八木通商から伊藤忠へ。Barbour(バブアー)はどうなった
先日お伝えした通り、英国伝統のブランドであるBarbour(バブアー)の独占輸入販売権を伊藤忠商事が取得しました。
これまで国内のマネジメント全般を行っていた八木通商とはどうやら半ば喧嘩別れのようになったBarbour(バブアー)。日本市場でもライフスタイルブランドとしての展開を望む本国との意見の相違が事の真相の様子です。
9月1日付で2022年A/W(秋冬)コレクションが(一部ですが)解禁され、「伊藤忠Barbour(バブアー)」の姿が明らかになりました。
今回はBarbour(バブアー)の日本版ホームページを見ながらその概要について確認していきたいと思います。果たして、今までのブランディングとは変わりライフスタイルブランドへと変貌しているのか?
「伊藤忠Barbour(バブアー)」の全貌
①3ワラントが2ワラントに
ホームページをみて、まず目に飛び込んできたのはタグのワラントの数。ご覧ください。2ワラントになっています。
私のビデイル(2021年モデル)のワラントは3つです。
これはまさしく2021年にエディンバラ公が逝去されたからであり、2022年モデルからは全てのBarbour(バブアー)が2ワラントへと変更になっています。他の、エディンバラ公から授かったワラントを掲げているブランド等も同じくでしょう。
伊藤忠の展開するもののみならず・・・という話ではありますが、これは大きな変更点です。獲得ワラント数で製造期間が明らかになり、価値もそれによって変わることで有名なBarbour(バブアー)。もう3ワラントのものが欲しいのならばネットで昨年までの物を探すしかありませんね。
②モンクレールとのコラボ
出典:【予約商品】Barbour Moncler SL BEDALE|バブアー Barbour 公式オンラインストア
商品一覧を見ると、最初に目を引くのがMONCLER(モンクレール)とコラボしたSLビデイルです。
出典:【予約商品】Barbour Moncler SL BEDALE|バブアー Barbour 公式オンラインストア
アウトドアブランドが出自ながら、今や世界的なラグジュアリーブランドとしての地位を確立しているモンクレール。Barbour(バブアー)のラインナップの中でも特にクラシック且つ定番なジャケットであるビデイルを持ち出し、モンクレールのダウンとドッキングしたモデルが発表されています。
今までのBarbour(バブアー)にはないクラシックとは正反対と言えそうなモダンな雰囲気のジャケットになっており、特に若者には受け入れられそうなアイテムだと思います。従来のクラシックなBarbour(バブアー)ファンからは賛否両論かも・・・。
出典:【予約商品】Barbour Moncler SL BEDALE|バブアー Barbour 公式オンラインストア
ビビッドなイエローも。生地はナイロンでフィットタイプはSL。中のダウンは着脱可能でそれ単体でも使えるようです。
因みに価格は30万越えです。さすがはモンクレールといった強気の価格設定ですね。
余談ですし、あるあるではありますが、いつの間にモンクレールはこんなハイブランドのような価格になったのでしょう。昔は言っても10万くらいで十分フラッグシップモデルが手に入ったものです。ダウンの価格高騰、関税などの関係もあるでしょうが、昔を知っていたらどうしても購入しようと思えなくなってしまいます・・・。
更に余談ですが、モンクレールの日本市場でのマネジメントを行っているのは実は八木通商です。そう考えると、何と微妙な話なのでしょうか・・・。本国のモンクレールとのタッグではあるのでしょうが、きな臭い匂いも若干どころかだいぶ漂います・・・。
ところで、ワラントって何?SLって何?等という疑問をお持ちの方は是非こちらの過去記事をご覧ください。
③クラシックモデルの継続と「ASHBY(アシュビー)」
出典:メンズBEDALEワックスジャケット|バブアー Barbour 公式オンラインストア
ワックスコットンのビデイルは価格(ほぼ)据え置きで変わらずラインナップされています。ただし現在のところビデイルのみが販売されており、その他のビューフォートやボーダー等はcoming soonとなっている状況。
若干気になっているのは、それら主力アイテムの一端としてラインナップしている「ASHBY(アシュビー)」。今まで八木通商のマネジメント下ではあまりプッシュされていなかったモデルです。
