YMのメンズファッションリサーチ

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【ラッセルモカシン スポーティングクレーチャッカ】本当に良いモノは何十年も使える

 

遂に20年来の相棒に

過去記事でもご紹介したように、私の所有するラッセルモカシン・スポーティングクレーチャッカとの付き合いはめでたく20年を突破いたしました。

色々な意味で自身のファッションの考え方を象徴しているこの一足。今回はその理由と、ラッセルモカシンについての復習も併せて述べていきたいと思います。

是非、最後までお付き合いください。

 

ラッセルモカシンの伝統

出典:【正規代理店】 Russell Moccasin ラッセル モカシン メンズ ブーツ

 

ラッセルモカシンはアメリカのウィスコンシン州ベルリンで1898年に創業したシューズブランドです。創業120年を誇る老舗で、ブランド名は創業者のウィル・ラッセルの名前からとってあります。

ラッセルモカシンのシューズはそもそも森林伐採作業に従事する木こりたちの為に作られたワークシューズで、その動き易さや丈夫さの評判は瞬く間にワーカーたちの間で広まっていきました。

1920年代以降はビル・ガスティンの加入によりアイテムバリエーションが増えていき、労働者のみならず大統領や政治家、王族や映画俳優などの余暇活動としてのハンティング用途へも裾野を拡げていきます。

 

出典:【正規代理店】 Russell Moccasin ラッセル モカシン メンズ ブーツ

 

ラッセルモカシンのシューズはブランド名の通り「モカシン製法」が用いられていますが、このモカシン製法は最も古いシューズの製法の一つと言われています(諸説あり)。別名袋モカ、インディアンモカとも言われ、頑強で丈夫、構造上の理由から耐水性にも秀でており、勿論歩きやすく動きやすい。足場の悪い山林で快適に活動するためにどういった機構が必要なのか、当時の職人たちが思案に思案を重ねた結論な訳です。

 

ラッセルモカシンの特徴

出典:Russell Moccasin(ラッセルモカシン) – ZABOU BLOG

 

今現在も、ラッセルモカシンのシューズは先述したままの製法が用いられています。熟練の職人が一足一足手作りで作り上げていく工程も頑なに守られていて、大量生産では決して表現することが出来ないハンドメイドならではのアジがあります。

ラッセルモカシンは「決して巨大な靴の多国籍企業になることはない。小さなままであることを望む」と言い放っており、市場に出回る足数は極めて少量になっています。

 

出典:Russell Moccasin(ラッセルモカシン) – ZABOU BLOG

 

昔ながらの製法と工程を守り続け、自らをすすんでスモールな存在に留め、ストイックに変わらないモノを作り続ける。

ラッセルモカシンは、靴好きを唸らせる背景が盛り沢山の本当に素敵なシューズブランドなのです。

最近イギリスのホワイトハウスコックスが事業廃止になり、その理由が表向き「後継者、若しくは職人の不在」とアナウンスされましたが、そのニュースを聞いたときに「ラッセルモカシンは大丈夫だろうか」と少し心配になりました。

これは別にニュース等で見たわけではなく単なる想像ですが、良い状況ではないのではと思ったりします。どうか、ラッセルモカシンは出来る限り存続して欲しい。こういう職人気質でアングローバルなブランドが無くなってしまうのは悲しいことです。

 

20年所有するラッセルモカシン・スポーティングクレーチャッカ

というわけで、私が社会人1年生の時に購入したラッセルモカシン・スポーティングクレーチャッカ。20年生になります。

スポーティングクレーチャッカは名作が数多く存在しているラッセルモカシンのラインナップの中でも最もベーシックなブーツ。

その名の通りクレー射撃用に作られたと言わるモデルになります。

 

アッパー

かなり変色や退色が進行していたので、昨年サフィールのカラー補修クリームで思い切って補色しています。補色直後は少し色が明確になりすぎたかと思いましたが、それから暫く使って現在丁度良い具合になっています。

 

クロムレザーは十分な厚みがあり、欠損等はほぼありません。こうやって見てみると、本当に一生ものになるという前提で作られているのだろうなと感心せずにはいられません。この堅牢さはやはり実に素晴らしいです。

 

ソールと履き心地

アウトソールはビブラムの2060。ラッセルモカシンと同じアメリカのブーツブランド・ダナー等にも採用されているソールです。

20年の間で一度だけソールの張替えに出しており(当時で大体12,000円くらいでした)、まだまだ大丈夫そうです。さすがは世界のビブラムソールですね。

履き心地も全く変わっておらず、誇張なしにスニーカー感覚です。購入直後は靴擦れが酷かったですが、それを修行と思って乗り越えたらそこには最高の履き心地を提供してくれるブーツがありました。

モカシン製法はやはり伊達ではなく、激しい動きも難なくこなせてしまう程、最高のユーティリティー性の高さです。

 

内部など

20年経過して底の文字が消えていないのって凄いですよね。レザー張りで常に心地よく、まさに包み込まれるような感触です。最近さらにこの辺りの感じが向上しているような気さえします。

ヒールに縫い目があり、一発でハンドメイドだと分かりますよね。何だか見る度に感動します・・・。

 

コーデ

アウター:Schott

カットソー:ルミノア

パンツ:URU

シューズ:ラッセルモカシン・スポーティングクレーチャッカ

ラッセルモカシンのスポーティングクレーチャッカは、意外と汎用性の高いルックだと思います。今回はゆったり目のカジュアルコーデで組みましたが、例えば細身のデニムや、敢えてキレイ目なコート等にも対応します。出自がアウトドアブーツなので、アウトドアコーデにも馴染むでしょう。

 

