ミニマリストへの道
服好き、靴好きの皆さんこんにちは。
皆さんは靴を何足所有していらっしゃいますか？
私？数えてみましょう、久し振りに。
・・・（サンダルを含めて）33足でした。うーん、色々な意味で納得。
以前この記事にて、将来的にはミニマリストを目指していると告白した私。
33足のシューズを所有してはいますが、未だに「もし一足持つならばこれ」というモノを探すための道程なのです（本当です）。
勿論オトナなので、TPOに合わせた最低限のバリエーションは必要ですが、少なくともカジュアル履きに関しては汎用性に優れ普遍性の高い一足を追い求め、それが見つかれば越したことはないと思っていました。
・・・遂に手に入れたかもしれません。その一足が・・・。
ムーンスター・ローバスケット。
ずっとずっと、手に入れる機会を探っていた一足です。
別に、価格的に買えないとかそういうわけではないのですが、タイミングがなかなか合わずこれまでに邂逅することがなかった名作。
遂に巡り合いました。
ムーンスター・ローバスケットは、私が辿り着きたかった一つの答えなのかもしれません。今は少なくとも、そんな気がしています。
ムーンスターについて
ブログ立ち上げ初期に投稿した記事でムーンスターについては述べていますが、改めて語りたいと思います。
出典：ムーンスター スニーカー ローバスケット キャンバススニーカーFINE VULCANIZED LOWBASKET 5432014 日本製 久留米 バルカナイズ製法 メンズ レディース
「ムーンスター」について、皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか。
子供の頃に履いた体育館シューズ、若しくは通学シューズ？
いえいえ、ムーンスターは日本が、いや、福岡県の久留米市が世界に誇る伝統あるシューズメーカーです。現在日本に3か所しか残っていないバルカナイザー（加硫釜）を所有しており、熟練の職人によるファインバルカナイズド製法を実現できる稀有な存在。
ムーンスターのファインバルカナイズド製法で製作されたシューズは、無理な加圧がなくゆっくりとキャンバススニーカーのゴムを蒸着させるため、大量生産されたキャンバススニーカーにはない美しいフォルムと柔らかな履き心地を実現させます。
見るものを魅了する、細部にわたる美しさは圧倒的。更に、足入れ、履き心地、歩きやすさまで文句の付け所はありません。
出典：ABOUT | MOONSTAR - MADE IN KURUME (moonstar-manufacturing.jp)
月星は、日本で初めてミシンを足袋製造に導入したほか、1922年にゴム底地下足袋を商品化し、1958年には南極観測隊のブーツを製造したことでも有名。
常に新しいことにチャレンジし、圧倒的に真摯な物作りを続けてきた月星シューズ。実はニューバランスジャパンの設立に関わっていたり（最近までニューバランスジャパンの社長はムーンスターの創業一族でした！）、伊藤忠商事と共に日本国内で展開するコンバースフットウェアを設立したりと実に深く私たちの生活の身近に根付いている存在でもあります。コンバースのメイドインジャパンモデルは、他のムーンスターのシューズと同じく久留米の工場で製作されています。
近年は海外市場を意識したラインを発表しており、中でも過去記事でご紹介した810s（エイトテンス）は大ヒットラインとなりました。
最早ムーンスターは「生活の為の非ファッションアイテム」ではなく、「日本と久留米が世界に誇る、伝統とファッショナビリティを兼ね備えたオシャレなシューズブランド」なのです！
ローバスケットレビュー【追い求めていたもの】
パッチ
昔ほどメイドイングローバルを嫌わなくなり受け入れ始めている私ですが、本当はアメリカ製とヨーロッパ製と、そして日本製のものが好きです。
そして、職人が作る非大量生産のものにはどうしても魅力を感じてしまうのが事実。
ムーンスターのシューズのヒールには「MADE IN KURUME」のパッチが。これなのです。やっぱり、これが大切で、これが大好き。手に入れて、改めてそう感じました。