出典:ライトウェイトワックススリムASHBY|バブアー Barbour 公式オンラインストア
ビデイルとかなり似通ったスタイルですがやや細身でスタイリッシュ。Barbour(バブアー)についてそれなりに詳しい私も今まで通ってこなかったアイテムです。
伊藤忠か本国が今後プッシュしていくモデルなのかもしれませんが、ビデイルとの棲み分けは上手くできるのか、要注目です。
④ワックスジャケット以外のラインナップ増加
出典:プレップロゴクルーネックスウェット|バブアー Barbour 公式オンラインストア
「ライフスタイルブランドとして売っていく」という本国Barbour(バブアー)の意向通り、日本市場でも本格的にワックスジャケット以外のラインナップが増加しています。画像のようにBarbour(バブアー)のロゴを強調したトップス類や・・・
出典:コットンベースボールキャップ|バブアー Barbour 公式オンラインストア
キャップなどの小物類、パンツやシューズ、傘等、生活上のほぼすべてをフォローできるフルラインナップになっています。
これはそもそも今季から新たに作り始めたものというわけではなく、元々本国Barbour(バブアー)は今季以前も展開していたのですが、八木通商のマネジメント下の日本では取り扱いがなかったという事です。
このように、今季からはBarbour(バブアー)は日本でもフルラインナップが揃えやすくなると理解して間違いはないと思います。
⑤レディース、キッズはまだ
ホームページ上で確認する限り、現段階でレディースやキッズのラインナップは確認できません。過去記事でも述べたように、本国Barbour(バブアー)と伊藤忠商事、そしてバブアー・パートナーズジャパンは今後レディース、キッズのラインナップの増加を明言しています。徐々に版図を拡げていくつもりなのか。ここは今後要注目な部分です。
⑥並行輸入品等は現在同様購入可能
本国Barbour(バブアー)のアイテムの並行輸入品等は、現在同様に今のところネット等で購入可能な状態です。因みに昨年までのモデルもまだまだ楽天 で見てみると十分在庫がある状況(しかも根気強く探せばセール品にも巡り合えます)。
伊藤忠というと、様々な誤解もあるようですがアメリカのコンバース(CT70)の国内販売についての訴訟事件がファッションフリークの間では有名で、Barbour(バブアー)についても本国の物が買えなくなるのではと懸念している方も多いのではないかと思いますが、コンバースの時とは事情が違い、今回は本国Barbour(バブアー)とパートナーシップを結んでいる関係性なので、恐らく今後も問題なく買えるのではないかと思います。
コンバース問題では、アメリカのコンバースが廃業後にナイキ傘下に入り、日本で新たに伊藤忠が「コンバースジャパン」を立ち上げたという複雑な事情がある為にあのような出来事に繋がってしまったという背景になっています。なので大丈夫でしょう、きっと・・・。
まとめ
やっぱり、Barbour(バブアー)が好きなのです、筆者は。
ここ数年、毎年秋になるとBarbour(バブアー)が欲しい病に侵され、毎日毎日悶々としてしまうほど。
先日も危うく過年モデルのバーレーを買おうかどうかと逡巡していたところでした。
世間には、同じようにBarbour(バブアー)が大好きな方が本当に多くいらっしゃると理解しています。
中毒性があるのです。Barbour(バブアー)のジャケットには。
だからこそ、今年の春に一斉に直営店舗とオンラインストアが閉鎖したときには様々な憶測が飛び交い、伊藤忠の動きが分かった際には衝撃が走りました。当ブログでも他記事に比べて閲覧数は相当伸び、世間の関心の高さが窺えたのです。
八木通商の日本国内でのブランディングは、伊藤忠に移った後の、今のホームページを見るとやはり秀逸なものだったという印象をどうしても持ってしまいます。鮮やか且つ周到なブランディングだったと言っていいでしょう。
今後、Barbour(バブアー)の世間に対するイメージはどう変わっていくのか。そしてどんな路線でブランディングされていくのか。
Barbour(バブアー)が大好きだからこそ、必ず追い続けたい。
その顛末を見届けたい。
そう思っています。
Barbour(バブアー)の昨年までのモデルや別注モデルは楽天で購入可能です。
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