪くないと思えるくらいの風合いがきちんとあります。こういうところがパタゴニアの凄いところ。
厚みも丁度良く、薄すぎて体型を拾い過ぎることはなく厚すぎて重いという事もないでしょう。
伸縮性もポリエステル混なだけあって適度にあり、ストレスを感じることなくデイリーに着回せます。
再生素材らしく、着込んでいくとポツポツとピリングのようなものが浮き出てきますが、それもまた味があって良いかと思います。
③各所ディテール
前面ポケットはアメカジ由来のカンガルーポケット。この辺は安心感があります。
マフポケットとも呼ばれるこのポケット形状は、左右が繋がっており、物を入れるのには適していません。万が一スマホを入れようものなら逆側から飛び出してしまい、非常に悲しい顛末を迎えてしまいます・・・。あくまでハンドウォーマー用。
裾と袖はリブがありますが全く締め付けがなく非常にソフトな作りになっています。リブがきちんとあるものも格好良いですがこの方が一般的にはシルエットは綺麗になります。
袖に関しては捲る時にはきちんと留まるようにはなっています。
フードも程よいシルエット。決して「綺麗に、スタイリッシュに」といった要素を前面に押し出したアイテムではないし、アルペンスペックなものというわけでもないのでデイリーに使えるよう、尖った雰囲気は出ていません。いい意味でノーマルだと言えます。
④裏地
裏地はご覧の通り。肌触りの良い起毛素材で、非常に温かく質感も素晴らしいです。
細かいですが側方は表地と同じものに切り替わっています。これは軽量化とシルエットに寄与する為と思われます。ウーン、細かい。
⑤着用イメージ(コーディネート)
173㎝65㎏の私がLサイズを着用しています。
パタゴニアは海外サイズなので、日本サイズに直すとXL相当という事になります。
私はゆったり着るのが好きなので適合サイズより1~2サイズ上げていますが、そうでない方で同体格の方ならSサイズかMサイズが適格でしょう。
ハバーサックのワイドチノとラッセルモカシンのスポーティングクレーチャッカで合わせています。
スウェットパーカーはリラックスして着用できるアイテムなので、どこかに出掛ける時というよりも日常使い用といった用途になります。
ただ、そんなアイテムにこそ拘るとまた逆に雰囲気を出しやすいのではなかろうかと思ったりもします。敢えて。
また、オトナにはデカくロゴの入ったものよりもワンポイントくらいのさりげない主張の方がいいのではとも思います。
そのままアウターを羽織ればこんな感じ。緩い雰囲気の物の方が合うと思いますが、着こなしに自信のある方はキレイ目なアウターの外しに使うのも良いでしょう。いずれにしても短丈の物よりもある程度以上丈は長いものの方がバランスがよさそうです。
一枚持っておけば非常にユーティリティーに使えるので、ワードローブの一環として非常におすすめです。
また、先述したように環境保護素材を完全に使用しているアイテムなので、そんな矜持を着る度に感じられるという点も違いになり得ますね。
価格:16,489円 |
パタゴニア PATAGONIA パーカー プルオーバーP-6 LABEL UPRISAL HOODY BLk Black 正規品 スウェット 裏起毛 フード付き アウトドア ギフト 母の日 登山 価格:18,200円 |
パタゴニア patagonia パーカー フーディ MS P-6 LABEL UPRISAL HOODY メンズ 全2サイズ 全2色 39621 売れ筋アイテム 価格:12,480円 |
価格:15,900円 |
価格:12,490円 |
輸入品なので価格にバラつきがありますが品質に問題はないかと思います。
価格:13,497円 |
価格:12,980円 |
こちらは同シリーズのスウェットシャツ。こちらもおすすめです。
まとめ
今回はPatagonia(パタゴニア)とP-6ラベル・アップライザルフーディについて述べてきました。
パタゴニアというブランドの背景を知ると、またアイテムの魅力も一段と増すとは思いますが、アイテムそのものだけを見ても非常に優秀でデイリーに着やすいので、十分に検討する価値はあるのではないかと思います。
最近は正直こればかり着ています。楽で着やすく、合わせやすいので(笑)
出典:Patagonia Torquay - Outdoor Clothing Store, Torquay, Victoria
これまで何度も述べてきましたが、私は札付きのインドア派です。しかし、アウトドアブランドは常にチェックし、パタゴニアやザ・ノースフェイス、スノーピーク、アークテリクス等はお気に入りなブランド。
これは、アウトドアブランドのアイテムが非常に使いやすくデザイン性も高いからなのですが、ザ・ノースフェイスに端を発するアーバンアウトドアの潮流を非常に気に入っているからでもあります。
即ち、アウトドアのスペックは日常使いに於いても快適性や機能美を十分に生かすことが可能だという事。これは近年のコロナ禍中のデイリーウェア・ニーズにも適合しているのではないかとも思います。
出典:http://www.goo.ne.jp/green/column/yamahack-948.html
パタゴニアはその中でも特にメッセージ性の強さに特化した、言ってみれば極端なブランドだと言えるでしょう。勿論、いい意味で。
デザイン性や機能性で、例えばザ・ノースフェイスやアークテリクス等より優れているかと言われれば分かりませんが、環境保護・サステナビリティ・背景等の要素ではその中でも頭一つ抜けているのではないかと思います。
「格好良さ」とは見た目だけではなく、ブランド背景や運営上の矜持も含めたものだと定義するならば、パタゴニアは最高に格好良い存在ですね。
※補足
表題や文中で「パーカー」と表記していますが、正しくは「パーカ」です。一般的に「パーカー」が通っているため敢えてそちらの名称を使用しました。
因みに今回ご紹介したアイテムの名称は「フーディ」で、英語圏ではフーディが一般的です。悪しからず。
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