剛健で堅牢な雰囲気を、モカ縫いの雰囲気が上手く中和してくれているような気がします。シルエットはいい意味でエッジが効いているという見方も出来るかもしれませんが、幅広い運用をこれまでしてきました。強さの中にも洗練さを兼ね備えている本当に良い靴です。

サイズ感は通常のレザーシューズと同様でやや大きめの作りなのでスニーカーの適応サイズよりも0.5㎝小さめを選びましょう。

 

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ラッセルモカシンのその他のおすすめシューズ

ノックアバウトブーツ

出典:RUSSELL MOCCASIN ラッセルモカシン KNOCK-A-BOUT BOOTS ノックアバウトブーツ 3940707 ベージュスエード ブラウン ブーツ メンズ 本物 本革

 

スポーティングクレーチャッカと双璧を為すラッセルモカシンの代表的モデルがノックアバウトブーツです。

ノックアバウトブーツはハイカットですが極めて着脱がしやすい作りになっているローファーブーツになります。如何にもアメリカらしさが溢れる一足。この着脱のしやすさは川辺でのワーク用途が出自な所以です。

こちらも細身のデニムから軍パンまでカジュアル用途なら高い汎用性を誇り、敢えて女性がスカートなどに合わせて履いてもかわいいのではないかと思います。

 

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キャンプモカシン

出典:Made in USA【RUSSEEL MOCCASIN】ラッセルモカシンCAMP MOCCASIN キャンプモカシンCOW LEATHERBLACK ブラック

 

キャンプモカシンは夏に履きたいラッセルモカシン。

カウレザーとデッキシューズ由来のデザイン、ホワイトステッチ、そしてボートソールを備え、山林のワークシューズが出自であるラッセルモカシンのラインナップの中ではやや異彩を放つ存在です。

大人が夏の暑い日にメイドインUSAのラッセルモカシンを履いて闊歩すれば、それはどこからどう見ても格好良いに決まっていますね。

 

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サファリ

出典:Russell Moccasin / ラッセルモカシン SAFARI PH / サファリ BRWON CR / ブラウンクローム vibram #4014 ビブラム シングルバンプ WIDTH:E

 

こちらのハイカットブーツ「サファリ」はラッセルモカシンの中でも珍しいレザーとキャンバスのコンビアッパーモデル。そうなるとダナーライトに近しい雰囲気を感じますね。このコンビアッパーは通気性を確保しながらも、勿論ラッセルモカシンならではのモカシン製法で防水機能はきっちり備えています。

無骨で男らしい、アメリカンなブーツです。

 

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レガッタボートシュー(トリプルヴァンプ)

出典:【RUSSEEL MOCCASIN】ラッセルモカシンREGATTA BOAT SHOE TRIPLE VAMPレガッタボートシュー トリプルバンプCHROMEXCEL LEATHERクロームエクセルレザー全2色

 

レガッタボートシューはスポーティングクレーチャッカを切りっ放してローカットにしたようなデザインのアイテム。

ここで語りたいのはラッセルモカシンの「トリプルヴァンプ」について。

 

出典:モカシン製法について|ラッセルモカシン専門ショップ-Moccasin Works

 

ラッセルモカシンの製法は

  • シングルヴァンプ
  • ダブルヴァンプ
  • ダブルモカシン
  • トリプルヴァンプ

という風に分かれており、私が所有しているスポーティングクレーチャッカやここまでご紹介してきたアイテムはシングルヴァンプになります。

シングルヴァンプは基本的なモカシンの製法ですが、ダブルヴァンプになるとレザーの内側にさらに一枚のレザーが包み込まれるように重ねられています。

ダブルモカシンはシングルヴァンプの外側にモルテッドソールが追加されていて水の侵入防止について更に優秀な構造になります。

そしてトリプルヴァンプはダブルヴァンプにダブルモカシンを合わせた最強の製法。このトリプルヴァンプは受注が非常に難しいとのことで、市場にも滅多に出回らず、その為価格も極めて高価になります。一応ほぼ全てのモデルにトリプルヴァンプはラインナップされていると思いますが、検索しても現在はレガッタボートシューの物しか探せませんでした。欲しい方は直営店に問い合わせて、ラッセルモカシンに受注生産してもらうしかないかもしれませんね。普段の街履きならばオーバースペックでしょうが、いつか履いてみたい気もしますね。

 

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まとめ

冒頭に、このラッセルモカシンのスポーティングクレーチャッカは自分のファッションの考え方を象徴している一足と述べました。

私は、ファストファッションも着ます。ユニクロもGUも、ワークマンも。その一方で長く愛することのできるモノも持っています。

ベースはどちらなのかと言われると、どちらとも言えません。

どちらも自らを象っている要素としては重要で、欠かせない。

ラッセルモカシンのように20年使えるものをメンテナンスしながら大事にし、その一方でトレンドライクなアイテムに関してはファストファッションのものでテイスティングする。それが実に塩梅が良いのです(すべてに於いては当てはまりませんが。あくまでもベースの考え方のお話)。

 

長く使うものはトレンドに左右されにくいものを選びますが、それだけでは気分に沿わない時が少なからずある。だからファストファッションも着る。

逆にファストファッションだらけだと自らの高揚感や本来大好きなクラフトマンシップ、裏打ちされている伝統のようなものを味わえない。

両者を上手くミックスするのが自分のスタイルなのです。

もしも、ワードローブの構成がファストファッション中心の方がいらっしゃったら、例えばラッセルモカシンに触れてみるのも良いかもしれません。

「高い」?

数万円しても、それが20年使えたらどうでしょう。それはよくよく考えてみると・・・言わずもがなですよね。

本当に良いモノは何十年も使えるのです。

 

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