いなたくてダサいけど格好良い
トラックスーツを普段着に取り入れたい。
そういう気持ちになりつつある自分に気付いたとき、結局トレンドに感化されている芯のなさを思い知らされた。
まあ、トレンドど真ん中というわけでもないのだろうけれど、それなりに(特にレトロな)スポーツミックススタイルは勢いがあるのは確かだ。
様々なトラックスーツを物色すると、結局行きついたのはアディダスオリジナルスだった。NEEDLESや最近様々なショップやブランドから別注指名が掛かっているアンブロ等も気になったが、この分野ではアディダスオリジナルスに一日の長があるということなのだろう。
・・・というわけで手に入れたのはアディダスオリジナルスのベッケンバウアートラックスーツ。いなたくてダサいけれど格好良いこのジャージをレビューしていきたい。
ベッケンバウアートラックスーツとは
フランツ・ベッケンバウアー
「ベッケンバウアー」と聞いても、サッカーに造詣がない方にとっては「何(誰)、それ?」と思うかもしれない。
フランツ・ベッケンバウアーはドイツで歴代最高のサッカー選手として知られているレジェンドだ。ディフェンダーとして初めて世界最高のサッカー選手に贈られる個人賞であるバロンドールを(複数回)獲得した。ディフェンスラインの最後方からゲームをコントロールし、「(現代サッカーではなかなか存在しないが)リベロ」という概念を生み出した選手でもある。ドイツ・ブンデスリーガを4回、チャンピオンズカップ(現・チャンピオンズリーグ)を3回獲得するなど、名実ともに世界最高のプレイヤーとして60~70年代のサッカー界に君臨し、「皇帝」の名を冠した。
また、指導者としても西ドイツ代表を率いた90年イタリアワールドカップで優勝、フランスの強豪・マルセイユや自身の出身クラブ・バイエルン・ミュンヘンでも指揮を執った。バイエルンでは会長を務め、世界最高峰のクラブの運営に長きに渡り携わっている。
彼が世界のサッカー界に与えた影響は計り知れないと言って良い。昨年(2024年)78歳で逝去したが、その功績は色褪せることはないだろう。
ベッケンバウアーの功績を讃えて作られたジャージ
1968年にそのベッケンバウアーの名を冠したジャージ(セットアップ)をアディダス社がリリース。今もなお時代に合わせてアップデートを繰り返しながら不朽の名作として愛され続けているのだ。
そもそもアディダス社の本社はドイツのミュンヘンに居を構えている。ミュンヘンは東西ドイツが統一される前は西ドイツでハンブルクに次ぐ第2の都市、統一後も第3の都市である。
耳にタコが出来るほど聞く蘊蓄(うんちく)としてお馴染みの様に、ダスラー兄弟社がアディダスとプーマに分かれ、今もなお両社は一本の川を挟んで両側に本社を構えているわけだが、兎にも角にもドイツサッカーとアディダスは切っても切れない強い関係性を以て歩んでおり、ベッケンバウアーの他にも往年の名選手・ゲルト・ミュラー等もその名を冠したアイテムがリリースされている。
ベッケンバウアートラックスーツレビュー
概要
それでは購入したベッケンバウアートラックスーツをレビューしていく。
これまで幾度となく復刻・アップデートされてきたベッケンバウアートラックスーツ。こちらは2024FWモデル。勿論セットアップで着用できるトラックパンツ もリリースされている。
選んだカラーはブラック×パープル。勿論部屋着やトレーニングウェアとして購入したわけではないので、なるべく普段のコーデに取り入れやすそうなカラーを選択した。
また、ベロアバージョン もリリースされており、そちらもなかなか格好良い。
ディテール
基本的なディテールは一般的に想像されるスポーツ用の「ジャージ」とそう変わらない。立ち襟も一般的な高さで特に捻りは無し。
ブラックのカラーにパープルのスリーストライプスが映える。カラーリングに程よく現代的なストリート感が感じられるところが特徴的だ。
ショルダーからスリーブ部分に走るラインは各々のブランドで様々なデザインが考えられてきたと思うが、一発で「アディダス」と判るこのスリーストライプスに勝るものは未だ登場していない気がする。
締まりすぎない裾リブは往年のモデルと比べてアップデートされた点だろう。昔のものはここがキュッと締まっていた筈だ。
ジップはダブルジップ。ジップがシングルかダブルかによって使い易さに雲泥の差が出る。トラックトップやブルゾン等を選ぶ際は絶対に確認する箇所である。
ファイヤーバードトラックトップ等の他のモデルと違い、胸部分のロゴは「adidas」の印字がなくトレフォイルのみの仕様になっている(ファイヤーバードも一部トレフォイルのみの仕様のものもある)。勿論プリントではなく刺しゅうだ。
従来よりも下方に位置していてこなれ感を演出している点もポイントである。
素材・シルエット
素材はリサイクルポリエステル。トリコットという経編で、糸をループ状に編む生地。通気性や伸縮性、形状安定性に優れており汎用性が高い特徴がある。
無駄にツヤっとした感じがなく、普段のコーディネートにもすんなり馴染むように思える。
シルエットは現代的なリラックスシルエット。往年のベッケンバウアーはジャスト目のイメージがあるが、リリースされる時代に沿ってアジャストされており、トレンドライクに着こなしが出来るよう再設計されている。
アディダスオリジナルスはスポーツラインと違いファッション性に特化したラインなのでこの辺りも抜かりはない。
サイズ感・コーディネート
サングラス:MOSCOT(モスコット)レムトッシュ ジャパンリミテッド15
アウター:アディダスオリジナルス・ベッケンバウアートラックスーツ
カットソー:ルミノア×ユナイテッドアローズ
パンツ:UniqloU(ユニクロユー)2024秋冬 コーデュロイタックワイドパンツ
シューズ:チェコ軍
173㎝59㎏でXLサイズを着用。かなりゆとりのある着用感になっている。何ならば中にスウェット位であっても着込めそうだ。
人それぞれで良い部分かと思うが、襟を寝せてインナーを覗かせ、ダブルジップを活用する着こなしが好み。中は無地のカットソーやシャツでも良いだろう。
パンツは同型のトラックパンツをセットアップで合わせるのは部屋着やトレーニングウェアっぽくなりそうで難易度が高いので(本当に部屋着に使うなら良いが)、スラックスやワイドパンツ等を合わせたい。
因みに、アディダスのものであることが明白なのでシューズはナイキやプーマ等のスポーツブランドを持ってくるとバッティング感が出てしまう。かといってアディダスのシューズを合わせるとフリーク感を醸してしまうかもしれないので、スポーツブランド以外のものを持ってきたいところである。
まとめ
これは「これを選んでおけば間違いない(オシャレ見えする)」といった類の便利アイテムではない。いなたいし、一歩間違えばダサく見えてしまう。トラックスーツとはそういうアイテムだ。
しかしだからこそ合わせる面白さがあるし、上手く着れば心強いワードローブの一環に昇華させることが出来る。
この手のアイテムは昨今様々なブランドからリリースされていて選択肢は豊富だが、アディダスオリジナルスのもの、特にベッケンバウアーは強いルーツを(一応)持ちながらディテールやシルエットはモダンにアップデートされていて非常に使い易いと思う。トラックスーツを探しているならば手を伸ばしてみても良いのではないだろうか。
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