このヒールパッチには、創業以来ムーンスターが頑なに保持し続けてきた自社工場製であることへの誇りが顕示されていると思います。中途半端な存在が自らの威光をいたずらに誇示することほど滑稽なことはありませんが、このムーンスターのヒールパッチからは微塵もそんな雰囲気は感じません。寧ろこれでも控えめ過ぎるのではと思うほど。
シルエット
余計なものが一切乗っかっていないミニマルなデザインも、全くもって必然性が高い。「ローバスケット」のモデル名の通り、レトロなバスケットシューズをデザインソースにしているのは明白ですが、世の中に溢れている量産品とはまるで違う圧倒的な雰囲気。先述したファインバルカナイズド製法の賜物で、明らかに綺麗なシルエットは生唾物です。
アウトソール
歩を進める際にやっと確認できる唯一の個性、それがこのラバー製ソール。ブルーの一色で成っているのですが、これは無論月星シューズを象徴するブランドカラー。真正面から大胆に主張するのではなく、あくまでもしおらしく。職人気質で、真摯な社風を現しているかのようです。
アッパー
滑らかなキャンバス地は、シューズの醸すクラフトマンシップをより一層引き立たせるかのような上質な質感。ホワイトのステッチ、細身のシューレースとの相性も抜群で、いつまで見ていても決して飽きないほど美しい。
ヒールは決して硬さはなく、しかし程よく柔軟。初履き時からほぼ靴擦れの心配がないと言い切れます。ムーンスターの拘りの一つは「足入れ時のインプレッション」。それは一度履くとすぐに認識できるでしょう。
その他
インソールはクッション性の高い物などは使用されていません。しかし、それでも十分行けることは、歩いてみると一発で了承できます。クッション材の不使用でここまで快適だとは・・・私は少なくともそう思いました。
シュータンも同様にクラシックな作り。ですがそれで十分なのです！
コーディネート・履き心地・サイズ感
アウター：オアスロウ
インナー：ロサンゼルスアパレル
パンツ：ハバーサック
シューズ：ムーンスター
普段標準的な作りのスニーカーが27㎝、レザーシューズだと26㎝若しくは26.5㎝を選ぶ私が27㎝を履いています。さすがはムーンスター。日本人の足にピッタリハマる作りだと思いました。思わずビスポークなのでは？と思うほど（少し言い過ぎました）。
今回はナチュラルな雰囲気に纏めてみましたが、全く穿くもの、着るものを選ばない汎用性の高いシューズだと思います。クラシックで癖がなく、しかし存在感は抜群。
気取ったところがなく、しかしよくよく見てみると一味違う。これは私が標榜するテーマでもあるので、実に圧倒的な利害の一致なのです。
しかし、圧倒的な履き心地の良さ。先進的な機能はほぼ採用されていないのにこの感覚・・・。熟練の職人の凄みを感じずにはいられません。
まとめ
冒頭で述べたように、今私は将来ミニマリストになっていくための道程に居ます。
今のところ、これです。「カジュアル履きのシューズ、一足だけ持つとしたら何か」。スタイル的にも、品質的にも、説得力という意味でも。
若干烏滸がましいかもしれませんが、最も自分らしい一足のような気がするのです。
出典：MOONSTAR Limited Store at HAY TOKYO | MOONSTAR - MADE IN KURUME (moonstar-manufacturing.jp)
最後に余談を。
ムーンスターのアイテムは近年、本当に多くのオシャレなショップで取り扱われるようになっています。多くのバイヤーの琴線に触れ、服好き・靴好き達の足元を飾るアイテムとして、本気で選ばれているのが現状。
810s（エイトテンス）のような、ハイブランドとのコラボも実現しているラインもあり、その存在は久留米から日本全国、そして日本から世界中へと飛躍しています。
そんな中でもメイドイン久留米ラインが無くなることなくずっと継続して行って欲しいと切に願っているのですが・・・
先日お伝えしたこちらの悲報のように、世界中でクラフトマンシップ溢れるブランド等も存続の危機に瀕したりしているのでちょっと心配しています。
月星シューズは日本の誇りであり、宝です。みんなで応援しましょう！
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