ついタグ買いしちゃうおっさん
特に用事があったわけではない。
何となく立ち寄った土着のセレクトショップ・・・そこにそれはあった。
もう夏も終わりで、この時期に半袖の物を買う事は例年ほぼほぼない。・・・しかし、仕方がない。
聖林公司、ハリウッドランチマーケット、そしてブルーブルー・・・。これらのタグの付いているものを見ると懐事情や時期(季節)、ワードローブの充実具合等はそっちのけで否応なし惹きつけられてしまう。
こちらの記事でも暴走気味に語ったのだが、私はそういう世代なのだ。
ハリランやブルーブルー、ガイジンメイド(あと、オクラ)が大好きで、その世界観に浸りながら多感な時期を過ごした世代。いい思い出を振り返ると、その時々にはランチのTシャツやブルーブルーのデニムを着ていたことが実に多い。
だから、仕方ないのだ。それがノスタルジーってものだ。いや、現在もまだそれらの魅力にハマり続けているのかも知れない。
購入して自分のものにすると、いまだに何とも言えない高揚感を得られるのだ。
BLUE BLUE(ブルーブルー)とは
出典:SEILIN ONLINE SHOP|聖林公司の公式オンラインショップ (hrm-eshop.com)
近年では、聖林公司、ハリウッドランチマーケット、ブルーブルーはトレンドのド真ん中には決していないと思う。時々ストレッチフライスシリーズのようにスマッシュヒットを飛ばす単品のアイテムはあっても、若者の話題に上るような存在では決してない。
聖林公司が運営するブランドの中で最初に立ち上がったブランドはハリウッドランチマーケット。ブランドといっても、元々は千駄ヶ谷で1972年に創業したショップの名で、その後1979年に代官山に移転する。
最初は輸入古着やアクセサリーの販売からスタートしたが、やがてオリジナルでバンダナを作りはじめ、これが初のオリジナルプロダクトということになる。
出典:SEILIN ONLINE SHOP|聖林公司の公式オンラインショップ (hrm-eshop.com)
対してBLUE BLUE(ブルーブルー)は1980年代前半にスタートした同社のブランドで、デニムシャツのリリースからスタートした。ハリウッドランチマーケット名義のものと明確なコンセプトの区別は(多分)ないが、比較的インディゴやデニム、シャンブレー等のリリースが多く、マリンテイストな傾向が比較的強いと思う。90年代から00年代くらいに聖林公司系列にハマっていた我々からしてもほぼほぼそのような認識だった。
例えばミリタリーで言えばランチが陸軍でブルーブルーが海軍と言った様相だと言って大きく違わないだろう。
出典:SEILIN ONLINE SHOP|聖林公司の公式オンラインショップ (hrm-eshop.com)
聖林公司には様々なブランド(ライン)があって中には消えていったものもあるが、創業初期から残っているのはハリウッドランチマーケットとブルーブルー。やはりいつになってもこの2つが同社の二枚看板なのである。
聖林公司の特徴
出典:SEILIN ONLINE SHOP|聖林公司の公式オンラインショップ (hrm-eshop.com)
聖林公司は、その出自がアメリカ古着の販売だったことからもわかるように、基本的にジャンルはと問われればアメカジに分類される。しかしそこに日本独自のエッセンスが交じり合っており、さらに時々きちんとしたテーラリングの技術も感じられたりもする。創業者は元々あのヴァンヂャケットに勤めていた経験があり、その後アメリカのヒッピーカルチャーの影響を受けたと語っていることから、そのバックグラウンドが影響しているようだ。
アメリカの無骨なカジュアル、枠に囚われないヒッピーの要素、そしてエキゾチックで情緒深い日本のエッセンス・・・。それが聖林公司を象っているフレームなのである。
青春の思い出
出典:SEILIN ONLINE SHOP|聖林公司の公式オンラインショップ (hrm-eshop.com)
ハリウッドランチマーケットとブルーブルーは、特に大学生時代に好んでいたブランドだ。当時熊本市の大学に通っていたのだが、ある時私の他4人いた仲間のうち、朝講義に出るために待ち合わせていたら3人がブルーブルーのデニムを履いていたことがあった。なんだが流石にこっぱずかしくなってしまったのをよく覚えている。
海に行った時の写真を見ても、花火をした時の写真を見ても、そして日本一の石段(3333段)を登りに行った時の写真を見ても、私はかなりの高確率でランチのTシャツを着ている。更に、韓国に旅行に行った時はどうだっただろうかと今しがた確認してみたら、やっぱりブルーブルーのデッキジャケットを着ていた。
私の青春は聖林公司に彩られていたのである。
つい買っちゃったボーダーバスクTのレビュー
さて、件(くだん)のボーダーバスクTがこちら。
冒頭で述べたように、もう8月になると私の意識は秋冬物ものにとうに飛んでおり、この時期に夏物を購入することはほぼほぼない。
9月に入ったら、(特に今年はまだまだ猛暑が続きそうだが)半袖で外に出ることは余りなくなるからだ。9月からは秋物を着る。これはポリシーであり、幾ら残暑が厳しくとも決して曲げることはないだろう。
要するに、今半袖のカットソーを購入しても、それ一枚で外出することは無いわけで、アウターのインナー使いはするかもしれないが総じて出番は少ない訳である。
・・・でも、ついつい買ってしまった。
ARIGATO(ありがと)と言われると、DOUITASHIMASHITE(どういたしまして)と言わなければならない。それが日本人の矜持というやつだ(なんのこっちゃ)。
ディテール
大きく変哲があるわけではない、ベーシックなボーダーバスクシャツである。
ブルーブルーは先述のように聖林公司のブランドの中でもマリンテイストを担っているので、実は昔からボーダーシャツは得意分野だ。
セントジェームスよろしくボートネックになっているが、実際はセントジェームスやオーシバル等と比較するとクルーネック寄りの形になっている。実はここが結構有り難く、何枚も所有しているセントジェームスのバスクシャツとの差別化を果たしてくれることになる。気持ちとしてはボートネックというよりもクルーネック扱いにできるのである。
左袖にBLUE BLUEのピスネーム。明らかにセントジェームスやオーシバル、ルミノアのバスクシャツ御三家へのオマージュだろう。しかし、ここに「BLUE BLUE」のタグが躍っていることは私の胸を高ぶらせる材料になり得るのだ!・・・カラーがオリジンのブルー背景に赤文字なのも極めてGoodである。好きだという思いが迸(ほとばし)る。
シルエット
シルエットはかなりゆったりとしている。
バスクシャツは昔ながらのものは特にかなり細身のものが多かったり。セントジェームスの標準的なモデルであるウェッソンもジャストフィット目の作りである。
それらと一線を画するようにリラックス感が漂う身幅、身丈、そして袖丈、袖ぐりになっている。
肩も思いきりドロップしており、大いに抜け感が演出出来そうだ。
ブルーブルーもそれなりに時代の波になっているのだなと実感した部分である。
生地
生地は勿論100%コットン。柔らかくてフワフワとした天竺編みのリサイクルコットンが採用されている。
ナチュラルでエコ。上質な風合い。如何にも聖林公司らしいチョイスだ。セントジェームスで言えばガザっとして厚みのあるウェッソンというよりも夏モデルであるピリアックに近いと思う。ただ、やはりブルーの色味の出し方は素晴らしいと思った。オリジナルのムラ糸を使用することで実現している、何とも言えない立体感が魅力だ。昔からずっと見続けているからこそ、ブルーブルーの青色の作り方の上手さは分かると自負している。至高だ。また、好きだという思いが迸(ほとばし)ってしまった。
コーディネート、サイズ感
メガネ:TOM FORD
トップス:ブルーブルー
パンツ:PORTER CLASSIC
シューズ:リプロダクションオブファウンド
腕時計:ハミルトン PSR
バングル:ファーストアメリカントレーダーズ
173㎝60㎏でサイズ3(L相当)を着用。かなりリラックス感のあるサイズ感になっている。
総柄のアロハパンツと合わせているが、通常、柄×柄はご法度と言われているコーデ。しかし、何気に着てみるとしっくりきてしまった。
これは、ブルーブルーのカットソーがかなりリラックス感のある雰囲気だったためで、生地感もムラ糸のコットンとレーヨンの相性が良かったためだと思われる。
着心地もとても良く、自然な素材に包まれている感触が感じられる。こういうのもまた、本来のブルーブルーの特徴である。
まとめ
何となく、時代の中に埋もれてしまった感も否めない聖林公司。
しかし、贔屓目なしにいまだにいいモノをきちんと作り続けているブランドだと今回改めて感じた。
個人的にはこれからもひっそりと愛し続けていきたいので、そんなにまたメジャーにならなくても構わず、「知る人ぞ知る」といった感じで良いは良いのだが、この「良さ」はやはり今の若い人たちにも知ってほしいといった感情もある。「凄く格好良いぜ!」というおっさんの声に、いっとき耳を傾けてはくれまいか・・・。絶対に損はないぜ!
ナチュラルで、ユニークで、そしてバックグラウンドも確か。「ほらほら、結構格好良いでしょう?」と声を大にして言いたい。
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